番外編!第二幕~第十八話でのひとコマ~
第二幕情報。
この話は、本編の第十八話を見てからご覧頂けると、より深く楽しめます。
オッス!秋だ。
この話は、海が買い物に行っている間を映した物語である。
ここで、俺からのお願いだ。
まずBGMなんだが、予算の都合で流せそうにない。
なので、各自想像でよろしく!
自分の好きな陽気な音楽でも流しておいてくれ!
そして最後に、海がいないって事はだ。
俺が目立てるチャンス。
そんな訳だから、最後まで見てくれよな!!
俺が出てきた瞬間、戻ってはいけません!
テレビでいきなり首相かなんかが出てきたら、チャンネルを変えちゃう感じとかヤメテね!!
番外編 第二幕
~第十八話でのひとコマ~
「で、海が買い物に行っている間、エメリィーヌとラーメンでも食べてろと言われた訳なんだが……」
「上手いんヨ!ラーメンも美味いけど、シュウも上手いんヨ!」
「は?いったい何がだ?」
「『海』が『買い』物に行っているって所なんヨ」
「おお。エメリィーヌの方が上手いだろ。そういうの見つけるのが」
「ウチはどんな些細な情報でも、面白いものなら逃がしはしないんヨ!!」
「へー。ってか、それよりお前!!」
「ヨ?」
「ラーメン頼み過ぎだぁぁ!!!!!」
「だって、シュウが好きなもの頼めって言ったんヨ!!」
「いや言ってケドだな。どこの世界に、こんな小さい子供がラーメン五人前頼むと思うんだよ!!」
「む!失礼なんヨね!!すべて違う味なんヨ!!こっちが醤油。こっちが味噌。で、これが塩で、これは豚骨。最後にカレーなんヨ!!」
「おいエメリィーヌ。全部でいくらしたか知っているのか?」
「さぁ?」
「全部で4000円だぞ!!ちなみに俺の手持ちが4120円な?って事はだよ。120円しか残ってないんだ。さらにお前はだな。メロンクリームソーダを注文しやがったんだよ。それがジャスト120円。つまり俺の手持ちはゼロだ。今月の小遣いなんだぞ?俺の小遣いなんだぞ?なだ八月入ったばっかだよ?分かるか。このつらさが。俺は無人島でゼロ円生活している訳じゃないんだぞ?海に俺が払うといった手前、今更頼めないしな……って聞いてるか?」
「ふー。ごちそうさまなんヨ」
「早い!!食い終わるの早い!!!どこ行った!?さっきのラーメンどこ行った!?」
「完食!」
「完食!じゃないだろ!!おかしい。絶対おかしい。ラーメン届いてからまだ10分だぞ!?無理だ。誰か眼鏡の坊主連れてこい。この謎を解いてもらう。」
「別に謎じゃないんヨ。こんなのいつもの事なんヨ!」
「うわぁ、海が小遣いに困っているのもうなずけるわ。」
「まぁまぁ、そんな事言わずにいっぱいどうや」
「どうや。じゃねぇよ!!空のコップ渡されても嬉しくねぇよ!!お前はジジイか!!」
「残念だったんヨね!!ウチはジジイではないのだヨ!!」
「しってるわ!しかも残念じゃないわ!!!」
「あ、コトネ達なんヨ。おーいコトネー!!!」
「あ、本当だ。って恭平重症じゃん!!」
「秋兄ぃ、ちょっと助けて…うわっ」
「大丈夫か琴音!」
「いてて…なんとか大丈夫だよ」
「琴音は力持ちなんヨねー!!キョウヘイを担いで来るなんて!!」
「だよなー。お前恭平の事許してやったのか?」
「え、別に。でも、鳴沢さんに貰ったんだよ。これ」
「ん?なんだこの腕に貼ってるシール」
「そ、それは筋肉増強シールだ…張ればたちまち、通常の三倍の力が出せるって代物だ……ガフッ」
「キョウヘイ。説明ごくろうなんヨ」
「でも琴音、よく貼る気になったな。あれだけの事があったばっかりなのに。」
「ああ、そこは大丈夫」
「やばい、この言葉の裏で何があったか想像できてしまった」
「うん。今すぐ忘れて」
「はい」
「そんな事よりコトネ、キョウヘイがボロボロなんヨ」
「ああ、確かに。大丈夫なのかよ?」
「あははー。ちょっとやり過ぎたかも…でも、大丈夫でしょ!…多分」
「おい!この有様にした本人が不安がってどうするんだよ!!」
「包帯でも巻いとけばいいんヨ」
「そんなものないだろ」
「僕のポケットに確か……あ、あった、はいこれ……ガクッ」
「お前普通に元気だろ!!…まぁ、いいか。とりあえず包帯巻いとけ」
~只今包帯巻き中~
ちなみに、その頃の海は。山下とあっていた。
~包帯巻き完了~
「よし、完成」
「うん。ばっちり」
「どっからどう見てもばっちりじゃないんヨ」
「まあ、包帯男だけどな。大丈夫だ」
「うん。鳴沢さんはこれでいいんだよ」
「琴音。鳴沢さんはひどくないか?」
「だってまだ知り合ってから会うの二回目だし。逆になんでそんなに親しく出来るのか知りたい」
