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俺の日常非日常  作者: 本樹にあ
◆日常編◆
19/91

第十五話~俺とオタクとメガネとデジャヴ~

どもです^^


いやー、頑張ったよ。


心が折れかけまくったけど良かったよ。


それでは、どぞ



朝。


温かくて優しい光。


「くそっ、まぶしいな」


俺は、そんな朝日を浴びて目覚める。


重たい体をゆっくりと起こし、目覚まし時計を見る。


6時半。


目覚ましは、七時半にセットしてある。


いつもより早い起床だ。


俺の隣では、エメリィーヌが静かに寝息を立てている。


パジャマ姿で、ほんのりとシャンプーの香りが漂う。


なにぶん、俺は一人暮らしだったもんで、布団が一つしかない。


ソファで寝ようにも、朝起きたら体が痛くなる。


それは嫌だ。


しかも、ベッドの大きさがシングルときた。


とても狭い訳だ。


一応、エメリィーヌを壁側にして寝かせている。


寝返りうって落ちたら困るし。


俺は俺で、寝返りは打てない。


少しでも動いたら、落ちるかエメリィーヌを下敷きにするかのどちらかだ。


だけど、それにもだいぶ慣れた。


多分唯一の救いは、エメリィーヌの寝像がとてつもなくいい事だろう。


エメリィーヌは、本当にきれいに寝ている。


布団をはがすような事もなければ、俺を蹴っ飛ばしたりする事もない。


寝ている間は、とてもおとなしい。


寝ている間だけは。


とりあえず、腹減ったから朝食でも作るか。


俺はそう思い、布団から出る。


俺が布団から出た事により、エメリィーヌにかかっていた布団が一緒にめくられる。


それを俺は静かにかけ直し、部屋を出て、一階に下りた。


そうそう、実は俺、今とても気分が良い。


なぜなら、スッキリと。何事もなく目覚められたからだ。


普段は、エメリィーヌが基本早起きだ。


自分が起きるとすぐに、俺を巻き込む。


あるときには、水をかけられたり。


またあるときには、顔を踏まれたり。


そして一番ひどいのが、階段から落とされた事だ。


超能力があれば、俺を運ぶ事なんて造作もないだろう。


まぁ、さすがに、階段から落とすのは危ない。


そんな訳で、すぐにやめさせた。


普段寝坊してた俺が、そのおかげもあって寝坊しなくなった。


ちゃんと八時前には目が覚めるし、十時を過ぎれば眠くだってなる。


こんな健康的な生活を送れるのは、あいつのおかげだ。


それだけは、感謝をしている。


日ごろの感謝もこめて、今日は俺の好きなオムライスにでもするか。


一応、あいつも好きだと思う。


なにせ、俺が好きなのだから。


…っと言うのは冗談で、この前作ってやったら、とてもうまそうに食べていたからだ。


一階に降りた俺は、早速準備にかかる。



―10分後―


「いやぁ、うまそうだ。」


具だくさんなチキンライスが、ふわふわとした卵で包まれている。


だが何かが足りない。


何だろう。


…そうか。


何もかかってないや。


そう思った俺は、冷蔵庫を開ける。


そこでふと思った。


ケチャップとデミグラス、どっちがいいのだろうか。


だが俺は、すぐに考えるのをやめた。


大体ケチャップかけとけば美味い。


