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215  作者: Nora_
10/10

10

「紫月っ、んー!」

「はい」

「熱い! 私が求めているのは芋じゃないよ!」


 そう言われても食事中ならこれぐらいしか思い浮かばない。

 というか、両親がいないときの食事中は毎回どうしてハイテンションなのだろうか?


「なにを求めている?」

「ちゅーだよちゅー!」

「食事中」

「がつがつがつがつ……っとお! はいごちそうさま! 終わったよ!」

「少しは落ち着いて」


 今日も部活が終わるのを待って先程帰ってきたばかりなのに忙しすぎる、お風呂なんかにも入ってさあ後は寝るだけというところで盛り上がるのならともかくいまは違う。

 期待しているのかどうかは分からないけどじっと見られていても変えたりはしなかった、洗い物をして洗面所に移動する。


「私も入る」

「うん、一緒に入ろ」


 好きになってもそういうことをしたい気持ちにならないのはこういうところからきていると思う。


「ふぅ、少し落ち着いたよ――って、流されないよ」

「そんなにしたいもの?」

「したい、だって押切さんと仲良しだからさー」

「じゃあお風呂から出たら」

「え、い、いまにしようよ、それだと緊張しちゃう」


 でも、別に嫌だというわけではないからそのまましてしまうことにした。

 あ、う、えと言葉を漏らして混乱していそうな姉は放っておいてお風呂場から出る、季節的に長く入るような必要もないからだ。


「ふぁぁ……戻って寝よ」


 やることがなくて寝て過ごしていたのも影響していた、今度はなにか時間をつぶせる物を持って行こうと決める。


「紫月っ」

「おかえり、今日も一緒に寝よ」

「それは寝るけどさぁ……」

「はい、ここに寝転んで」

「う、わ、分かったよ」


 早めに寝て途中で起きてしまったらそのまま起きていよう、もしかしたら夜更かしをした父か母のどちらかと話せるかもしれないからそれがいい。

 結局、直前までは大盛り上がりでも五月は部活をやっていたことで疲れているから長く起きていることはできないのも影響している。


「ねえ紫月、部活が終わるのを待つのは辛くない?」

「ちょっと暇かも」


 教室で待っているから濡れたりしないのはいいけど仮に課題なんかがあってもすぐに終わるから困る、いまからテストに備えてお勉強というのも多分捗らない。

 でも、奏に付き合ってもらうのも違うから一人で頑張っているという状態だった。


「うーん……だけど紫月と一緒に帰ることができるのが嬉しいからやめてほしくないなぁ」

「続ける、私も五月といたい」

「そ、そっか」

「うん」

「紫月、ありがとう」


 こくりと頷いてそのまま胸に顔を埋めた。

 そうしたらなにか勘違いをした姉が「絶対に痩せるからね!」と盛り上がり始めたからこのままでいいと再度言っておいた。

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