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俺の日常非日常  作者: 本樹にあ
◆日常編◆
23/91

第十八話~奴再来~

どうもでーす。

今回はデパート編完結!

それでは、どぞ


前回のあらすじだ。


デパートに買い物に来た俺達。


メンバーは、秋、琴音、エメリィーヌ、オメガ、そしてこの俺、海。


だがこの面子で、無事に買い物ができるわけもなく。


オメガの行動により、琴音がブチ切れ寸前。


そこで何と、オメガの開発した精神安定シールを琴音に貼って、その場は難を逃れた。


だがしかし、そのシールには恐るべき後遺症が残っていた。


変動。豹変。性格の切り替わり。


そのせいで、琴音は恥ずかしがり屋から一変する。


オメガの馬鹿臭い告白に、いいよ。と返事を返してしまった。


それを聞いた秋もまた、暴れ出す。


そしてシールの餌食だ。


普段地味なキャラ設定の秋が、とても陽気なお調子者へと変貌。


そして、すべての元凶であるオメガも、琴音に好かれて浮かれてしまっている。


しまいには、このままでもいい。とか言い出す始末。


この中で正気(まとも)なのは俺とエメリィーヌなのだが、エメリィーヌは陽気な秋と楽しく遊んでしまっている。


効果は一時間。


俺はそんな絶望的状況の中で、買い物を済ませなければならない。


果たして俺たちは、無事に買い物をすませることが出来るのだろうか。


そして、周りの人たちの視線を、俺は耐えきることができるのだろうか―――




第十八話

~奴再来~



入店から、まだ十五分足らず。


そんな短い時間で、すっかり変わってしまったみんな。


琴音を見てみる。


「恭兄ぃは、世界で一番好き!」


……この有様だ。


琴音のこの好きっぷりを見ると、よほどオメガが嫌いだったのだろう。


可哀そうに。一種の惚れ薬じゃねぇか。


そしてオメガは、琴音に腕を組まれ、しがみつかれている。


そんな状態で、無事な訳がない。


「や、山空。僕はもう、死んでもいいかもしれない」


「だめだよっ!恭兄ぃが死んじゃったら、琴音悲しいもん!!」


「ごめん琴音ちゃん!僕が悪かったよ!!」


「恭兄ぃ!もう、ビックリさせないでよっ!!」


「ああ、すまなかった」


「うん。なら許してあげる。…そうだ!アニメの事教えてよっ!」


「そういう事なら、いつでも教えてあげるよ」


「やったー!ありがとう!!恭兄ぃ!!」


……なんだこれ。


俺は何を見せられているんだよ。


つーか琴音もキャラ崩壊してるな。


しかも琴音が、禁断の次元に足を踏み入れようとしている。


さすがオメガのシール。恐ろしい。


一方秋は。


「鳩ぽっぽーイェー!!ぽっぽっぽっぽ鳩ぽっぽチェケラ!!」


あーあ。もう手の付けようがない。


これはもう手遅れだ。


急にエセラッパーと化しちゃった。


だけどあれだな。存在感だけはないんだな。


俺のそんな表情が見て取れたのか、ウザさ百倍ラッパーマンが話しかけてきた。


「ヘイYou(ユー)!何落ち込んでるんだい!!もっと人生楽に生きろよチェケラ!!」


おいおい、もうお前誰だか分かんねーよ。


やっぱり訂正するわ。存在感があり過ぎる。ウザさがにじみ出てるよ。


もうこれシールがどうとかいう問題じゃない。


ただアホだろコイツ。


そんなに目立ちたかったのかコイツは。


もういやだ。


なにこれ。誰か助けて。ヘルプミー!!


俺はラッパーマンと化した秋に呆れながら、その秋と一緒にノリノリなエメリィーヌに言った。


「おいエメリィーヌ、話があるからちょっと来てくれ。」


俺はエメリィーヌに手招きをする。


すると、俺の言うとおりにエメリィーヌが来た。


やばい、こいつだけは変わってない。


なんか感動だ。


俺は、謎の感情に満たされながらも、エメリィーヌに言った。


「エメリィーヌ。お前、勾玉持ってきたか?」


なぜそんな事を聞いたのか。


エメリィーヌは、しばらく考えるそぶりを見せた後、『あぁ』と、勝手に納得してから言った。


「持ってきてないんヨ」


ないのかよ!!