そんなノリで、ケチャップをかけ始める。


その時、俺は思いついた。


エメリィーヌの所に、ケチャップでなんか書こう。


そう思った俺は、『バカ』とだけ書いた。


あいつがどう反応するのか、気になったからだ。


出来上がったそれらをテーブルに並べ、俺はエメリィーヌを起こしに二階に上がる。


「エメリィーヌ。ちと早いが飯だぞー」


そういいながら、エメリィーヌが寝ているであろう、自分の部屋のドアを開けた。




第十五話

~俺とオタクとメガネとデジャヴ~




エメリィーヌを見ると、まだ静かに寝息を立てている。


起こすために俺が、エメリィーヌに近づいた時だった。


とてつもない勢いで、ガバッと跳ね起きるエメリィーヌ。


そして言った。


「メシなんヨか!?」


どうやら、俺が運んできたほのかな香りにより、目覚めたようだ。


つーかエメリィーヌ。言葉遣いが悪いぞ。


メシはないだろうメシは。


せめて朝食とか。


最低でもブレックファーストと言いなさい。


「そんな事言うような奴、日本にはいないんヨ!!」


俺の考えを読み取ったかのように、ツッコんでくるエメリィーヌ。


なんだよ。


「そんな事言うなら、俺が毎朝使ってやるよ。」


オシャレだからな。


俺はオシャレが好きなんだ。


「どの口がほざくんヨ」


あきれ果てた目で、俺を見るエメリィーヌ。


お前。口悪いな。


ほざくとか。


まぁいいか。


「とにかく、ブレックファーストが冷める」


俺が言うと、エメリィーヌの表情が、なんか凄い事になっている。


すごく引いてるようだ。


え、なんでだ?


なんでそんなに、怪訝そうな顔をする。


もしかしてあれか?


うん。あれだ。あれしかない。


俺は、大きく息を吸い、そして…


「breakfast」


「イヤァァァァ!!!」


おい!?なんだその悲鳴は!?


発音じゃないのか?


発音がいけなかったんじゃないのか?


なんだよその目は!?


今のは完ぺきな発音のはずだぞ!?


なんか間違ってたか!?


そう思い、もう一度自分で確認する。


「breakfast」


「イヤァァァァァァ!!!!!」


なんだよ!?


その犯人が人を殺害しているのを見てしまったような悲鳴は!?


breakfastの何がいけない!?


もしかしてあれか!?


よし、任せろ!!


俺は再び、大きく息を吸う。


そして…


「breakfast!!」


「イヤァァァ!!!エクスクラメーション・マークなんか付け足し始めたぁぁぁ!!!!」


おいこら。


『!マーク』を正式名所で呼ぶな。


頭がおかしくなりそうだ。


ってか、冷める。


オムライスが冷める。


とりあえずあれだ。


一階に連行だ。


俺は、ムンクの叫び状態のエメリィーヌを抱き上げ、オムライスのある部屋に向かう。


そのオムライスを見た瞬間、エメリィーヌがトビウオのごとき瞬発力でかぶりついた。


おいこら!


それは俺のだぞ!?


お前がそれを食ったら、お前宛に書いたメッセージはどうなる!!


ブーメランでもないのに、俺のもとに帰ってきちゃうだろ!?


俺は自分に対してバカって書いて、何がしたいんだよ!!


自虐趣味を持ってる、ただの変態じゃねぇか!!



