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俺の日常非日常  作者: 本樹にあ
◆日常編◆
7/91

第五話~知らなかったぜ、コイツの特技~

お待たせしました。第五話です^^

私は、竹田タケダ 琴音コトネ


そろそろ夏休みも終わりに近づき、宿題が山のようになっちゃって、困る時期。


やろうやろうとは思うんだけど、どうしても他の事に頭がいっちゃう。


でも今日は、絵の宿題を終わらせられる。


秋兄ぃと海兄ぃ、皆で一緒にでかけるの。


そこで宿題を終わらせる。


一人でやったらだめだけど、皆でやったら楽しいもんね。



あぁ、楽しみだなぁ♪




第五話


~知らなかったぜ、コイツの特技~





「お母さん、いってきまーす」


琴音がそう言いながら、玄関のドアを閉める。



……一応、予定より二時間遅れたが、無事サイクリングに行くことになった。


つまり、今は午後12時だ。


「じゃあ、行くか」


俺はそう言いながら、愛用の黒い自転車にまたがる。


「ちょっと待って」


と、琴音。


「どうした?なんか忘れものか?」


全く、そそっかしい奴め。


まぁ、そこが琴音のいいところでもあるんだけどな?


「で、何忘れたんだ?」


「秋兄ぃだよ」


そう言いながら琴音は、ショックのあまりフリーズしちゃっている秋を指差した。




………あ、そうだった。


あいつまだ固まったまんまじゃん(第四話参照)。



すっかり忘れてた。


「まったく、そそっかしいのはどっちよ」


「わりぃわりぃ、てか、また俺喋ってたのかよ!」


「うん」



……この癖、ホントマジなおんねぇかなぁ?


まぁいいか。


とりあえず、秋を元に戻すか。



俺は秋のところまで行き、体を揺すってみた。



「おーい。秋ー。元気ですかー?」



俺がいくら体を揺すって、呼びかけても、全く微動だにしない。



コイツめんどくせぇな。



それを見ていた琴音が、後ろから近づいてきた。


そして、秋の前に立ったかと思えば・・・・・



「痛っってーーーー!!!!!」



それは……、言うなれば、ドゴッ、が、一番相応しいだろうか。



そう、琴音は、秋の顔を思いっきり、グー、そうグーで!!! グーで殴ったのだ。



「な……、ナイスパンチ」




俺は、普段の琴音からは信じられない行動だったので、かなりおどろいた。



……そして、それを綺麗にくらった、当の本人はというと…………、鼻を押さえながら、涙目でなんか騒いでいて、よく見ると鼻血が出ている。



これは痛い(笑



それはそうと、


「ちょっとやり過ぎじゃね?」



さすがに可哀そうだろ。



「って言いながら、顔がニヤけてるよ……海兄ぃ」


琴音は、呆れたといわんばかりの顔で、そう言ってきた。



「えっ! やっぱわかっちゃう?」


いやぁ、なんか恥ずいなぁ~、ハハハッ☆


だって、いい気味ですやん。



すると、秋が鬼のような形相で、怒りをあらわにしている。


「て"め"ぇ"ら"、あとで殺す!!」


ハハハッ、そりゃ無理だ。


だって俺強いもん。


秋ごときに負ける訳が無いじゃないか。



「もう、バカやってないでいくよ!」


「へいへ~い」


「馬鹿っていった!! 今馬鹿って言った!! 元はと言えばお前が……」


「はいはい、いいからいくよ!」


バカと言われて、暴れまわっている秋を、琴音が軽くあしらう。


さすが兄妹だ、年季が違う。

兄の扱いに慣れてやがる。



とはいえ秋、そんな泣きながら、反論しなくても。


俺たちは、いい加減サイクリングに行きたいので、暴れる秋を無理やり自転車に乗せ、出発した。




…………そして結局、琴音の厳しい兄のしつけに関して、なぜグーでなぐったのかが、分からなかった。


琴音、パネェな。






 とりあえず出発した俺たちは、道が分かれるたび、じゃんけんで決めて進んでいった。



そして3時間後………



「ここ、どこだよ!?」



そう、俺たちは完全に、道に迷っていた。


誰だよ!? じゃんけんで進もうとかいった奴!!


