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俺の日常非日常  作者: 本樹にあ
◆日常編◆
14/91

第十話~チンパンジー以下、人間以上のエセコンビ~

どうも~、突然ですが、一つ変えたい所があります。


それは、エメリィーヌの皆の呼び方です。


エメリィーヌは、海なら海。琴音なら琴音。と呼んでいましたが、


この度、漢字ではなくカタカナに変更します。


なので、海ならカイ。琴音ならコトネ。と言うわけです。


と、言うわけで、よろしくお願いします。

「カイ、起きるんヨ~!!」


そう声が聞こえた。



「ぐふぉぁぁぁぁぁぁ!!!」


そのあと急に、腹が苦しくなると同時に、激しい痛み。


何事かと思い、俺は重いまぶたを開いた。



目を開けると、俺の腹の上に約一名。


しかも、飛び跳ねているならまだしも、プロのアイススケート選手もビックリの五回転ジャンプを決めている。


腹の上で飛びあがった時の衝撃はもちろん、腹の上に回転しながらの着地した時に、腹の皮膚がねじ切れそうになる。


「お?起きたんヨか」


俺の悲鳴を聞き、ガキンチョが腹から飛び降りようとしている。



お前なんか、飛び降りた時に、滑って頭打って記憶でもなくしてしまえ。


俺は願った。



「チョイエ!!」


謎の掛け声とともに、ガキンチョがついに飛び立つ。


と、思いきや、ゆっくりと安全に、足から下りやがった。


さっきの『チョイエ!!だぴょ~ん』は、何だったんだ。


飛び降りる為に気合を注入したんじゃないのか?


「カッチョイイ掛け声に、アホみたいなの付け足すのはやめるんヨ。付け足すにしても、だぴょ~んはないんヨ」


「そんな事より、腹の上で飛ぶのはやめろっぉおぉ!!!!!」


俺は、真っ赤になった腹をさすりながら飛び起きる。




皆さんも想像してみてはくれないだろうか?


寝ている間は力が抜けている。


その時に行きなり、重さ約20kgぐらいのガキンチョが飛び乗ってきたら……


そして、腹の上で華麗な五回転ジャンプをされたら……


そう。その衝撃により、ひ弱な人間なら、高確率で内臓裂傷を起こすであろう。


もちろん、皮膚も巻き込んで。



まったく…、俺が(自称)ひ弱な部類に入らない人間だったからいいものを。


胃を圧迫するから、昨日食った味噌カスタードプリンがリバースする所だったぜ。


晩飯も一緒に。



「やっと起きたんヨか」



こんな嵐のような朝が、三日前から続いている。



なんで……こんな奴に同情してしまったのだろう―――――




第十話

~チンパンジー以下、人間以上のエセコンビ~




たしかあれは、三日前の昼の出来事。


サイクリングに行った日から、丁度二日後だ。




「いやー、今日はいい天気だ!こう毎日晴れてると、散歩に行きたくなるなぁ~」


その時の俺は、そんな感じで散歩に出かけたんだっけ。



そして、散歩を始めて、しばらくした時のこと。


俺は、冷蔵庫の中が空だった事を思い出し、散歩ついでにスーパーによる事にした。



そんな感じで、偶然近くにあった、行った事もないスーパーに足を踏み入れたんだ。


しかもそのスーパー、運のいい事にレタスのタイムセールをやっていたんだよ。


なんと、一玉 5円。


そして俺は、おばちゃん達が入り乱れる中、なんとか一つだけレタスを確保。


そのレタスで何が作れるかを必死で悩み続け、サラダに決定した。


となると、キュウリも欠かせなくなるわけで。


そんな感じで、晩飯の買い物をすませていった。


買い物の途中で、『おひとり様一点限り!』の文字が目に入り、卵もかごの中に。



一通りかごの中に入れおわり、レジに向かう。



その時、遠くの方に新商品と書かれた物があった。



自販機とかでもそうだが、『新発売!』『新商品!』


などと書かれていたら、俺は必ず買ってみる派だ。食料系に限るが。



そういうわけで、俺はその場所に向かう。


そして、そこにあったのは、味噌カスタードプリンだった。



「なんだよこれ? プリンに味噌!? 正気かよ!?これは食べてみたくなるな」


そんなノリで、そのプリンをかごに入れ、レジに向かった。



俺が向かったレジは、男の人が担当だった。


見た感じ、20代だろう。見るからにやる気がなさそうだ。


そんなあんちゃんが次々と、俺のかごの中の物をレジに通す。


『レタスが一点』『卵が一点』


その声は、メチャメチャ不機嫌そうだ。


なんでこんな奴がレジやってんだろう。



俺がそんな事思っているのも知らずに、ずっと不機嫌そうのあんちゃん。


『キュウリが一点』 『トマトが一点』



おいおい、よく見ろよ。


キュウリとトマトは三点ずつだろうが!!!