っと思ったが時すでに遅かった。


無我夢中でパクついているエメリィーヌ。


最悪だ。


もうこうなったらトイレ行くしかねぇよ。


「ちょっとトイレ行ってくる」


俺はエメリィーヌにそう告げて、トイレへと向かった。



「くそっ、なぜこんな事になった」


そう愚痴りながらトイレをすませ、手を洗う。


そして、観念してバカと書かれた憎たらしいオムライスでも食おう。


そう思い、俺はオムライスのもとに向かう。


だが…


俺のオムライス。


そう、俺のなのだから、俺が食べるのは当然。


の…はずなのに。


俺の目の前で、どんどんとなくなっていく。


俺はただ、唖然とするしかなかった。


するとその時、エメリィーヌと目があった。


その顔は、とても焦っているようだ。


エメリィーヌ。お前がどんなに誤魔化そうが、俺の怒りはもう止まらない。


覚悟しやがれ。


俺のオムライスに手を出した罪だ。


俺はこぶしを握りしめ、静かに近寄る。


エメリィーヌは、苦笑いだ。


そんなエメリィーヌに構わず、俺は腕を振り上げる。


そして、いまだ気付かずに食べ進めている奴の頭に振りおろした。


「なんでテメェが食ってんだよぉぉ!!!」


『ドゴッ』


「いっ……ってぇぇぇぇ!!!!!」


住居不法侵入に、朝食泥棒。


両方現行犯となると、これは通報するしかないだろう。


「何すんだよ!?」


「何するんだよはこっちのセリフだ!!なんでテメェがいるんだよ!秋!!!!」


エメリィーヌは、『あーあ』と、言わんばかりの顔だ。


まったく。こんな朝っぱらから何やってんだよ。


暇人かコイツは。


そんな事をしていると、家のインターホンが鳴りだす。


くそっ、なんと間の悪い。


俺はぶつぶつ言いながら、玄関のドアを開く。


「あ、朝からごめんね。秋兄ぃが来てるみたいだから…」


そこに立っていたのは、琴音だった。


あー。琴音も来たわ。


この暇人兄妹が!!


悪態をつきながらも、琴音を家にあげる。


早くこのゴミを処理してくれ。


すると、秋を見た琴音が言った。


「秋兄ぃ! 自分のわがままで周りを巻き込まないの!!」


「あ、琴音。来たのか。」


叱られているにもかかわらず、まだオムライスを食い続ける秋。


とりあえずだ。


「何で来た」


俺は聞いた。


そう思うのは当然だと思う。


意味もなくこんな事されているのなら、俺は多分暴れ出す。


すると、秋が話し出した。



「いや実はな、俺、今日は早く目覚めてしまったわけよ。」


「それで?」


「んで、腹が減ったもんだから、琴音を叩き起こしたわけよ。」


『起こされました』と、隣で聞いていた琴音が付け足す。


「だけど、琴音がキレてさー」


「当然だ。」


「やっと琴音にも反抗期が来たのかと思って、お袋に頼む事にしたんだ」


「それで?」


「なんと、お袋にも反抗期が来たみたいでさー」


ずいぶんと遅い反抗期だな。


このダメ兄貴が。


「自分で作れとか言い出すんだよ。」


「当然の受け答えだな」


「でもそこは俺。どうせ朝作るんだから、今作っても変わらないだろ!!と、ビシッと言ってやったわけさ。」


「いや、おかしい」


「そしたら、ブチ切れだしてさー。」


「当たり前だ」


「んで、仕方がないからお前ん家にきて、ごちそうになったってわけだ。」


「ごちそうになったってわけだ。じゃねぇよ!!ごちそうした覚えねぇよ!俺完全に無関係じゃねぇか!!」


くそっ!こんな奴にbreakfast!! を取られたなんて!!


最悪にもほどがある!!


そして琴音が言った。


「それで、私がそれを処理するよう言われたんだよ」


うわぁ、とことんダメ兄貴じゃねぇか。


もうお前、兄貴やめちまえ。


俺が呆れていると、唐突にエメリィーヌが言いだす。


「みんなで公園に行きたいんヨ!!」


「許可する!!」


俺は、すぐに賛成した。


なぜかって?


もう、俺が暴れ出しそうだったからだ。


そのあと二人が、俺に続くように答える。


「俺は構わん!」


「私も構わん!」


秋の口真似をしながら言った琴音。


正直、引いた。


まぁ、仲がよろしい事はいいことだ。


俺は何もいうまい。



――このあと、俺とエメリィーヌは用意をし、公園に出発した。


エメリィーヌの要望で、行った事のない公園に行くことなった俺達。


でも、俺たちは公園には詳しくないので、適当に探しまわる事にした。


結構時間かかるかと思ったが、なんかすぐ見つけた。


俺の家から徒歩五分。


走って三分。


チャリ一分。


まさかこんな近くにあったとは。


俺は少々驚きつつも、その公園に足を踏み入れたのだった。



そして。


「うわぁ、めんどくさそう」


なぜこのような発言をしたか。


皆さんも、この状況だとそういうに決まっている。


なぜなら。


銀髪の青年が、目の前にいるからだ。


いや、いるだけではない。


なんか踊っている。



見た感じ、俺たちと同じくらいか。


銀髪で、ショート。


四角い黒ぶち眼鏡をかけている。


なかなかのイケメン。美男子だ。


だが、一番いけないのが、それらを帳消しにするほどの装備。


イヤホンをつけ、イヤホンのコードが胸ポケットへとつながっている。


そして、その付近のベンチには、折りたたまれたノートパソコン。


そんな銀髪の青年が、キラキラと汗を散らし、さわやかに踊っているのだ。



そんな銀髪の青年は、俺達が来た事に気付き、踊りをやめる。


だが、恥ずかしいとかそういうのではないらしい。


真顔だ。


イヤホンを外し、胸ポケットにしまいこむ。


おいおい、よく見ればうちの制服じゃねぇか!!


