第7.5話~その頃、俺は。~
はいどうもー!!
今回は7.5話と言う事でね!
あの七話を、かるーく秋視点で行きたいと思います。
それでは
やぁ!
秋だ!
え?
あの時、エメリィーヌと何を話していたかだって?
しょうがねぇな。
教えてやるよ。
俺は今回、初主役だ!
みんなよろしくな!!
第7.5話
~その頃、俺は。~
突然、ドッガーンという大きな音が聞こえた。
目の前には、謎の少女。
そんな少女と、海が話をしている。
「あなた達は誰なんヨ?」
という少女の声。
「ハハハッ、お前こそ誰だよ」
そんな少女の問いに、海が難しい顔をして呟いている。
あいつがこの顔をしている時は事は、大体、無意識に考えている事を喋っている時だ。
分かりやすすぎ。
「ウチは、エメリィーヌ・ジョセフなんヨ」
エメリィーヌか。
なかなかいい名前だな。
少女が、あいつの独り言に返事を返す。
可哀そうに。
エメリィーヌは気付いてないんだろうなー。
あいつはただ、考え事をしているだけって事に。
つーか琴音。
お前なんて顔してんだ。
口を閉じろよ。
琴音は、口を閉じるのも忘れ、驚きの表情を隠せないでいる。
琴音を気にしていたら、エメリィーヌの声が聞こえた。
「知らない人に、個人情報は教えられないんヨ」
「人に聞くときは,まず自分からなんヨ」
プッ、あいつ、あんな子供に説教されてやがる。
エメリィーヌに説教されている海を見て、俺は思わず笑ってしまった。
「悪かったな、俺は海。山空 海だ」
お、やっと自己紹介しやがった。
海が、苦笑いしながら、申し訳なさそうに頭をポリポリとかいている。
これぞ古いリアクション。
「なるほどなんヨ、はじめましてなんヨ」
エメリィーヌはゆっくりと立ち上がり、ペコリと頭を下げている。
申し訳なさそうな海と、礼儀正しいエメリィーヌ。
もうどっちが子供だかわかんねーな。
そのとき俺は、なんとなく琴音のほうを見た。
別に理由なんかない。
ただ、なんとなく。
いまだに、情けない顔の琴音。
兄貴が見たらなんていうか。
あ、兄貴は俺か。
……っておい、よだれが出てきてるぞ。
全く、はしたない。
よだれが出てきた事に、琴音も気づいたらしい。
ピンクの可愛らしいハンカチをポケットから出し、あわててよだれを拭く。
あれ? 琴音、ハンカチなんて持ってきてたのか。
俺がそう思っていると、琴音が俺のほうを見た。
そして、俺と視線が合うと、自分で自分の頭を小突き、
舌を出しながら、『てへっ』っと恥ずかしそう笑っている。
琴音のそんな顔や、何気ないしぐさを見て、心が安らぐのを感じる。
琴音。
お前が元気でいてくれれば、俺はそれだけでいい。
俺は、心からそう思えた。
一応琴音には、アホか、という顔をしておく。
「あ、私は竹田 琴音だよッ。よろしくね、エメリィちゃん」
と、自己紹介をする琴音。
琴音って人見知りのくせに、自分より小さい奴にはお姉さんぶるんだから。
そういえば、海に初めて会った時も人見知りすごかったな。
海だって、いきなり琴音連れてきても、
嫌そうな顔一つしないで一緒に遊んでくれたんだよな。
あの琴音が、今じゃ普通に接するんだから。
………海、ありがとな。
……って、あれっ? 今日の俺、なんか変だな。
今なら誰にでも優しくできる気がする。
これからも、この気持ちを大事にしなくちゃな。
「よろしくなんヨ、コトネ。」
よろしくねっ、そう言って握手をする琴音。
二人とも自己紹介が終わった。
となれば、俺も自己紹介しない訳にはいかないな。
俺は、半分照れ隠しで、エメリィーヌのそばに行く。
「あ、ちなみに俺は、竹田 しゅ『フリーズ君だ。』
俺が、名前を言おうとすると、海の声が邪魔をする。
「よろしくなんヨ。竹田フリーズ。」
おい、海! お前のせいで変な名前だと思われちまうじゃねぇか。
「誰だよ!竹田フリーズって!?竹田さんの必殺技かよ!?」
俺がツッコむと、海がまた難しい顔をし始めた。
あれの顔は、必殺技の効果的なものを考えて、『つかえねぇー』とか思っている顔だ。
このまま、変な名前と思われたくないので、俺はあわてて言い直す。
「だから俺は!フリーズじゃなくて、しゅ『ブリーフ君だ』
しかし、またしても海が邪魔をする。
「竹田ブリーフ。」
そして、それを信じ込んでいるエメリィーヌ。
「ブリーフじゃねぇぇぇぇ!!!!」
何だよブリーフ君って
フリーズ君と語感が似てるだけじゃねぇかよ!!