くそ、エメリィーヌにでも治して貰うか、最悪、自宅に送り返してもらおうと思ったのに。


「人生は、甘くないから、面白い。」


「なんだよ急に!?一句詠むんじゃない!!」


「そんなことより、どうするんヨ?このままじゃ……」


「わかってる。何とかしなければいけないことくらい。」


そう、分かっているのだが、何もできない。


このままじゃ、やばい。


琴音がやばい。


秋はどうでもいいとしても、琴音はやばい。


とりあえずあれだな。


「買い物を済ませてしまおう。」


俺は言った。


少しでも買い物に夢中になれば、いつの間にやら治ってた!みたいな?


俺のそんな言葉に、エメリィーヌが呆れた声で言った。


「それじゃあ、一種の現実逃避じゃないんヨか?」


「うるさい。大丈夫なんだよ。俺がそう決めたんだ」


何が現実逃避だ。


失礼にもほどがあるだろ。


誰だって逃避したくなるに決まっている。


そうだ。俺がそう決めたんだ。


「だんだんガキ大将化してきたんヨ」


「うるせぇな。とりあえずあれだ。エメリィーヌは、琴音がなんかヤバげな方向に行きそうだったら教えてくれ。」


「分かったんヨ!!」


「おし。頼もしいな」


エメリィーヌの顔からは、とても力強さが伝わってくる。


まともな人間ほど、安心できる奴はいねぇな。


こんな小娘でも、頼りになるとは。


とりあえずこれで、後は買い物だ。


俺は、おかしくなっちまったみんなに告げる。


「そろそろ買い物再会するぞ。エメリィーヌの布団を買う。絶対に俺から離れるんじゃないぞ!」


俺がいうと、皆が口ぐちに返事をしだす。


「分かったZE」


「恭兄ぃが良いなら琴音もいいよ」


「僕は別にかまわない」


よし。なんだかんだ言っても、みんなはみんななんだな。


性格が変わったとはいえ、俺の大事な親友だ。


意外と平気かも知れない。


そう思いながら、俺は歩き出した。


「それじゃあ、出発なんヨ!!」


『おー』と、一人で盛り上がっているエメリィーヌ。


俺はそんなエメリィーヌを横目に、エスカレーターを目指す。


このデパートは結構広く、エスカレーターまでの距離が遠い。


しかも、ずっと変なノリの秋。


オメガととても仲がいい琴音。


そんな二人に挟まれながら歩く。


通るとこ、皆が振り返る。


その視線がとても痛かった。


もう勘弁してくれ。


だが俺は、そんな苦労も全て耐え抜き続け、エスカレーター前に到着。


するとその時だった。


「カイ!大変なんヨ!!」


エメリィーヌが突然叫ぶ。


「どうしたエメリィーヌ!!琴音になんかあったか!!」


俺は、慌てて琴音を見る。


だが、何ともない。


おかしいと思い、エメリィーヌに視線を移すと。


「あそこにラーメン屋があるんヨ!!」


と言って、ラーメン屋の看板を指差している。


「だからなんだぁぁぁぁ!!」


俺はそんなエメリィーヌにイラつき、無視してエスカレーターに乗りこむ。


一応、エメリィーヌが、ラーメン求めてダッシュしないか見守りつつだ。


だがちゃんと、ついてきたようだ。


えらいぞエメリィーヌ。


あとで、ラーメンなんか好きなだけ食わしてやるよ。


俺は心が広いからな。


そんな感じで、売り場に到着。


俺は何となく、琴音達を見た。


すると、琴音の様子がおかしい事に気付く。


なんか、凄い顔が引きつっている。


表情が硬い。


どうしたのだろう。


俺は不思議に思い、オメガに問う。


「なんか琴音が変なんだけど。これどうしたんだ?」


するとオメガが、残念そうに言った。


「どうやら効果が切れてきたらしい。個人差ってひどいねー」


おお!さすが琴音。


もう後遺症までふっ飛ばしかけているのか。


凄い生命力だな。


そしてオメガ。一番ひどいのはお前だ。


でもまぁ良かった。


まさか一時間の所、五分ぐらいで切れかかるとは。


驚いた。


とりあえず安心だな。


俺は、心の底から安心した。


だが、この後の事を考えると、やはり笑えないな。


とりあえず布団だ。話が進まん。


そう思った俺は、子供用の布団コーナーへと足を踏み入れた。


そこには、とてもかわいらしい模様の布団達。


ちなみに、掛け布団のみを買うつもりだ。


敷布団は、確か家にあった。


俺が昔使っていた奴が。


エメリィーヌはベッドで、俺はその古い敷布団でいいだろう。


俺は、どれがいいのかエメリィーヌに聞いてみた。


すると、とても目をキラキラさせて答えてくれた。


「これがいいんヨ!!」


そういって指をさしたのが、クローバーが描かれている緑色の布団。


やはり緑か。


まぁ、大体想像はついてた。


エメリィーヌはいつも即決だ。


みていると、気分がいいほどに。


だから、一緒に買い物に来ると楽だよなー。


でも、一応他の物も聞いてみる。


「こっちや、これも緑だぞ?」


俺が順番にエメリィーヌに見せる。


だがエメリィーヌは、見向きもしない。


買う側としては、もうちょっとちゃんと選んで欲しいのだが。


まぁ、本人がそれがいいというのなら、俺は別にかまわないが。


俺は、エメリィーヌの要望通り、クローバー模様の布団を手に取った。


以外と布団って高いんだな。


まぁいいけど。


「なんヨー♪なんヨー♪」


エメリィーヌはすっかりご機嫌だ。


それを見ると、ただの子供にしか見えない。


俺達は、レジに向かう。


もちろん、布団を買うためにだ。


レジにつくと、とても優しそうで、清楚な感じのお姉さんがいた。


俺は金を払い、お姉さんは布団を袋へと詰める。


俺はそれを受け取った。


目的の物を買った俺は、特にもう用はない。


なので、夕飯の材料でも買っていこうと思う。


そんな訳で、エレベータ付近に到着。


って、そういえば忘れてた。琴音は平気か?


