道
私はふと思うのです
あの渡り鳥は何処へ行くのかと
私はふと思うのです
この空はどこまで続いているのかと
私の住む世界は、全てに限りがあり
私の見る物には、変化が訪れない、ただ同じようなものばかり
だから、あの鳥はどこへ行くのかと
私には目もくれず、まっすぐその向こうを目指し飛ぶ鳥たちに
返事のない問いを、してみたのです
きっと、「お前の知らないところだ」などと
嘲笑って私を睨むことでしょう
私は今日も学校へ向かう
荒れた田舎道と広大な草原
空は晴天なのに、私は俯き歩いている
永遠と続きそうな一本道
自分の足が踏みしめ前に進む光景をただ茫然と見ている
前を見て歩けば、長い長い道のりにうんざりとしてしまう
上を向いて歩けば、その輝かしさにいつか足をとられ倒れてしまう
だから私は俯き、ただ漠然と歩んでいく
「ふふっ」と私は笑ってしまった
人生を道と例えるならば、こんなにも私らしい歩き方をするのだなと
同じ道でも、歩き方や歩幅や歩む場所を少しずつ変えていけば
同じ毎日でも多くの発見と驚きと楽しみに満ちているのだろう
だが私の人生の道は細く長い
そして限りがあった
急かされ歩くことだけに集中する私に
発見も驚きも楽しみもなく、そこには悲しみしかなかった