「海の知り合いだからか?それとも、あいつが変わっているからか?」
「人懐っこいだけだと思うんヨが……」
「お前に言われたくねーよ!!」
「気にしないでくれて構わない…でも鳴沢さんはちょっと……」
「急に喋り出すなよ恭平さん」
「なんで秋兄ぃがさんをつけたのよ」
「いやぁ、琴音に言われて、確かにおかしいなぁと思って。」
「そうそう。ウチもちょっと気になってきたんヨ。キョウヘイさん」
「ちょっとまて。さんはやめてほしい」
「冗談だよ冗談」
「そうなんヨ」
「じゃあ、なんて呼べばいいんですか?」
「恭兄ぃで。」
「お断りします」
「早いな琴音。そしてなぜに敬語だ。さっきまで普通だったじゃないか」
「いやぁ、ノリで」
「お前好きだな。ノリ」
「海苔はウチも好きなんヨ!!」
「その海苔じゃねぇ!」
「とりあえず、兄ぃは付けて欲しい」
「なんでだよ?」
「妹が出来たみたいで嬉しいから」
「ははは」
「しょうがないなぁ、じゃあメガ兄ぃで」
「メガは嫌だ!食いしん坊みたいじゃないか!!」
「なんでだよ!?」
「メガ牛丼とか、メガバーガーとか!!」
「おお、おいしそうなんヨ!!」
「お前さっき食ったばっかりだろ」
「そんなに嫌?」
「いや」
「じゃあ、今日からメガ兄ぃで。」
「うわぁ、お前ひどい奴だな」
「この人の名前なんか口が裂けても言えない!!」
「あ、まだ嫌ってたのか。もうすっかり仲良くなったものだとばかり」
「そんなわけないでしょ。ありえないよ」
「えぇ!?ありえないとですか!?」
「いきなり誰なんヨ」
「私、鳴沢と言うものでして」
「知ってるよ!もうちょくちょくキャラ変えるのやめろよ。俺が悲しい」
「シュウ。なぜそんなに目立ちたいんヨか?」
「え!?えっとだな。それはあれだよ。ほら。わかるだろ?」
「サッパリわからんヨ」
「だからだな。俺が誰よりも早くあいつに出会った訳だよ。なのに、後から出てきた奴らの方が目立つのはないだろう」
「えー。そうかなぁ」
「シュウは目立たないのが良いんじゃないんヨか?」
「馬鹿野郎!!目立てないという事はだ!将来就職しても、俺だけのけものにされたり!たとえば俺がスーパーな企画を生み出したとしてもだな、一緒に手伝ってくれた部下の手柄になったりするだろ!?」
「その前に、就職なんて出来るんヨか?」
「うっ、お前なんて事を」
「竹田兄。安心してくれ。もし出来なかったら、僕が君を雇ってあげるよ」
「うん。死んでも就職するわ。」
「秋兄ぃ、よかったじゃん」
「よくねぇよ。お前だって、こいつにへコヘコ頭を下げなくてはいけなくなるんだぞ?」
「あ、死んでも就職してね」
「ちょっと待つんヨ。キョウヘイは会社でも始めるつもりなんヨか?」
「今のところは分からん」
「なら言うんじゃねーよ!!」
「あ、そういえば頼みがあるんだ」
「なんだね?」
「お前じゃねぇよ。琴音に」
「ん?なに?」
「お前、今いくら持ってる?」
「は?急に何?」
「いや実はな、エメリィーヌにラーメンを……」
「へぇ。それで?」
「そんな訳だから、今月ピンチなんだよ」
「へぇ。それで?」
「金貸してくれ!!」
「どんだけなのよ。妹に金借りるって」
「たのむ!!この通りだ」
「この通りと言われましても。……まぁ、しょうがないから。私が半分払うよ」
「え?本当か!?」
「しょうがないしね。2000円でいいんでしょ?返さなくていいから。」
「ちょっと待て!メロンクリームソーダ代も合わせて、2060円だぞ?」
「うわぁ、何この人。そのくらいはだせよ」
「だせよってお前。まぁ、いいや。とにかくありがとう!!!」
「はいはい」
「……そういうのは本人のいない所でやるもんじゃないんヨか…?」
「あ、エメリィーヌは気にするなよ」
「見てはいけない裏取引を見てしまった気がするんヨ」
「しょうがないよ。だって馬鹿なんだから」
「馬鹿とか言うなよ!」
「海兄ぃにたのめばいいのに。」
「だってそれじゃあねぇ。親友としてのプライドが…」
「兄としてのプライドはなかったわけね」
「そんなものない」
「言い切らないでよ。それはそれで私が困るから」
「あ、あれカイじゃないんヨか?」
「ん?あ、海兄ぃが来たよ」
「カイー!!こっちなんヨ!!」
「あー。来ちゃった」
そんなわけで、ここまでだ。
どうだったかな?
俺目立ってたよな?
本当にいい妹を持ったものだ。
持つべきものは妹。
最後に、見てくれたみんなありがとうな!!
あ、脳内BGMの切り忘れにご注意を!!
それではまたどこかで!!じゃあな!!
第二幕 終