VRゲームで女キャラで遊んでたら現実でもTSして美少女になったってマジ?
俺の名前は鈴木ユウト。
17歳の高校2年生。
超普通の男子高校生だ。
唯一の趣味は、VRゲーム「エターナル・ワールド」。
超リアルなファンタジーVRMMOで、全世界で1億人以上がプレイしてる。
俺は、このゲームで女キャラを使ってる。
名前は「リリィ」。
金髪ロング、青い瞳、華奢な体。
めちゃくちゃ可愛い。
「なんで女キャラ?」って友達に聞かれたけど、答えは簡単。
可愛いから。
それだけ。
学校から帰って、晩飯食って、風呂入って。
そして、VRゴーグルを装着。
電源ボタンを押すと世界が切り替わる。
気がつくと、ファンタジー世界にいた。
自分の体を見る。
細い腕、女性の体。
どこを見てもリリィの姿だ。
「よし」
俺は街に向かった。
ギルドのみんなが待ってる。
「おーい、リリィ!」
声をかけられた。
振り返ると、重装備の戦士が立っていた。
「バルド」
「遅いぞー!みんな待ってたんだぞ」
「ごめんごめん」
俺はギルドハウスに入った。
そこには、他のメンバーもいた。
黒い鎧の騎士「レイヴン」。
青いローブの魔導士「アーク」。
緑の服の狩人「シン」。
全員、男キャラだ。
そして中身も、たぶん…男。
「それじゃ、今日のダンジョン行くか」
レイヴンが言った。
渋い声。かっこいいな。
俺たちは5人パーティーで、ダンジョンに向かった。
戦闘が始まる。
俺はヒーラー役。
みんなを回復しながら、戦う。
「リリィ、回復頼む!」
「はーい」
俺は回復魔法を唱えた。
緑の光がバルドを包む。
「助かる!」
戦闘が終わって、宝箱を開けた。
レアアイテムが出た。
「やった!やっと出たよー」
「リリィのおかげだな」
レイヴンが俺を見た。
「いつも助かる」
「いえいえ」
俺は照れた。
ゲームの中でも、照れるんだな。
ダンジョン攻略が終わって、街に戻った。
「じゃあ、今日はこの辺で」
「おつかれー!」
みんなログアウトしていった。
俺も、ログアウトした。
VRゴーグルを外す。
また、元の部屋。
元の体。
「今日も楽しかったな」
俺はベッドに倒れ込んだ。
エターナル・ワールド、最高だ。
明日も遊ぼう。
そう思いながら、眠りについた。
翌朝。
目が覚めた。
「ん...」
なんか、体が変な感じだ。
気のせいかな。
起き上がろうとして、違和感に気づいた。
「...あれ?」
なぜか…俺に胸がある。
「な、なんだこれ?」
慌てて体を確認する。
細い腕。
華奢な体。
そして...。
「嘘だろ...」
俺は鏡の前に立った。
そこに映っていたのは…
俺がゲームで使っていた、リリィの姿そのものだった。
金髪ロング、青い瞳。
ゲームの中のキャラ。
それが、現実にいる。
「俺が...リリィに...?」
信じられなかった。
「すごい現実味がある夢だな…リアルだ」
どう考えてもあり得ない。これは夢だ。
頬を強くつねってみたら普通に痛い。
「いててて!」
これは、現実だ。
「何が起こってるんだ...」
俺は一旦スマホを取った。
ニュースアプリからの通知が来ている。
それを開くと、トップニュースが目に飛び込んできた。
『VRゲーム「エターナル・ワールド」ユーザー、ゲームキャラの姿に変化』
『ゲーム会社、緊急声明発表』
『原因は実験的アップデート。修正作業中』
「マジかよ...」
俺だけじゃなかったみたいだ…
全世界で、同じことが起こってる。
VRゲームのキャラの姿に、現実でもなってしまった。
「どうしよう...」
学校に行けない。
だって、俺、女になってるんだぞ。
「とりあえず...」
俺は家族にニュースを見せて、事情を説明した。
母親は驚いてたけど、とりあえず受け入れてくれた。
「一旦ゲーム会社が対応するまで、家にいなさい」
「うん...」
俺は部屋に閉じこもった。
鏡を見る。
リリィの顔。
可愛い。
...可愛い?