「てめぇだよ!!」


「そ、そうだっけか? ちょっと記憶が……」


秋が言ったんじゃなかったっけ?


「ふざけんな!!」


ちょっ、そんなにキレることないだろ。


ちょっとした冗談じゃないか。


謝ればいいんだろ?


謝るよ。


謝りますとも。


「本当ごめんなさい、てへっ☆」


「死にたいか……?」


「すすすすす、すみませんでしたぁ!!!」


俺は全力で謝った。


いや、全力で誤った。



……なにやら、すごい形相で、俺を睨みつけている秋とは対照的に、


琴音は、なんか冷めた目で俺を見ている。



琴音までなんだよ! じゃんけんで行こうって言ったのは俺だが、


お前らだってノリノリだったじゃねーか!


変な逆恨みはよせよ!!


そして琴音!!


そんな目で………


「そんな目で俺を見りゅなぁぁぁ!!」




………………べっ、別に噛んだわけじゃないんだからねっっ!!!




「……海兄ぃ、くだらない事してないで、帰り道探そうよ」


同情したような顔をしている琴音を見て、俺は全力で悲しくなった。


「……そうだな」



でもそんな簡単に帰れるのか?



ジャングルみたいなことになってんぞ? ここ。



 周りは木だけ、家一つない。


そもそも、俺たちが通ってきた所も、もはや道かどうかすら怪しい。


自慢じゃないが、ここまで遠出したのは、今回が初めてだ。



そして一番イカンのが、みんな、携帯を持ってきていないことだった。


秋の家にかければ、場所ぐらいわかりそうなのに……。



「適当に進めば、知ってる道に出るんじゃね?」


俺が悩んでいると、秋が提案してきた。


「それもそうだな」


あいつも、たまにはまともなこと言うじゃないか。

少し見直したぜ。


「そうときまれば、急ごうよ、秋兄ぃ」


「じゃあこの、秋さまについてこい!!」


「おー♪」




ところで、とーーっても大事なことを忘れている気が…………


……気のせいか?



「海兄ぃー! おいてっちゃうよーー!!」


「わりぃ、今行くーー!」




すでに遠くにいる秋達を追いかけ、勢いよく漕ぎ出していく、俺。



そしてまた、3時間後………


俺たちはまた、迷っていた。


「あるぇぇ? おかしいなぁ?」


「おかしいなぁ? じゃねぇだろ!!!」



くそ、すっかり忘れてたぜ、秋は極度の方向音痴だったんだった!!!


俺としたことがぁ!!!



てか、ここどこだよぉ~?