イタズラ感覚で、いたいけな少女をだますんじゃねぇよ。
ブリーフだいすき小僧みたいじゃねぇか!
「え? お前トランクス派?」
「そーゆー意味じゃねぇよ!!!」
ゼェゼェと肩で息しているのが、自分でもわかる。
少々、ツッコミに気合が入り過ぎたか。
だがしかし、それもしょうがない事。
なにせ、俺の大事な大事な第一印象がかかっているからな。
そんな中、エメリィーヌ言った。
「竹田フリーズブリーフ。話を進めたいんだけど、いいんヨ?」
………終わった。
二つとも織り交ぜてきやがった。
これじゃあ目立ちたいがために、
何か特別な特徴を作ろうとして、ブリーフに目覚めた変人じゃねぇか。
みたかよ、エメリィーヌの同情の顔を。
ここでツッコんでも、
印象付けたいがためにやってる人、的な感じで取られてしまい、逆効果になるだろう。
そしたら、俺の心が持たん。
だから、ここは潔くツッコむのをやめよう。
俺がそう思っていると、海が不思議そうに俺を見ている事に気付いた。
どうせ、何でツッコまないんだ的な事だろう。
そう思い、俺はカッコよく海に言い放つ。
「フッ、俺はもう……ツッコむのをやめたんだ…………」
ふふっ、どうだ。 かっこいいだろう。
俺は海の表情をうかがう。
すると、すぐに海のオーラ(表情)が、『憐れみ』に変化する。
くそっ! あいつから、『お前、空気になるぞ。』が痛いほど伝わってくるぜ!
「とりあえず、話を続けんヨ?」
と言いながら、エメリィーヌが俺のほうを、確認を問うかのように見てくる。
なので、俺は、小さく頷いた。
「まずウチ達は、宇宙のその辺にあるコッカコラ星に住む、コッカ星人なんヨ」
なるほど。
いろいろツッコミ所はあるが、俺は海に任せることにした。
「お~しまい~♪なんヨ~♪」
急に歌い出すエメリィーヌ。
なかなかいい歌じゃねぇか。
「お~しまい~♪ですよ~♪」
やっぱり、琴音もそう感じたか。
さすがは妹!
よーし、俺も………
「お~しまい~♪なんだぜ~♪」
俺は歌った。
よく見ると、海が大きく息を吸っている。
海の歌って聞いたことねぇな。
「おし~ま~い~♪だ~ぜぇ~♪」
…………なるほど。このパターンか。
想像を絶するひどさに、一瞬言葉を失った。
琴音たちも同じのようだ。
「どうした!俺の歌唱力に驚いたか?」
そしてこのどや顔である。
「か、かいにぃのうたもなかなかうまいね、えへへへ」
お、コイツをかばうか。
いい奴だ。
俺も誤魔化しておくか。
「た、たしかにな、あははは」
………そしてこのどや顔である。
ウザッ!
「なんというか、こせいてき、なんヨ」
へー、宇宙人でもお世辞が言えるのか。
あまりにも楽しそうに歌う海を見て、
傷つけたら可哀そうだと思い、三人ともお世辞に力が入る。
「何だお前ら? 俺があまりにも歌がうまいからって、嫉妬するなよ」
そしてこの有様である。
ここは、皆のためにも、俺が一肌脱がなければなるまい。
「気付けよ!! どんな頑張ったって、お前ほどヘタクソに歌えねぇよ!!」
的確なツッコミ。
これなら奴も気づくはず。
「何だよそれ!! その言いかたじゃまるで…………」
「未来から来た、こけし型サムライ、コケ新左エ門。
通称、コケえもんに出てくる、
ジョイアンのような歌だと言わているみたいじゃないか!!!」
なるほど。ラスボスか。
だが、奴の心のHPも残りわずかだ!!