どんだけ適当なんだよ。


一点と言いながらも、値段はちゃんと三つずつの値段だ。



それからも、何点あろうが一点と言い続ける あんちゃんの声を聞き続ける。


そのとき、レジのあんちゃんが新商品のプリンを手に取る。


そういえば、値段見てなかったけど…実はめっちゃ高いとか?


そう思ったが最後、俺は、プリンの値段が気になって仕方がなかった。


プリンがレジに通されると、『ピッ』っと言う音と共に、値段が表示される。


≪200円≫


なんだ、それほどでもなかった。


心から安心だ。


その時、レジのあんちゃんの声が聞こえた。



『味噌カスプリンが一点』



あらららー!?略しちゃったよ、味噌カスタードプリン!


大変残念なお名前と化しちゃったよ!?



どんだけ適当だよ、レジのあんちゃん。


『以上で、2280円でございます。』



そんなあんちゃんに呆れながらも、俺は金を払う。


俺はレジを離れると、袋に先ほど買った物たちを詰め込み、

スーパーを出たのであった――――――――――



―――――「以上、これが俺とプリンの出会いだ!」


「お前はアホなんヨか!?」



どや顔で言い放った俺に、エメリィーヌが全力でツッコんでくる。


「アホとはなんだ! とても美味しかったんだぞ?味噌カスタードプリン!」



そう、何と表現したらいいのか分からない。


「カスタードの甘みに、味噌のしょっぱさが合わさって、クリームの甘みが増して何と言うハーモニー!!これ考えた奴マジ神だわ」



うますぎて、あの後プリンだけ買いに行った。


なので、現在冷蔵庫にはプリンが大量にある。



あまりの美味しさだったもんで、つい。



この前食べた奴なんか、想像を絶するまずさだったもんで、少し心配していた分余計にうまく感じた。


この前の『赤飯deおはぎ!』なんか、クソ不味くて。



そういえば先月の『卵のいらないオムライス!』なんかも微妙だったな。


冷凍のチキンライスに付属のマヨネーズかけただけだった。


その裏面には、『同じ卵だから温めれば大丈夫!!』などと書いてあったが、大丈夫なわけねぇだろ!!!!



