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第一話 図工室の子。


 それは、小学六年の秋。

 図工の居残りをしていた・・・・・・1人でしていた。

 不器用なのとたまたま、それこそ、塾だったり他の居残りだったりでたまたま、一人だったんです。

 図工準備室の電動のこ(チェ―ンソ―でなし。)を使う為に入ります。

 糸鋸・・・一センチぐらいの幅の鋸を固定して電動で動かすタイプの電動鋸です。

 そして、当時の前のエンジ色の体操服の少年が居ました。

 私が小学五年ぐらいのときに体操服が変わったんです。

 白地にエンジ色の縁の夏服とジャージ、ブルマから、グレー地に青いジャージの体操服に。

 もちろん、古い体操服の子も居ましたが、その少年がそうではないのは、幾つかの点でわかります。

 (私1人だよね。)

 「ねぇ。何してるの。」

 「・・・・・。」

 私は,したくない経験上、「幽霊」であることは分かっていました。

少なくとも、半透明より不透明よりでも向こうの景色が見えていたり、片腕がないのに普通にしていたら、どこの引田天功かと思います。

 経験から言うのなら、幽霊に相対するときは礼儀は忘れず、しかし強気でが基本です。

 「何の未練がある。」

 『もっと,いろんなものが,作りたい。でも,手がないんだ。』

 「どうしてそうなったの?」

 『ふざけてて・・。』

 「上に逝こうよ。ねっ。」

 『ねぇ。きみ何年生。』

 「6年。あなたは。」

(シカトかい。・・付き合うか。)

『んっ、僕も、6年。』

「ふ-ん。・・・・血止める、貸せ。」

『うん。』

 血をだらだら、幽霊じゃなかったら、血の池が,出来るほどでしたから。。

 かつ、今ほど人間と幽霊を区別していなかったこともあるし、シェンナからそういう時の傷の塞ぎ方?みたいなのも、習っていたからついやってしまったんです。

 また、今は色々エンチャントしないと無理だけども、普通に触れていたと言うのもありますが。

(さすがに,冷たい)

 少年の左手・・・肘15センチからない左手からは、恐らく死因の怪我を見ました。

 流石に傷口は見なかったですが、それでもその冷たさは死人であることを酷く意識させます。

「何で、逝かない 上でも,作れるだろう。」

 少年の顔がおそろしく、変わっていきました。

『鬼』

 そう表現するしかない顔の少年。

 どうやら、地雷を踏んでしまったようです。

 肩に手を掛けられ、めり込む音。

(今までで,1番ヤバイ)

 ツゥ――――。

(な、みだ、何で。)

『僕は,もっといろんなことを知りたい 作りたい・・・・・・、。』

(でぇぇぇぇ。死んでるのきずいてない。)

(でも,成仏したいのね。)

涙それが,証だと思ったから。

無理やり引き寄せ、抱きついた。

「大丈夫よ。落ち着いて。」

少年の顔が、穏やかになったが

「・・・まだ逝かない。・・・じゃあね。」

 そう言って消えました。  

 その後、彼はまだ図工準備室に居ると言うのは聞きました。

 同類項の体質の妹達などの後輩から。








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