さっきよりもジャングルじゃねぇかよぉ~。


それもこれも全てアイツのせいだ。



その一方で、秋は、なぜ迷ったのかが分からないご様子。


神様。


俺に一度だけ、あいつを殴らせてください。



『いいでしょう』


俺はそう聞こえた気がした。



さぁて、神様の許しを得たところで、


「秋!!! 歯をくいしばれぇぇぇ!!!」


俺はカッコよく自転車から飛び降り、右のこぶしを振り上げ、謎の奇声とともに秋に殴りかかった。


「ぐふぉぁ!!」


そしてみごとに、俺の拳が、秋の左頬に直撃する。



綺麗に円を描いて飛んでいく、親友の秋。


3mぐらい吹っ飛び、木に後頭部を強打。


そのあと動かなくなった。



人って結構飛ぶもんだなぁ。



勉強になったゼ。




「おーい、秋クーん? 生きてるー?」


俺は一応聞いてみた。


「グフッ」

と、秋の声がする。



よし、元気だ。


「どう見ても元気じゃねーだろ!? 重症だよ!? あんたおかしいよ!? 」


秋は、それだけを言い終えると、またご臨終した。



それにしても素晴らしいツッコミ根性。


身を削ってまで、ツッコむとは……。


てか、やっぱ元気じゃん。



「できた!」


突然琴音の声が聞こえ、気になって琴音のほうに目を移した。


琴音は、手に持っているスケッチブックを上に掲げ、満足そうに微笑んでいる。


どうやら、絵の宿題をしていたようだ。


「ちょっと見せてくれよ」


俺は、このジャングルをどのように絵にしたのかが気になり、見せてもらうことにした。


「いいよ」


琴音は、素直に見せてくれた。


俺は、琴音の差し出したスケッチブックを覗き込んだ。


そこに書かれていたのは、殴っている俺と、殴られている秋の姿だった。


そして何より、メチャクチャうまい。


「私、絵は得意なんだー」


へー。


俺、コイツにそんな特技があるなんて、知らなかったよ。


琴音によると、小学生のころに毎年金賞をもらっていたらしい。


もちろん絵のコンクールで。



って、ちょっと待て、その絵を描いたと言う事は……


「お前……自分の兄貴が殴られているのを、ずっと見てたと言う事だよな?」


俺は、自分の中で芽生えた疑問を、琴音にぶつける。


「そうだけど、何で?」


なんでってお前、目の前で兄貴がボコボコにされてたら………


「普通、助けね?」


平気で見てたとしたら、俺が信頼されてるか、秋なんかどうでもイイって事じゃん。


「秋兄ぃは、体が丈夫だから」


なるほど。


あいつの体の丈夫さを信頼いしてたんだな。


納得だ。


「てか琴音」


「ん?」


「その絵、宿題の課題と違うじゃん」


確か課題は、『風景』だったはずだ。


「あ、それは大丈夫」


「なんでさ?」


ま、どうせ、私にとっての風景はこれ、とか何とか言うきまっている。


昔っからそうだからな。



俺はまた、変な理由をくっつけて、これを提出するんだろうと思い、軽い気持ちで理由を聞いた。


だがしかし、琴音の答えは、違った。


「もう一枚書いてあるよ」


そう言って琴音は、スケッチブックのページを一枚めくった。


そのページに書いてあったのは、正真正銘のここ(ジャングル)の絵だった。



って事はあれか? 俺が秋を殴っていたあの短時間で、その写真を撮ったかのように、

葉っぱ一枚一枚がハッキリしている絵と、

秋が殴られる瞬間の絵を描き上げたということか!?


たしか、4分ぐらいしか経っていなかったはずだ。


ほかの時間は、ずっと自転車乗ってたから書けるわけないし、絵がこの場所だし、ほかに考えられない。


「琴音…………お前すげぇな」


俺は素直にすげぇと思った。


だが琴音は………


「何が?」


こんなの普通でしょ?

何がすごいの?


という、顔でこっちを見ている。


しかも、心の底から

そう思っているらしく、


心に揺らぎが無い。





俺は改めて思った。


琴音、マジパネェ



                


       第五話 完


















どうもー。

まず最初に、ご愛読ありがとうございました。



今回は、新キャラを出す予定でしたが、なんか脱線ww


なので、新キャラはまた次回!という事なんですけれども。


そして、琴音に特徴がねぇなぁと、思い始めたのがきっかけで、

琴音にいろいろ吹き込みましたww


それでこんな感じにww


琴音も、やっぱしあのお母様の娘という事ですねww


そして琴音の、絵の早さと精密さ!が今回の話になるわけでして、ええww


俺(作者)が絵が苦手なのでねw憧れです。


そして秋。


今話も最後のほうはセリフが無いというねww


なぜあんな感じになってしまうのだろう。


っと、長くなってしまいましたので今日はこの辺で。




次回


第六話をお楽しみに!!

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