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第29章

 【故人こじん敬意けいいを】


 パディーが、顔を誰かの拳骨げんこつでやられたらしい。


 青アザやら黒アザやらで、華々(はなばな)しく飾り立ててバーに現れた。


 「いったいどうしたんだ。」


 仲間のひとりがたずねた。


 「いや、マイク・オレイリーとちょっとした口論こうろんをやらかしてしまってね。」


 パディーが答えた。


 「それで、そのヘナチョコ野郎も君みたいになってるのかい。」


 「頼むよ、紳士諸君しんししょくん。」


 パディーが言った。


 「故人こじんについて語るときは、敬意けいいを欠かないようにしてくれたまえ。」

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