そうそう、この前の『気持ちWAこしあん!』なんか最悪だよ。


【こしあん】なのは気持ちだけで、実際の所は【つぶあん】だったからな~。



もう、この会社の商品なんか買わねぇ。


ちなみに、上記三つの商品は、すべて同じ会社。


絶帯真珠亥(株)式会社の商品だ。



まったく…会社名で気づくべきだったんだ。


なにせ、絶帯真珠亥ぜったいまずいなんだから。



「『過去の残念な商品ベスト3』の紹介なんかやってないで、ウチがなぜ、カイ(海)の家にいるかの話しをするんヨ」


「うみの家?」


「【うみ】じゃなくて【かい】!!カイの家なんヨ!!このドアホ!! いかれ耳!!」


凄い形相で叱られました。



つーかエメリィーヌって…


「ちょっと、関西弁入ってるような気が…」


自分の事もウチって言ってるし……。


~~なんヨ!ってのも、なんかそれっぽいし。



向こうの人って


『ウチはたこ焼きが大好きなんよ~』


みたいなこと言ってそうだし…。




俺がそういうと、顔を真っ赤にして反論してくるエメリィーヌ。


「う、ウチの喋り方なんかどうでもいいなんヨ!!そ、それよりも、ウチの住宅事情を!」



何だよ住宅事情って。


てかやっぱり。


「お前、図星だろ?どーせ、本かなんかで見て、気に入った。みたいな感じだろ?違うか?」


俺は今、モーレツにニヤニヤしていると思う。


なぜなら、エメリィーヌの慌てっぷりが…、からかうのが面白いからだ。



「だ、だからウチの事は…『ほら、またウチって言った』



必死に言い訳をしているエメリィーヌに、俺は無情にも言葉をかぶせた。


「だ、だから、その…ウ、わたしの事は、どうでもいいんヨ…じゃなくて、いいん…いいでしょ!!」



必死に、ふだん使い慣れない言葉で反論してくる。


エメリィーヌは恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしながら少し涙目だ。


ちょっくら言い過ぎたかも知れない。



俺は少し可哀そうになってきたので、エメリィーヌに謝ることにした。


「悪かったよエメリィーヌ。喋り方なんて、自由だもんな。たとえ関西弁を真似して、そんなエセ関西人みたいな喋り方でも、お前はお前だ!気にするな!!!」


いやぁ、我ながらナイスフォロー!


これでエメリィーヌも元気になる………ってあれ?



エメリィーヌを見てみると、プルプルと小刻みに震え、恥ずかしさとは別に、顔を赤くしている。


もしかして…怒ってらっしゃる?


そう思ったが時すでに遅し。エメリィーヌの怒りは頂点に達し、エメ火山の噴火した音が聞こえた。…気がした。


「うっさいんヨ!! 大体、この喋り方と言ったらたこ焼きなんて、考え方が昭和なんヨ!! このおやじ!! 昭和バカ!! どうして気にしてる事をピタリピタリと当てて、さらにそれをえぐるんヨか!? 信じられないんヨ!!! 人をバカにする事しか出来ない低知能アタマ!! カイはチンパンジー以下の人間なんヨ!!このバカタレ!!!!!」



ハァハァと、肩で息をするエメリィーヌ。


呼吸が安定すると、鋭い目つきで睨んでくる。


俺は相当マズイ事をしたようだ。


だがな…そこまでバカにされたとなっちゃ、俺のプライドが黙っちゃいねぇ!!



おいエメリィーヌ!!まず一つ目だ!全国の昭和生まれと、おやじさんに謝れ!!

考え方が昭和だと!?昔秋に言われた事を、一文字の狂いもなく言ってんじゃねぇ!!! かなりへこんだじゃねぇか!! しかもお前、ちゃっかり自分で認めてるじゃねぇかよ!!この、エセ関西人!!!



という目で、睨み返す俺。


今のエメリィーヌにこんな事、恐ろしくて告げられない。


こんなこと言ってしまったら、何されるかわからん。


エメリィーヌの頭の血管が、ブチィッってなるかもしれない。


最低でも殺される。今の俺には、自ら死亡フラグにツッコんでいく勇気はない。



だがエメリィーヌは、不敵な笑いを浮かべて言ってきた。


「フッフッフ、その目でカイが何を思っているか、バッチリ分かったんヨ」



なんだと!? いや、分かるわけない。


俺は、喋らないように注意したから喋ってはいないはず。


なるほど。これは、挑発か。挑戦状か。


なら、売られたケンカは買うまでだ!!!



「俺の考えていることが分かっただって? ウソが下手くそすぎるだろ」


そんなウソじゃ、チンパンジーですらだませないぜ!!



だがしかし、エメリィーヌは表情を変えることなく言ってきた。



「なら言い当てるんヨ。どうせ、エセ関西人とか何とか思ったに決まってるんヨ」


ギクッ!!


「昔、シュウにも言われたんヨね? この、エセ平成生まれ!!!」


ギクギクッ!!!



「な、なんのことやら? 俺にはサッパリ」


くそっ、我ながら演技下手だな!!動揺を隠しきれない!!


これじゃ、チンパンジーじゃねぇか!



だがしかし、エメリィーヌは…



「え? 外れたんヨ? 絶対あってると思ったのに……」



さっきまでの怒りとは一変。


外れていた驚きにより困惑している様子。


そう、その隙を見逃す俺ではない。


やっぱりハッタリじゃねーか!


そう言おうとした。


だが、違和感。


俺の直感が、何かを訴えている。



俺は、エメリィーヌをもう一度見つめた。


…あ!? あいつー!!


