第22話 暗殺劇
俺と使い魔3人娘はすぐに執務室にむかった。
侍従や侍女たちが、まとめた報告書があり、それらを読みふける。
「おいおい、嘘だろ……」
俺は絶句した。
俺の二人の兄、つまり、第一王エダードと、第二王子オスカーが死亡した理由は同士討ちだった。
経緯を要約すると、俺がいない間に、父王パウルは病に伏せるようになった。
まだ王位継承者が正式に決定されていなかった為、父王パウルが病没した場合、第一王子エダードと第二王子オスカーのどちらかが王位を継ぐことになる。
そして、暗闘が始まった。
第一王子エダードと第二王子オスカーが玉座を巡って闘争を開始したのだ。
両王子が選択したのは、互いの暗殺だった。
その選択は合理的である。
軍を率いて内戦を繰り広げるよりも、暗殺の方がコストが安く済む。
王族同士の暗殺劇など珍しくもない。
第一王子エダードも、第二王子オスカーも大量の暗殺者を雇って、暗殺合戦を開始した。
そして、第一王子エダードは暗殺者に毒殺された。
エダードが暗殺された三日後、第二王子オスカーは、寝室で暗殺者に短剣で喉を切られて暗殺された。
どちらも、暗殺者に殺されてしまったのだ。
「なんて馬鹿馬鹿しい……」
俺は椅子の背にもたれて溜息をついた。
喜劇のような暗殺劇に、言い様のない虚しさが心をかすめる。
互いが暗殺者を雇って、同士討ちのように暗殺されてしまった。
仲の良い兄弟ではなかったが、血の繋がった実兄二人の死はやはりショックだ。
俺は瞳を閉じて、第一王子エダードと第二王子オスカーの冥福を祈った。
使い魔3人娘も、俺にならい冥福を祈ってくれた。