表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/25

第21話 一大事

 1ヶ月後。


 人類と魔王国の相互不可侵条約と通商条約が締結された。


 人類側の代表は、アガレス王国の第三王子シオン。


 魔王国側の代表は、魔王ジークリンデ。


 シオンとジークリンデは、エルドラス領にある宮殿で、条約にサインをし、握手を交わした。


 魔王国は、シオンによって強硬派が全滅させられており、残ったのは穏健派の魔族と魔物だけであった為に、平和条約の締結はスムーズに行われた。


 元々、穏健派の魔族と魔物は、人間との共存共栄と経済圏の融合を望んでいたので、魔王ジークリンデとシオンの平和条約締結は喝采を浴びた。


 人類の国家群も、魔王国との平和条約締結を喝采して受け止めた。


 魔王国との防衛にさく予算が浮く上に、魔王国との経済交流が深まれば、国家も財政的に潤う。


 数百年にわたる魔王国との戦争状態を終わらせた英雄として、アガレス王国の第三王子シオンの名声は人類全体に鳴り響いた。

  










「ご主人様は世界中から褒められているにゃ~」


 ルーナが、俺を膝枕しながら言う。

 俺は今日も自領のエルドラスの宮殿で、使い魔の美少女三人とベッドの上でゴロゴロしていた。


「特に褒められても嬉しくない」


 俺は、膝枕してもらっているルーナの太ももに頭を擦りつけた。


「捻くれてますわねぇ。称賛は素直に受け止めればよろしいですのに」


 ミスラが、シオンの足をマッサージしながら言う。


「前世では称賛が、非難に変わる様を沢山体験した。世間の評価なんて幻想みたいなものさ」


 俺は欠伸をした。


「確かにそうかも知れません。さすが、ご主人様です」


 ベルダンディが、真面目な顔で頷く。


「ん? なんか慌ただしい声が聞こえるにゃ」


 ルーナが、猫耳を立てた。

 直後、慌ただしい声と足音が扉の奥から響いた。


「シオン殿下! 大変です!」


 いきなり扉を開けて侍女が部屋に入り込む。


 ノックもしないとは余程の緊急事態のようだ。


「何事だ?」


「一大事です! だ、第一王子エダード殿下と第二王子オスカー殿下が死去されました!」


 侍女の言葉に、俺は目を見開いて起き上がる。


 使い魔の三人娘も驚いて目を見張った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