いや、違う。
これは俺だ。
俺が、女になった。
なんか複雑すぎる。
それから一週間。
俺は家に引きこもっていた。
でも、そろそろ外に出たくなった。
「買い物くらい、行こうかな」
俺は服を着た。
女物の服。
母親が買ってきてくれた、ワンピースだ。
鏡を見る。
可愛い女の子が映ってる。
「...行くか」
俺は外に出た。
街を歩く。
すれ違う人が、俺を見る。
「可愛い...」
「あの子、誰?」
通りすがりの人達みんなに囁かれる。
恥ずかしい。
でも、なんだか悪い気はしなかった。
コンビニに入った。
「いらっしゃいませ」
店員が笑顔で迎えてくれた。
お菓子を買って、レジに行く。
「450円です」
「はい」
会計を済ませて、外に出た。
「お嬢さん!」
声をかけられた。
振り返ると、若い男性が立っていた。
「お姉さん、よかったら、連絡先交換しませんか?」
ナンパだ。
俺、ナンパされてる。
「あ、その...」
「可愛いですね。お茶でも...」
「すみません、急いでるので!」
俺は逃げた。
心臓がバクバクしてる。
ナンパされるって、こういう感じなんだ。
女子、大変だな。
家に帰って、ベッドに倒れ込んだ。
「疲れた...」
でも、少し楽しかった。
女として生きるのも、悪くない...のか?
いや、でも俺、元は男だし。
かなり複雑だ。
その夜、俺はVRゲームにログインしてみることにした。
世界が切り替わる。
気がつくと、ファンタジー世界にいた。
自分の体を見る。
リリィの姿。
でも、現実でもリリィの姿をずっと見ているからか、違和感がない。
「不思議な感じだな...」
俺はギルドハウスに向かった。
そこには、レイヴンが待っていた。
「リリィ!」
「レイヴン」
「無事か?」
「うん、まあなんとか…無事だよ」
レイヴンが近づいてきた。
「俺も...現実でも、女になってたよ」
「え?」
「俺、実は鎧の中は女キャラだったんだ」
「え...」
レイヴン、女だったの?
「でも、元に戻す薬が開発されて、俺は男に戻ったよ」
「戻れるの?」
「ああ。今ゲーム会社が配ってるらしい。
だけど生産が追い付いてなくて全ての人に配るには時間がかかるらしい」
レイヴンが真剣な顔で言った。
「リリィは、どうする?」
「俺も...戻るべきかな」
「それは、お前が決めることだ」
レイヴンが俺の肩に手を置いた。
「でも、俺は...」
「ん?」
「リリィのこと、好きだった」
俺の心臓が跳ねた。
「え...」
「ゲームでも、現実でも」
レイヴンが微笑んだ。
「だから、会いたい」
「会う...?」
「ああ。現実で」
俺は戸惑った。
でも、断れなかった。
「...分かった」
数日後。
俺は駅前のカフェにいた。
ものすごく緊張してる。
そもそもインターネットの人とリアルで会うのは初めてだし…
レイヴン...現実の彼と会うんだ。
「リリィ?」
声がした。
振り返ると、一人の男性が立っていた。
黒髪、整った顔立ち、長身。
めちゃくちゃとてつもないイケメンだ。
「レイヴン...さんですか?」
「ああ。俺は黒崎レン」
「鈴木ユウト...じゃなくて、今は...リリィ、のほうがいいのかな」
俺たちはカフェに入った。
席に座る。
レンが俺を見てる。
「...可愛いな」
「え?」
「リリィ、現実でも可愛い」
顔が熱くなった。
イケメンに可愛いって言われてる。
「あ、ありがとう...」
「リリィは元に戻らないのか?」
レンが聞いた。
「まだ...決めてない」
「そうか」
レンがコーヒーを飲んだ。
「俺は、戻ったよ」
「どうして?」
「まあ、男として生きたかったからからかな」
レンが真剣な顔で続けた。
「でも、リリィは違ってもいい」
「え?」
「お前が、どう生きたいか。それが大事だ」
レンが俺の手を取った。
「俺は、リリィのこと好きだ」
「レン...」
「男でも、女でも、俺には関係ない」
レンが微笑んだ。
「お前が、お前でいてくれれば」
俺の目に涙が浮かんだ。
「ありがとう...」
その後はレンと一緒に、話しながら街を歩いた。
デート...なのか?