そう思い、琴音の表情をうかがう。


すると、表情は先ほどのように、とてもぎこちない。


しかも、オメガをつかむ手は、とても力が入っている。


「オメガ。痛くないのか?」


思いっきり赤くなっているけど。


肉が裂けそうなくらいつねられているけど。


だがオメガは、無表情。


だいじょうぶかいな。


「こんなもの。後の出来事に比べれば怖くはない」


あ、自覚はあったんだ。


なら逃げればいいのに。


「この有様で逃げられん」


あー。琴音、意地でも逃がさない気だな。


体の自由がきくようになったら、オメガ終わったな。


さらばオメガ。短い付き合いだったな。


「おい山空。助けてくれ」


おいおい、何言ってるんだ。


自分でまいた種じゃないか。


それに。


「俺はまだ死にたくない。見てみろよ。完全に俺を見ている」


もちろん琴音が。


まだ睨みつけることは出来ないのだろう。


いつもと変わらない目だが、その視線からはいつも以上に何かが伝わる。


俺の中の危険ですぜ。が鳴りやまない。


「ぽっぽっぽー鳩ぽっぽー。目立てて嬉しい鳩ぽっぽー」


そこに、ラッパーマン登場。


もうお前いい加減にしなさい。


思いっきり喜んでるじゃん。


おまえはいいのか。お前は本当にそれでいいのか。


「あ、ちなみに、竹田兄に貼ったのは、お手軽タイプのやつだよ。もう効果切れてる」


「…………」


「…………」


「カイー。それにシュウも。どうして無言になるんヨか?」


エメリィーヌ。俺達が無言になったのは他でもない。


さっきの言葉を聞いて、琴音の表情が豹変したからだ。


もう、秋がふざけていた事などどうでもいいくらいに。


琴音がなんか凄いヤバそうなので、オメガのためにも聞いておくことにした。


「えーっと、オメガ。なんで琴音にそっちのお手軽タイプを使わなかったんだ…?」


俺が聞くと、考え込むオメガ。


それを見て、気味悪く微笑む琴音。


いや、多分怒っているのだ。


でも、後遺症のせいでそうなってしまうだけ。


なんか理由があるに違いない。上手く答えてくれオメガ。


俺が心から願う中、オメガが発した言葉は。


「……その発想はなかったや!!」


『ドッガーン』だ。


もうこれがアニメとかだったら、ドッガーンと言う効果音がついている。


そしてそのあと、ビシッ、ボカッ、ドコッなどの効果音が響くであろう。


だがこの現状は、そんな生易しい効果音ごときで表現できるものはない。


もっと凄い事に。


もう誰も近寄れない事になるだろう。


だってほら。琴音はすっかり笑顔だ。


薄気味悪いほどに。


そして今、地獄の時間が始まる。


「恭兄ぃ……」


琴音の声はいつもの声。


だが。


「琴音ちゃん。今の僕に、謝るという選択肢をくれないか?」


オメガの必死の抵抗。


その顔は、とても引きつっている。


「……」


「や、山空」


無言の琴音にビビるオメガ。


子犬のようなきらきらした目で、俺に助けを求めてくる。


悪いオメガ。


俺にはこれしか言えない。


「……どんまい」


「や、山空!親友を見捨てるつもりか!」


必死のオメガ。


正直、こんなオメガ見たことない。


やっぱりあいつも人間なのだ。


嬉しい時には喜ぶし、怖い時には怖がる。


うん。オメガ頑張れ。


俺は、人気(ひとけ)のない所まで引きずられていくオメガに言った。


「何かあったら、すぐに助けてやるからなー!!」


「ちょっと待て山空ー!!エレベーターに乗り込んだ人が発する言葉ではないぞ!!」


「キョウヘイ!!ラーメン屋で待っているんヨ!!!!」


「エメル!!僕よりラーメンを取るのか!!」


「琴音!」


「竹田兄!!僕を助けてく…」


「俺の分まで入れてこい!!」


「秋兄ぃ!わかったよ!」


