第42話 エピローグ
あれから、なんやかんや大変だった……。
バフォメットを倒したからか、奴を殺すと同時に操られてた生徒がバタバタ倒れるわ、クレーターが見つかって先生たちに長時間説教食らうわ、そのクレーターの中から深度Ⅵの悪魔が発見されるわで、てんやわんやだった。
俺もはっきり事情がわかってないから、説明が大変だった。
ひとまず、生徒が倒れた原因は魔法痕が見つかったからほぼ解決。
バフォメットの素材も、エルドラがとどめの瞬間を撮影してくれてたおかげで、俺の所有権が確定した。
ただクレーターは俺が素材の売却益で修繕するはめに……。
あの《《クソメット》》、高く売れなかったら絶対承知しねぇ!
畠山は無事見つかった。
というか、エルドラの子機に案内されたエマと萌木が見つけてくれた。
簀巻きにされた状態で一ヶ月近くも学内の倉庫に転がされてたらしい。
ってかアイツ、入学早々捕らえられたんだな。可哀想に。
それに一ヶ月もの間、よく生きてたな。
ハンターになる人間は、それくらい基本性能が高いのか?
……いや、バフォメットに生かされてたのかもしれない。
生かす理由はとんとわからんが。
ともかく、畠山は見つかった。
ただ、奴を見たエマと萌木は、無言で扉を閉めたそうだ。
一体どういう状態になっていたのか……まあ、本人の名誉のためにも忘れることにしよう。さすがに可哀想だ。
誰だって、トイレは一ヶ月も我慢出来ないよな……。
それから一週間たって事件も落ち着きを見せ始めた頃、俺のもとに一条が来た。
「白河くん、いろいろとすまなかった!」
初手DOGEZA!
俺以外がやってるところ、初めてみたわ。
これ、やられると思いのほか引くのな。
今度から気をつけよう……。
一条から正式に謝罪を受けて、さらに手土産まで持ってきた。
手土産――新しいクランハウスだ!
当然ながらタダじゃない。
お金はかかるが、敷地の外をうろつくことも難しいくらいセキュリティが高くて、稽古が出来る倉庫があって、来客用の応接間に、広いリビングに食道、三十人ぐらい寝泊まり出来る部屋がある。
大浴場は総大理石で男女別。シャワールームも完備――って、なんだよこの豪邸は!
もうほぼお城じゃん!
「実はここ、僕が父上から入学祝いに貰ったんだ」
「…………は?」
ハイクランのマスターの息子って、入学祝いにお城が貰えるの?
金持ち怖っ!
「こんな屋敷、タダで使っていいのか?」
「ははは。いいよって言いたいところだけど、さすがに結構維持費がかかるからね」
固定資産税とか、清掃とか、修繕とか。
「せめて、その代金は欲しいかな」
「いいけど、いくらなんだ?」
「まだ今年度分は払ってないけど、大体これくらいだね」
「おっふ……」
さすがお城。
維持費がパネェ。
てか、一条のやつこれを自分の懐から出すつもりだったのか?
お小遣いいくら貰ってんだよ!?
庶民と金持ちの格差が恨めしい。
維持費はかなり痛いが、ここなら下手なクランじゃ手は出せないだろう。
まあ、固定費については俺たちがしっかり稼げばいいだけだ。
土下座と手土産に併せて、一条が俺のクランへの入団を希望した。
レオンと同じで【払暁の光剣】関係者。
特にこいつはマスターの息子だし、Cチームで動いていた経験もあるんだが。
「俺のクランに入っていいのか?」
「大丈夫。父上からは無期限で謹慎させられてるし、【払暁の光剣】には正式に入団しているわけじゃない」
「Cチームにいたのは?」
「あれは仮だね」
「なら、大丈夫か」
大丈夫、だよな?
「なにかあったらお前が対処しろよ?」
「もちろん、きちんと対応しよう」
「よし。じゃあ入団を許可する。後で契約書にサインしてくれ」
「承知した」
こうして一条も、俺のクランに入団が決定した。
これだけ最強キャラが揃ってくると、今後が楽しみだな。
「はやいとこ、クランメンバーで深淵に挑みたいな」
「道のりはまだまだ長いね」
「なんでだよ。頑張ればすぐだろ?」
「えっ、白河くん、もしかして知らないのかい?」
一条が驚いたように目を開いた。
「今のままじゃ、深淵への攻略許可は下りないよ」
「……どういうことなんだ?」
以上で1章終了です。
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