まさか、同じ学校にこんな痛い奴がいたとは。


違うクラスだと思う。見たことない。


その銀髪の青年が、静かに俺達の方に歩み寄って来る。


琴音が、ゆっくりと秋の後ろに隠れる。


さすがのエメリィーヌでさえも、硬直している。



そしてとうとう、銀髪の青年が目の前にやってきた。


と、思ったら、俺の顔をじっくりと見てくる。


当然、俺は聞いた。


「なんだよ…?」


すると青年は。


「きみ、山空か?」


……え?


何で俺の名前を知っているんだコイツ。


俺がそう思っていると、秋が俺に聞いてきた。


「お前…知り合い?」


「俺の記憶が正しければ、知り合いではない。」


だって見たことねぇモン。


だが、青年は違ったようだ。


俺にずっと問いかけてくる。


「山空か?…山空か?…山空か?…やまぞ『うるせぇよ!!』


俺はつい、いつもの調子で怒鳴りつけてしまった。


面倒くさいので、とりあえず名乗っておく。


「山空ってのは、確かに俺の事だ」


すると青年の中で、想像が確信へと変わったようだった。


「ああ、やっぱり。昔から変わってない。」


昔?


えー、誰だっけなぁ?


俺が思いだそうとしていると、青年が言ってきた。


「ほら、僕だよ。小学校の時の…まぁ、半年で転校したし、覚えてないのかもしれないけど」


小学校?


半年?


うん。わからん。


…っちょっと待てよ?


かすかに記憶が…


俺は、じっくりと青年の顔を見る。


…あ!?


このメガネ。このオタクっぷり。


まちがいない。


「お前、オメガか!?」


「ああ、そうだ。オメガだよ。」


あーあーあー。


いたなぁ、こんなの。


でもあれ?


昔は確か…


「オメガ、黒髪だったよな?」


俺は聞いた。


「ああ」


ああって。


何でそんな髪色になったんだよ。


俺がそう思うと、やはり伝わったらしい。


「この小説、黒髪や茶髪が多いからね」


は?何言ってんのコイツ。


まぁいいや、とりあえず。


「懐かしいなぁ!!元気だったか?」


「見ての通りだよ」


俺達が、感動の再会を楽しんでいると、秋が言った。


「なんか盛り上がっている所悪いんだが、どういうことだ?」


ああ、忘れてた。


とりあえず、紹介しとかなきゃまずいよな。


そう思った俺は、オメガに頼んだ。


「オメガ、悪いが自己紹介頼む。」


俺が紹介してもいいんだが、なんかヤダ。


そんな俺のわがままを、快く引き受けてくれた。



え?何でオメガって呼んでいるのかって?


そんなあわてなくても、すぐに分かる。


オメガは、自己紹介を始める。


「僕は、鳴沢(ナルサワ) 恭平(キョウヘイ)。山空とは、古い友人だ。そして…」


オメガが大きく息を吸う。


やはり変わってない。


オメガの覚醒が始まる。


「二次元と少女をこよなく愛する!!マネーが入ればマッハな速度で秋葉原!!悲鳴が聞こえりゃマッハな速度で駆けつける(少女達にのみ)!!三次元の女なんてクソ食らえ(三歳以上十五歳未満は除く)!!美少女達は僕の物(十五歳以下のみ)!!誰が言ったか二次マスター!!未来の明るい少女たちの目指す先にはいつも僕がいる!!見た目は無敵!頭脳(妄想)は無限!!幸せ振りまく女性の味方(十五歳まで)!!その名は…鳴沢 恭平だ。」


