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滅亡国家のラグナテア ~リアルがゲームに入れ替ったけどデータ引き継ぎで現代無双~  作者: 萩鵜アキ


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第43話 プロローグ:貴種の代表

本日から2章スタートです。どうぞ宜しくお願いします。

「落ち着いた場所で話そうか」って一条の提案で、学校の食堂にやってきた。


 こっちに来てから、食堂に来るのは初めてだけど、前の俺はここに来たんだろうか?

 中は……おー、かなり広いな。校庭に向いた壁が一面硝子張りになってて、ちょっとしたカフェみたいだ。


 丁度入り口にメニュー表があるから、何を食べるか決め――髙ッ!?

 えっ、なにこれたっかッ!

 なんで日替わり定食が三千円もするんだよ!

 ランチコース(肉)に至っては八千円とか、どこのブルジョワが頼むんだ?


 うん、間違いない。

 過去の俺は絶対にここには来てない。


「みんな何食べる?」

「オレは肉。ランチコースで」

「レオンが肉なら、ぼくは魚にしようかな」


 いたよ、ブルジョワジー……。

 ってか、正気か?


「白河くんはどうする?」

「……俺はコーヒーで」

「何も食べないの?」

「あ、ああ。この値段見たら食欲なくすだろ」

「あはは。普通の人からすればそうだろうね。でもここのランチ、凄く美味しいよ? 食べたらわかるけど、値段以上だよ」

「って言われてもなあ」

「白河くんなら支払えないことないよね?」

「そうだが。それと昼飯に八千円かけられるかどうかは別問題だろ」

「大将、ケチケチすんな。ちっせぇ男だと思われるぜ」

「いいんだよ、小さい男で」


 見栄張って大盤振る舞いして破産したらアホくさい。


「そもそも昼飯なんて、五百円弁当で――」

「ここに連れてきたのは僕だし、なんなら僕が奢るよ?」

「…………(ごくり)」


 ――十分って思ってた時期も俺にはありました。


 いや、八千円ランチがどんなもんか気にはなるだろ。

 奢ってくれるっていうなら、言葉に甘えるのも吝かではない。

 そう、奢りならね!


 カウンターで注文し、デバイスで会計。

 レオンが肉、一条が魚。俺は肉を注文させてもらった。


 それから、カウンターから離れた入り口近くの座席に座る。


「ん、なんでここなんだ? もっと良い席あるだろ」


 特に、ガラスに面した場所は景色もいいし明るい。人もそこまで多くない。

 対してこっちは照明の明かりだけで、景色はあまり見えないし、人も多い。


「ぼくらはこっちだよ」

「ん、どういうことだ?」

「そこはほら、いろいろとルールがあるんだよ」

「ふぅん?」


 よくわからんが、ここは常連の一条に従うか。

 座席で待ってると、スーツをビシッと着こなした給仕が恭しく皿を運んできた。


 皿に乗った、小さな小さな肉の欠片。

 普通はガッカリするサイズだが、なにこの肉、オーラやばすぎ。


 一口運び、ゆっくりと嚥下する。


「…………!?」


 肉が甘い!

 繊維の一本一本が滑らかで、噛まなくてもほぐれていく。

 特に油がやばい。

 舌の上に乗ると同時に、高野豆腐かってくらい溢れ出してきた。


「俺が今まで食べてた肉は、なんだったんだ……?」

「まあ、そう思うよね。ここのシェフも食材も、一流どころを揃えてるみたいだよ。このクオリティなら、倍以上は払わないと食べられないよ」

「……」


 それを知ってるってことは、倍以上の値段の店に行ったことがあるんだな?

 ぐぬぬ。ブルジョワジーめ。


「こんな世界(にく)を知ってしまったら、二度とマックに戻れないな……」

「それはそれ、これはこれだ」

「レオンの言う通り。どの食にも、良いところが必ずあるものだよ」

「そういうもんか」


 パクパクパクパク。

 あれよあれよと高級ランチは、あっという間に無くなってしまった。


「…………」


 くっ……悔しい!

 また食べたい、金ならあるしって思ってしまったッ!


 ――いけない。冷静になれ俺。

 この肉に捕らわれたら、あっという間に散財するぞ。

 1日八千円。学校で毎日食べたら月20万円だ!

 怖い怖い。


 ってわけで、思考を切り替える。


「一条。そろそろ深淵の話を詳しく教えてくれ」

「いいよ。深淵に挑戦するには、ハンター協会の承認が必要なんだ。その承認っていうのは、クランのランクのことだよ」

「ふむ。S級ハンターがいても、立ち上げたばかりのクランじゃダメってことなのか?」

「特例はあるけど、一般的にはそうだね。深淵攻略の許可が貰えるのは、最低でもCランクのクランからだ」

「クランをCに上げるには?」

「Dランクのハンターが、六名所属していることが最低条件だね。そこから昇級試験をクリアして、初めてC級クランになる」

「……なるほど」


 ようやく一条が言ってた『道のりはまだまだ長いね』って意味がわかった。

 現時点で【ラグナテア】に所属してるメンバーは、全員Fランクだ。

 これを全員Dまで二段階上げて、かつ昇級試験に挑戦しなきゃいけないんだな……。


「C級に上がったら、深度Ⅲまでの深淵依頼を受けられるようになる」

「はっ? Ⅲまでしか受けられないのか!?」


 Ⅲなんて、あくびしながら攻略出来るレベルだぞ……。

 逆に、手応えがなさすぎてストレスが溜まりそうだ。


「BランクがⅣまで、AランクがⅤまで、SランクがⅦまでの深淵を攻略可能だ」

「んっ? それだと魔王が出たらどうすんだ?」

「ははは。魔王はほとんど出ないよ。まあ、出たとしてもEXランク――【払暁の光剣(父上のクラン)】が担当することになると思うよ」

「なるほど」


 つまり、EXランクにならんと魔王にアタック出来ないのか。

 はあ……。

 いつになったら魔王と戦えるのやら。


「そういえば、EXランクってなんだ?」

「S級に上がったハンターが、世界的な活躍を見せた場合に至る、最上級のランクだよ。これは日本では――」

「歓談中すまんが、君は一条肇くん、それに千葉レオンくんかな?」

「はい、そうですが……」


 突然横から割って入った男子生徒。


 なんだこいつ?

 顔は普通だが、髪の毛がワカメみたいだな。


「俺は三年の大庭剣斗。二人とも、始めましてだね」

「はい、大庭先輩」

「うっす……」


 一条もレオンも初めまして、なんだよな?

 どうして嫌な顔してんだ……。


 ワカメが俺を見て、


「……」


 目をそらした。

 えっ、あれ、俺は無視?


「ところで先輩、今日はどのような用向きですか?」

「二人を貴種派に招待しようと思ってね。我々貴種派は、君たちに興味を持って注視している」


 キシュハ?

 貴種派か?

 まったく聞いたことない言葉だな。


「このような下賤な平民などとは付き合わず、我々貴種派と友好を深めようじゃないか」


 俺を無視してたのは、そういうことか。


 ちらり大庭を見て、日当たりのいい座席を見る。

 そこに座っている数名が、チラチラこっちを見てんな。


 なるほどなるほどぉ。

 あっちが貴種派席、こっちは平民席なのか。


 一条が日当たりのいい場所じゃなく、こっちに来たのは俺がいるからか。


「……へぇ」

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