よく分からないけど、楽しかった。
レンは優しくて、面白くて。
一緒にいて、心地よかった。
「また、こうやって会わないか?」
別れ際、レンが言った。
「うん」
俺は頷いた。
家に帰って、鏡を見た。
リリィの顔。
「俺、このままでいいのかな...」
分からない。
でも、レンと一緒にいたい。
その気持ちは、確かだった。
それから、俺とレンは何度も会った。
カフェでお茶したり。
映画を見にいったり、ショッピングをしたり。
レンは会うたびに俺のことを褒めてくれる。
なんだか恥ずかしい。
もうこれはデートだった。
完全に。
そして、俺は気づいた。
レンのことが、好きだ。
でも、複雑だった。
俺、元は男だ。
男が、男を好きになってる。
いや、今は女だから、女が男を好きになってる?
頭が混乱する。
ある日、ゲーム会社からメールが来た。
『元の体に戻す治療薬を無償で提供させて頂きます』
『希望者は、こちらのフォームから申請してください』
戻れる。
男に戻れる。
でも。
「戻りたい...のか?」
俺は鏡を見た。
リリィの顔。
可愛い女の子。
これが、今の俺だ。
「レンと一緒にいたい」
その気持ちは、本物だ。
でも、男に戻ったら...。
レンは、男の俺を好きになってくれるのか?
いや、レンは言ってた。
「男でも女でも関係ない」って。
でも。
俺は、どうしたい?
悩んでいると、レンから電話が来た。
「リリィ、よかったら今から会える?」
「うん」
俺はレンに会いに行った。
とある公園で待ち合わせ。
レンが待っていた。
「リリィ」
「レン」
レンが俺の手を取った。
「メール、見たか?」
「うん...」
「戻るのか?」
「...まだよく分からない、決めれない…」
レンが俺を抱きしめた。
「俺は、お前が好きだ」
「レン...」
「リリィでも、ユウトでも」
レンが俺の顔を見た。
「どちらのお前でも、好きだ。この気持ちは変わらない。」
「本当に...?」
「本当だ」
レンが優しく微笑んだ。
「だから、お前が決めろ」
「お前が、どう生きたいか」
俺はすこし考えた。
「俺...女のまま、生きるよ」
「リリィ?」
「うん」
俺はレンを見つめた。
「リリィとして、生きたい」
「そうか、俺はお前の選択を尊重するよ」
レンが嬉しそうに笑った。
「じゃあ、これからもよろしくな」
「うん」
俺も、嬉しくて笑った。
数日後、俺は正式に治療を辞退した。
元の体に戻らない。
リリィとして、生きる。
そう決めた。
家族にもこのことを打ち明けると、最初は戸惑っていたが、応援してくれた。
「あなたが決めたことなら、応援するわ」
母親が言った。
「ありがとう」
学校には、新しい身分で転校することになった。
「鈴木リリィ」として。
クラスメイトは、俺が元男だとは知らない。
普通の転校生として、受け入れてくれた。
「リリィちゃん、よろしくね!」
女子たちが笑顔で話しかけてくる。
「よろしく」
俺も笑顔で答えた。
女子として、生きていく。
放課後、レンが学校に迎えに来た。
「リリィ」
「レン」
俺はレンの隣に並んだ。
一緒に歩く。
「付き合ってください」
レンが突然言った。
「え...」
「俺と、付き合ってくれ」
レンが真剣な目で見てくる。
「俺...」
俺は顔を赤くした。
「私も、レンのこと好きです」
「リリィ...」
レンが俺を抱きしめた。
「ありがとう」
俺も、レンを抱きしめ返した。
これが、俺の選択。
元男の俺が、女として生きて。
イケメンの彼氏と付き合う。
今考えても意味が分からない不思議な人生だけど。
後悔はない。
VRゲームで、リアルでも女体化した。
でも、それで出会えた。
レンと。
そして、新しい自分と。
「これからも、よろしくな」
レンが微笑んだ。
「うん、よろしく」
俺も微笑んだ。
リリィとして。
女として。
そして、レンの彼女として。
新しい人生が、始まった。
【完】