メガネをクイッと上げ、秋を指差し、ポーズを決めるオメガ。


「見ての通りの変人だ」


と、俺が付け足す。


律儀な奴だ。カッコやカッコ閉じまでキッチリ言うなんて。



ちなみに、オメガの由来はというと。


もうお気づきだろう。


オタクメガネ。


【オ】タク【メガ】ネ。


オメガ。だ。


俺は、オメガにみんなを紹介する。


「コイツが、親友の秋」


「そして、その妹の琴音」


「最後に、エメリィーヌだ」


俺がいうと、まるで人形のように、コクコクとうなずく秋達。


みなさん抜け殻状態。


あと、琴音に言っておくことがある。


「琴音。一人の時は、背後に気をつけろよ」


って、聞いちゃいねぇか。



俺が紹介し終わった途端、オメガが琴音に話しかける。


オメガ。通報だけには気をつけてもらいたい。


「琴音ちゃんていうんだ。いい名前だね。良かったら僕と結婚を前提に付き合ってみないガグフォ!!」


琴音の手に触れた瞬間。


オメガのあごに膝がクリーンヒット。


そのあと、みぞおちに正拳突きが綺麗に入る。


その衝撃で、綺麗な円を描いて宙を舞うオメガ。


あれ?なんかデジャヴ。


しばらく吹っ飛んだ後、首から地面に着地する。


『グキュリ』と嫌な音を立てて。


そんなオメガに、琴音が顔を真っ赤にして怒鳴りつける。


「この変態ロリコンバカ!!!」


おいおい、すげーな。ははは。



俺は一応、その辺に落ちていた枝で、オメガをつついてみた。


「おーい。大丈夫かー」


するとオメガは。


「なかなか過激な女の子じゃないか…悪くない。」


「死ね。変態」


「グホッ」


俺は、思いっきり蹴っ飛ばしてやった。


いやー、それにしても。


いい天気だ。


こう天気が良いと、メガネ取りたくなるよねー


俺はなぜか、唐突にメガネが取りたくなった。


なので、オメガのメガネを盗もうじゃないか。


俺は倒れているオメガに、そっと手を伸ばす。


そしてメガネに触れた。


その時、オメガが気づいたようで、慌てて止めてくる。


「や、やめろ!!メガネには触れるでな…!?」


俺は、お構いになしにメガネを取った。


すると…


「はっはっは、俺様の制御装置を外してしまったようだな!!愚かなる人間よ!!!この私の前に(ひざまず)くのだ!!!!」


「はいはい、ぶっ倒れたまま何言ってるんだ」


「いやぁ、こういう路線も、この小説にはないからな。もっと色々なレパートリーも兼ね備えております。」


色々なレパートリー?


なんだそれは。


「どんなのがあるんだ?」


「たとえばさっきのが、メガネを取れば性格が変わる奴だ」


「それは確かにありそうだな」


よく、アニメでも見かける。


「次に思いついたのが、メガネがないと妄想が止まらなくなり、ついでに鼻血や唾液があふれ出るという」


「パクリじゃねぇか」


マニアックすぎる。


多分大半の方たち理解できてないよ!!


気になる方は、知ってそうなお友達に聞いてみよう!!


あとググろう!


「そしてさらには、目からビームが暴発してしまうという設定のもある」


「どう表現するんだよ」


「声で」


声!?えっと、こんな感じ?うわぁ目がぁ!目がぁ!ビーみたいな?