そう、エメリィーヌは、勾玉を首にかけていた。


そして、手で勾玉の光を隠している。



秋たちから、勾玉がないと超能力が使えないと聞いた。


そして、エメリィーヌが家に来た時、普段あまり使わないからと引出しにしまっていたはず。


たしか、朝も付けてなかった。



と、言うことはだ。


あいつ!こっそり、超能力使いやがったな!?


どうせ、おれの考えてる事でも読み取ったのだろう。



あぶねぇ。まんまと罠にはまるとこだった。


わざと隙を作り、そこに来た瞬間にドーーン!作戦だな!?


ふっ、その手には乗らない。


こっちから攻めさせてもらうぜ!!



「お前…、超能力使っただろ」


俺がそうエメリィーヌに言った瞬間。



「あ、え? 何のことやら? サッパリなんヨ」


メチャクチャ動揺しだしたエメリィーヌ。


しかも、さっき俺が誤魔化すために、苦し紛れに言ったようなことを言っている。


お互い、悪知恵は働くが、誤魔化すのはチンパンジー以下だな。


なんか泣けてきた。



「カイ、ウチが超能力を使った証拠は? 呪文唱えるの聞こえたんヨか?」



…確かにそうだ。あのクソダサい呪文は聞こえなかった。


って事はあれか? 本当に使ってないのか?


でもあの動揺っぷりはどう説明する。


あんな、見る人が見ればワザとやっているのではないかと思われるぐらいの動揺は?


…ん?ワザとやっているのではないか?


そうか!あの動揺はワザとか!!


く、コッカ星人こしゃくなり!




動揺しながらも、まだ優勢の位置にいるエメリィーヌ。


俺は、完全にエメリィーヌに負けたのだ。



負けたのだ。


…負け? 俺が? あのクソガキに?


そんなわけあるか!!



よく考えてみろ!


超能力を使ってないのなら、あの勾玉の輝きは!?


秋にも言われた事があるとなぜわかる!?


ありえない。


いくら俺が分かりやすかろうが、そんな的確に言えるわけがない。


そもそも、呪文を唱えなきゃ超能力は使えないのか?


そうだよ! 使えないなんて誰も言ってない。


こうなったら一か八か。


賭けるしかない。


「呪文を唱えるのが聞こえたかだって? そもそも、呪文なんているのか? ただカッチョイイから言ってるだけじゃないのかよ?」


言った。


俺は言った。


苦労の末に出た答えを告げた。



俺は、そっとエメリィーヌを見てみる。


すると、冷や汗が分かりやすいほど出ていた。


その瞬間。


俺の勝ちは決定した。



「……カイの……」


エメリィーヌが何かをつぶやいている。


なんだ?もしかして謝罪か?


そう思い、俺は聞きなおした。


「なんだよ。言いたいことがあるならはっきり言えよ」



すると。


「カイの、バッキャロォォォォ!!!!!!!」



突然叫んだと思い来や、泣きながら外に飛び出していくエメリィーヌ。


玄関のドアが激しく音を立てる。


エメリィーヌが強く閉めたのだろう。


ドアを壊す気か!


まったく。


そう思っていると、飛び出して5秒くらいで、またドアの音がする。



そして。


「クッソォォォ!!!外は雨だぁぁ!!!!」


そういって、俺の方に戻ってくるエメリィーヌ


外は確かに雨の音がする。



俺は思わず、笑ってしまった。









そうそう、エメリィーヌが家に来た理由だが、秋の家だと食費がやばいらしい。


コイツ大食いだから。


なので、一人暮らしをして、少し余裕のある俺の家に来たわけだ。


俺は嫌だったのだが、エメリィーヌがあの時、泣きついてくるからつい……。



そんな感じで、俺の嵐のような朝は始まったのだった。




第十話 完





追記:



どうもです^^


そして、俺日!十話。ご愛読ありがとうございました!!


と言うわけで、流れで海君の家に住んでますww



あと、最初に言った通り、呼び方をね、変えました。


過去の話も、全部変えてきます。


急な変更、申し訳ない。



あと、十話入ったのでね。そろそろキャラクター紹介が必要かと思い、現在作成中。



そして今回。ギャグを詰め込んだ話になっております。


秋君と琴音は出てきませんでしたね。


お二方のファンの方、誠に申し訳ございませんw



海君イラネな方も、これを見て、少しは好感度をアップしてくださったらうれしいです。


と、言うわけで、


次回をお楽しみにね!!



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