「竹田ーー!!!」


ガシャン。


ここて扉はしまった。


エレベータにいる俺たち三人は、一階へと降りる。


エレベータが一階につき、扉が開く。


扉の前にいた次乗り込む人達に、清々しい笑顔であいさつしながらすれ違う。


そして、俺は秋に言った。


「おい秋。何でお前、治っていたのに治っていないふりを?」


俺は聞いた。気になったからな。


だが秋の口から出た答えは、とても想像通りの言葉だった。


「もっと目立っていたかった」


「……秋。とりあえず、エメリィーヌとラーメンでも食っていてくれ。後で払うからさ」


「別にいいよラーメンくらい。俺が出すよ。それより、お前は食わないのか?」


「いや、夕飯の買い物してからな。終わったらすぐに向かうから」


「ああ、なるほど。わかった」


「やったーなんヨ!!じゃあ、早く行こうなんヨ!!」


そういって、秋の手を引っ張るエメリィーヌ。


そのエメリィーヌの顔は、とても嬉しそうだった。


ラーメンでこんなに喜んで。ホント幸せな奴だなぁ。


「おいこらエメリィーヌ。よだれが出てるぞ!!」


俺はエメリィーヌに注意した。


俺の言葉で、自分が大量によだれを垂らしている事に気付いたらしい。


「おっと、これはいかん。……フキフキ」


「ちょ、おい!俺の服で拭くなよ!!」


「お、シュウ上手いんヨね!『服』で『拭く』なんて」


「え、そう?いやぁ照れるな」


「下らない事してないで早く行くんヨ」


「なんだと!!」


エメリィーヌにすっかり遊ばれている秋。


なんだかんだ言って仲が良いな。


っと、そんな事より買い物だ。


唐揚げにでもするか。


となると、まずは鶏肉だな。


俺は何を買うかあらかた決め、目的の場所に向かう。


とても広いが、天井からつるされている標識により、一目で場所が分かる仕組みとなっている。


ちゃんと客の事を考えているんだな。


つーか、それにしても人が多いな。


こんなに人が多ければ、警備員の人もいるだろう。


琴音って、警備員の人に捕まらないだろうか。


まぁ、その時はその時だな。


っと、えーと?一番安くてお得なのはっと。


肉のコーナーに着いた俺は、適当にお得っぽいのを探し始める。


だがよく分からんので、一番安いのを適当にカゴに入れた。


いつもこんな感じだ。


えーっと、次は唐揚げ粉だな。


唐揚げ粉を求めて、再びさまよい始める。


が、しばらくさまよったのち、見つける。


俺は、いつも使っている『ジューシーかつカリカリに仕上がる!魔法の唐揚げ粉!』を手に取り、カゴの中へ。


「おう、山空じゃねぇか!金持ち風情がこんな所で何やってるんだよ!?」


すると突然。左方向から脇役の声が聞こえる。


そう。あいつだ。


「なんだよ山下。みて分からんのか?買い物だよ買い物」


あ、説明しておこう。


山下とは、じゃんけん大会の時、俺にコテンパンにぶちのめされた奴だ。以上。


そしてそんな山下が、喧嘩を吹っ掛けて来る。


「丁度良かった。俺今ムシャクシャしているんだ。一発殴らせろ!」


古いな。むしゃくしゃしてるからとか。


もうちょっと考えろよ。


わざとぶつかって何かを割らせるとか。


そのぐらいしようぜ。


面倒くさいし、適当にあしらっておくか。


「あーはいはい。今、俺は唐揚げの材料を買うのに忙しいんだ。後でにしてくれ」


「なんだ。負け犬が。俺様に怖気づいたか?」


アホかコイツは。


面倒くさいな。


「はいはい。怖じ気づきましたー。もう勘弁して下せぇー。…あ、こっちの方が安いじゃん」


「……お前は完全に俺を怒らせてしまったようだな!!」


なんだよコイツ。勝手にキレてるだけじゃん。


しょうがないだろ。安かったんだから。


50円引きだぞ?買うだろ。


だいたい、俺に勝てる訳ねーべ?