「見たいじゃねぇ!! そうなんだよ!!」
どうだ!?
「うそだろ!?」
海の顔が引きつる。
フッ、相当ダメージを受けたようだな。
受けたダメージを回復しに、お前が向かおうとしている先は分かっている。
琴音。
お前のターンだ。
「琴音、俺の歌、上手かったろ? 神だったろ?」
海は、すでに敵である琴音に聞いた。
その目は、涙で潤っている。
いやー。
潤いっていいねー。
「た、確かに、誰にでも歌えない歌と言うか、何というか……、神と言うより、紙……かな……?」
出た。琴音ならでは!!
これはつらい。
これであいつの心のHPはゼロだ。
だが、知っているか?
ラスボスってのは、大抵二回戦目がある事を!!
「ほら見ろ! 最高だったって言ってるじゃねぇか!!」
ほら。
馬鹿にされた部分を、綺麗に見ないようにしてやがる。
その目て見ぬふりをしている所を、俺が直視させてやろう!!
「お前どんな耳してんだよ!? 思いっきり、馬鹿にされてたじゃねぇかよ!!」
もちろん、ラスボスがここで素直に負ける訳が無いよなぁ?
「……まったく。
秋には理解できないんだよ。
よく言うじゃねぇか。真の芸術は、理解されにくいってな!」
動揺が隠し切れていないぞ?
考えている事が口に出ている。
もちろん、これも計算の内だ。
弱点の部分を自ら口に出すとは、攻撃しろと言っているようなもんだぞ?
クククッ。
これで! 終わりだぁぁぁ!!!!
「芸術じゃなくて、お前の耳のほうが理解できんわ!! どんだけポジティブ思考なんだよ!!」
きまった!
俺は勝利を確信し、海の顔を見る。
だがしかし………
海が、悲しい顔で俺を見つめる。
「なんで………、なんで俺がそんな悲しい顔されなきゃ、いけないんだよぉぉぉぉ!!!」
まさかのカウンターに、俺は大ダメージを受けた。
そして、俺は負けた。
だけど、悔しくなんてないもんね! ………ぐすん。
「ジョセフってさ。宇宙人……なんだろ?」
海の唐突の質問。
「ジョセフなんて、渋いおじ様ッポイ名前で呼ばないで。レディーに対して失礼なんヨ」
まったく、女心の分からない奴だな。
「じゃあなんて呼べばいいんだ?」
「好きに呼んでいいんヨ」
「わかったよ。ジョセフ。」
「それ以外に決まっているんヨ!!」
馬鹿が! いい気味だ。
「じゃあ、エメリィーヌでいいか?」
「それならいいんヨ」
「では改めて聞くが、ジョセフィーヌ………お前宇宙人だよな?」
「そうなんヨ。……って、ジョセフィーヌ誰なんヨ!? どっかの貴族の愛犬なんヨか!?」
おいおい、ナイスなツッコミスキルを持ってるじゃねぇか!
見なおしたぜ!!宇宙人!
「やべ、間違えた」
人の名前を間違えるなんて、最低だな。
「名前が混ざっちまったぜ。
ジョセフィーヌなんてかっちょいい奴、日本にはいねぇーよな、ハハッ。」
そして、考えが口からもれてる事に気付け。
「かっちょいい!? ウチは貴様の頭を疑うんヨ!!!」
お前の言いたい事は分かるぞ!
同士よ!!
「つーかコイツ、ノリが秋に似てて、なんかヤダな。」
「こんな奴と一緒にするなんヨ!!!」
え? えーーー!?
裏切り!!
まさか裏切り!!
なんだよ!
人間と宇宙人は分かりあえないのかよ!?
つーか、こんな奴って何だよ!!
たしかにこんなだけど、指までさすことないだろうよ!!
「何だよこの流れ弾は!? 俺、何も悪い事してねぇよ!?」
くそ、心が痛い!!
すると突然。
「おいっ! もう8時半じゃねぇか!!」
まじかよ!! うちのおふくろがキレるぞ!?