「ちがう!!チュドンだ!!」


あー、さいですか。


まぁ、とりあえずどうでもいいわ。


俺がそんな事を話していると、後ろから秋達がやってきた。


「おい、お前ら何楽しそうにしてるんだ。まさか海、お前も同類の…」


「ちがう!!けして俺にそんな趣味は!!」


「海兄ぃ、さいてー」


「俺にそんな趣味はねぇぇぇぇ!!!」


あれ?またデジャヴ。


…と、こんな事をしている場合ではない。


エメリィーヌと遊びに来たんだった。


遊んでやらなくちゃ。


そう思った俺は、ずっと口を開きっぱなしのエメリィーヌに声をかける。


「とりあえず、エメリィーヌ遊ぶか?」


「…っヨ!?何かとてつもない変人を見ていた気がするんヨ!!!」


おいおい、お前が言うなよ。


まぁ、当たってるけどな。


そんなやりとりを聞いて、急に跳び起きるオメガ。


そしてまた、懲りずに話しかけている。


「山空がエメルと遊ぶなら、琴音ちゃんは僕と一緒に遊びません…ガハッ!!」


それを見ていた俺と、秋。


そして琴音。


皆同時に、オメガを殴った。


顎、腹、脇腹。


三点同時に食らって、オメガはうずくまっている。



俺たちは、無視して遊び出した。


オメガがエメリィーヌの事をエメルなどと呼んでいる事は無視して。


「ほら!エメリィーヌ。ボールが行ったぞー」


「分かってるなんヨ!!」


「……」


「琴音!パスなんヨ!!」


「アホ!!琴音は敵チームだ!!」


「エメリィちゃん、ボールありがと」


「……」


「一応気になったが言っておく。無言は消して俺じゃないぜ!!」


「何言ってんだ秋?」


「べつに、なんでも」


「カイ!!ボール行ったんヨ!!」


「おう!」


「……」


カァー。カァー。


「おい、そろそろ帰るぞー」


「後もうちょっとで、山が作れるんヨ!!」


「……」


「エメリィちゃん。もう暗くなってきたし、お夕食の時間になっちゃうし」


「俺もそろそろ帰らないと、お袋がキレるんだけどー!」


「ったく、しょうがねぇな。夕飯ハンバーグにするつもりだったんだが…」


「早く帰ろうなんヨ」


「切り替え早!!」


「……」


「じゃあなー、秋!琴音!」


「さようならなんヨー」


「うん、また遊ぼうね!!」


「じゃーなー」


「……」


「じゃあエメリィーヌ。夕飯の材料、買って帰るぞ」


「了解なんヨ!ウチ、チーズハンバーグが良いんヨ!!」


「わかった、チーズな」


「やったーなんヨ!!」


「……」



シーーン



「なるほど。僕はそういうキャラになった訳か。面白いじゃないか。覚悟しろ山空!!僕を無視できると思うなよ!?ハーッハッハッハ」



一方その頃。海はというと。


~海の自宅~



「よっしゃ、出来たぞエメリィーヌ!」


俺は、ハンバーグを皿に盛りつけ、最後にエメリィーヌの要望通り、とろけちゃうぞチーズを一枚のせる。


ハンバーグの熱気で、見る見る内にチーズがとろけて行く。


とてもうまそうだ。


ちなみに俺は、目玉焼きハンバーグ。


俺はどうやら、卵が好きらしい。


出来上がったハンバーグを、食卓に並べる。


半額で買ったサラダも付けた。


とても美味しそうな夕飯だ。


「いただきますなんヨ!!」


「おう、食え食え。熱いから気をつけろよ?」


俺がそう言ったのだが、もう遅し。


「あっちゃ!」


エメリィーヌは勢い良く頬張ると、熱かったときに良くやる、謎の行動を始める。


口の前に手を持ってきて、指をなんかもじゃもじゃさせてる。


これはいったい何なのだろうか。


とりあえず俺は水を差しだし、エメリィーヌはそれを奪うようにして飲みだす。


どうやら、おさまったようだ。


俺はエメリィーヌに、


「ちょっとトイレ行ってくる」


と告げ、トイレに向かった。



トイレをすませた俺は、手を洗いハンバーグのもとに向かう。


すると…


デジャヴ!!!


俺のハンバーグが、オメガに食われていたのだった―――




第十五話 完






どもです^^


てな訳で、俺日!第十五話。ご愛読ありがとー!!!


いやぁ、新キャラですねーww


いいキャラしてるぜ!


この小説にいなかった感じのキャラを考えると、こんな感じになってしまって。


オタク。メガネ。変人。変態。その他もろもろを詰め込んだ結果、恭平が出来上がりました。


それらの方が、苦手な方にとっては、最悪なキャラになっているでしょう。


どうぞけなしてください^^


だが、あいつの暴走は止まりませんがね!!


てな訳で、次回もお楽しみにね!!

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