よく考えろよ。


「お前は弱いんだから」


あ、つい声にでちゃった。


俺のそんなうっかりに、とてつもなく反応する山下。


「おい、お前今なんつった?」


「……てへっ。つい本音が。すまんすまん」


「なんだとてめぇ!!じゃんけん大会の時の俺様とは思うなよ!?」


「何が俺様だよ。お前はおバカ様だろ」


「てんめぇ!!!」


「何キレてるんだ。落ち着け。深呼吸だ。カルシウムも取った方がいい。確か向こうの方に牛乳があったはずだ。200円やるから買ってこい」


「おお、サンキューな!」


「おう!体を大事にしろよ!!」


そういって、牛乳求めて走り去っていく山下。


あいつはもともといい奴なんだから。


不良ですらないしな。


一般人だ。


この前、近所の子供たちと一緒に、キャッチボールをしている所を見たぞ。


っと、とりあえず買い物再開だな。


そういって、俺は再び買い物を始める。



それから約十分後。


買い物終了。



俺は片手にビニール袋を持って、ラーメン屋に向かう。


と言っても、このデパートの中にあるのだが。


つーかもう目の前だ。


俺はラーメン屋に足を踏み入れる。


いや、あるのはラーメンだけじゃないけどね。


アイスにハンバーガー。たこ焼きに鯛焼き。


色々ものがある。


色々合わさったレストラン的な感じだろう。


その時、エメリィーヌの声が聞こえた。


「カイー!!こっちなんヨ!!」


声のした方を見ると、エメリィーヌが元気に手を振っている。


秋や琴音もいるようだ。


だが一人だけ、全身ホワイトの不審者がいる。


誰だ?あれ。


とりあえず俺は、皆のもとに駆け寄ってみた。


すると、どうやらエメリィーヌは食べ終わっているみたいだ。


で、俺はみんなに聞いたわけだ。


「琴音、大丈夫だったか?」


すると琴音は、元気に答える。


「うん。もう大丈夫!!すっかり良くなったよ!!婚約破棄もしておいた」


その顔を見ると、すっかり元の琴音だ。


てか婚約破棄って。


「お前、記憶あったのか」


「うん。最悪だったよ。思っている事と、ま逆の言葉が口を突いて出るし、体の自由が利かないし」


「確かに最悪だな。自分が何をしようとしているか分からないんだもんな」


「うん。だけどもうスッキリしたよ」


ああ、確かにスッキリしてるよ。


引っ越してきたばかりの家のようにスッキリしている。


「じゃあ、海も来た事だし帰るか」


「なんヨ!!」


「うん」


「ああ、俺も疲れたよ」


秋の言葉に全員が同意する。


そして俺達は店を出たのだった。


自転車置き場に向かい、それぞれの自転車にまたがる。


約一名は、電動式のバイクだ。


子供でも乗れるやつね。


それを改造して、自転車と同じスピードまで出るようにしたらしいよ。


そして、皆で一斉に漕ぎ出す。



こうして、俺のデパート戦争は幕を閉じたのだった。



めでたしめでたし。






……あーはい、ちゃんと分かってますよ。


あのホワイトマンね。あれは全身包帯ぐるぐる巻きにされたオメガだ。


どうやら、全身複雑骨折程度で済んだようだ。


発明って凄いね。寝ながらでも運転できるようにさえ出来るんだから。


自動運転モードってやつ。


なんか小型ベッドみたいなものが出てるし。


そこにオメガが寝ている。


エメリィーヌも面白がってそこに乗っている。


大丈夫なのかと心配もしたが、来る時もこうだったので大丈夫らしい。


てな訳で、俺のデパート戦争は幕を閉じたのだった。



第十八話 完


はい、と言うわけで、俺日!第十八話ご愛読ありがとうございます!


ですね。はい。


まったく。誰だよこんな面倒くさい展開にしたのは。


もう書いていて嫌になったわww


やっぱりあれですねー。セリフばっかにしようかな。


面倒ww


よし。愚痴り終わった所で、今回。


デパート編完結っすね。て、これ最初も言ったわ。


もうみんな揃うと疲れるww


もうちょっと次回は書きやすいものにします。


もうデパートやだ。


あ、ちなみに、今回一番力を入れたのが山下ですww


ってなわけで、次回をお楽しみにね!!

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