「うそぉ!? やばいじゃん!!」
琴音も、おふくろの怖さが分かってるな。
「帰る方法考えてなっかった!!」
海も分かるだろ。
おふくろの怖さ。
「秋! 琴音! 」
そんな海が、俺たちを呼びとめる。
いい方法でもあったのか?
「どうした!! いい方法でも、思いついたか!?」
「何々?どんな方法?」
「まず、胸の前で両手を組むんだ!!」
なぜに?
まぁ、とりあえず言った通りにしよう。
俺は、言われるがままに、手を組んだ。
「これからどうするんだ!?」
「とりあえず言った通りにやってくれ!!」
何だこの自信に満ち溢れた表情は!!
こんな海、初めて見るぞ!!
「………わかった。何を考えているか知らんが、お前に任せる!!」
「おう! まかせろ!!」
いざとなったら頼りになりやがるぜ!!
「組んだら、目をつむり、空を見上げろ!! そして………」
…………え!?
「おい……、お前まさか……」
「全力で神に祈れぇぇ!!!!!!!!」
「うんわかった!!」
ハァ、幻滅だ。
少しでも信じた、俺がバカだった。
まさかの神頼みに出た海に、
ちょっとした殺意と、かなりのガッカリ感を覚えた瞬間だった。
そのとき、エメリィーヌが服を引っ張ってきた。
「ちょっと話があるんヨ」
俺にしか聞こえないほどの小声だ。
「俺に………話?」
いったいなんだろう。
「向こうで話すんヨ」
と言いながら、俺のすぐ後ろにある、気のほうを指差している。
俺は、エメリィーヌについて行き、目的の場所に着くと、木の根もとに座った。
もちろん、エメリィーヌもだ。
「それで、話って何だ?」
俺が問う。
「この勾玉で、ウチにつれて行けるかもなんヨ」
マジ?
「勾玉にも、何かあるのか?」
特別な力があってもおかしくない。
空から降ってきても無事なのがその証拠だ。
エメリィーヌは、静かに頷いている。
なるほど。
「なら自転車や、道具とかは?」
「ふれるだけで、一緒におくれるはずなんヨ」
……ん? どういう事だ?
よくわからん。
俺のそんな表情が伝わったのか、
エメリィーヌは、『ちょっと見ててなんヨ。』と言っている。
エメリィーヌとそんな話をしていると、
突然海が叫び出した。
「おい裏切り者!! 祈りはどうしたぁ!!!!」
おいおい、まだ祈ってたのかよ。
「そんな無意味なこと、やってられるか」
帰れるんだもんな。
祈りなんて無意味だ。
俺がそう言った途端、海が恐ろしい気迫ともに、俺に向かって走ってきた。
おい、その勢いで何する気だ?
危ないだろ。
俺が身の危険を感じ、その場から離れようとすると、
『任せてナンヨ』とエメリィーヌが、小声で言ってきた。
そして、それと同時にエメリィーヌが立ちあがり、手を前にだした。
そして呪文らしきものを唱え始め、エメリィーヌが首から下げている勾玉が光り出す。
「コリクサコサクリエメラルドゥ!! はぁー! 念力!!」
エメリィーヌが唱え終わった瞬間、海が猛スピードで大木へ飛んでいく。
絶景ナリ。
つーか、ぶつかる!!
俺は、慌ててエメリィーヌを見た。
そして、頭で理解するのより先に、俺はエメリィーヌに体当たりしていた。
吹っ飛ぶエメリィーヌ。
それと同時に海の声。
「うぎゃぁぁぁ!!!死んだぁぁ………ってあれ?」
……ハァ、どうやら海は無傷だ。
………よかったぁ。
俺は、安心した途端に、全身名力が抜けていくのが分かった。
そして…………
「どういう事だよ!?」
俺は倒れているエメリィーヌに、あらい口調で問い詰める。
「ごめんなさい!!なんヨ!!」
土下座するエメリィーヌ。
「あ、………わりぃ、言い過ぎた……」
エメリィーヌは、うっすらと目に涙を浮かべている。
「とりあえず、なんでだ?」
あの時……超能力が暴走………? しているように見えた。
「実は…………」
エメリィーヌが言うには、つまりこう言う事だ。
超能力が使えるのは、勾玉のおかげらしい。
そして、コッカコラ星にいた時も、一応超能力は使えた。
だが、コッカコラ星の時と、
ここ、地球の時とでパワーの出方が違く、
超能力暴走。
というわけだ。
他にも色々あるらしいが、俺が理解できたのはここまで。
「つーことはあれか、俺の止める判断は正しかったわけだな?」
「そうなんヨ、感謝しているナンヨ」
「それで、俺が止めてなかったら………」
「大木にドーン、なんヨ」
やっぱりか。
あぶねぇ。
「もう頭上げろ。俺に謝っても意味が無いしな。」
「じゃあ、ウチはどうすればいいんヨ?」
「簡単な事だ。あとでアイツにあやまっとけ」
わざとじゃないしな。
本気で反省してるんだ。
アイツなら分かってくれる。
「だからさ。涙を拭け。俺たちを帰してくれんだろ?」
「でも、また何かあったら………」
「そんときゃ、俺がまた止めてやる。」
「でも………」
「でもじゃねぇよ!! 俺が大丈夫だって言ったら大丈夫なんだ。」
「………」
エメリィーヌの顔色が次第に良くなっていく。
「俺は、琴音を何十年も守ってきたんだ。
そして、これからも守っていかなきゃいけない。
それに比べれば、お前なんか楽なもんだ。」
「………ありがと!なんヨ!!!」
「………よし。」
すっかり立ち直ったエメリィーヌ。
なんだかんだで、まだ子供なんだな。
そんなとき、突然。
「誰か説明しろ!!」
という、空気の読まない声。
俺は、泣いて赤くなった顔を隠そうと頑張っている、
エメリィーヌの代わりに、海に説明をしに行った。
「とりあえず、簡単に説明すると、超能力だ」
「なるほど………さっきコソコソ話してたのは、この事か」
さすが海だ。
何という理解力の早さ。
超能力なんて普通信じられないぞ。
あ、そうだ。
「で、超能力で俺たち帰れるらしい」
「……マジ?」
「マジ。」
そう言いながら、俺はエメリィーヌのほうを見た。
なんとか大丈夫そうだ。
走ってこっちに来る。
「じゃあ、今から帰りたいんだが、どうすればいい?」
海が、エメリィーヌに聞いている。
「ウチに触れていればいいだけなんヨ。道具も忘れないで、なんヨ」
エメリィーヌも強い奴だな。
海と普通に話しているエメリィーヌを見て、俺は思った。
海に説明を終え、帰るために動けない琴音の周りに集まる。
「んで、コイツの超能力で帰れるらしいよ」
海が、先ほど得た知識を、当たり前のように話している。
調子のいい奴め。
「うん、知ってる。」
うん、いつもの琴音だ。
「だって全部聞いてたもん」
そう言いながら、琴音が俺のほうを見て、なんか不敵な笑みを浮かべている。
いったい何なんだ?
まぁいいか。
「じゃあ帰るけど、忘れ物ないんヨ?」
帰る準備を終えた俺たちに、エメリィーヌが言った。
「ああ、大丈夫だ。」
「ならウチに触れて。」
琴音は手。
海は頭。
そして俺は、エメリィーヌの肩に手を置いた。
エメリィーヌは、少し震えている。
そんなエメリィーヌに、小声で俺は囁いた。
「大丈夫だ」
そのあと自転車にまたがる俺と秋。
琴音は自転車に触れているだけ。
それでも大丈夫らしい。
「じゃあいくんヨー。」
エメリィーヌは、すっかり力強さを取り戻していた。
「コリクサコサクリエメラルドゥ。はぁー!! 瞬間移動!!」
唱え終わった瞬間、俺たちは勾玉の光に包まれた。
第7.5話 完
追記:
どうもー。
まず、俺日ご愛読ありがとうございましたー。
そして、何コレ? と思った方もいらっしゃるでしょうw
実はこれ、俺(作者)が前から書きたかったんですよねぇw
実はかっこいい秋君をねww
どうでしょうか、同じ話も別視点で見ると、なかなか新鮮じゃないですか?
そして、琴音の不敵な笑みは何を意味するのかww
海君も、後々かっちょいい事が起こるかもねwww
では
次回をお楽しみにーwwww