目的にたどり着く為の遠回り
色々な想い、意見が読めるエッセイ。
自分で書いている物だけじゃなく、知識を吸収するという意味でも読み回ってみると意外な発見が有ったり、同じ意見や思想などに共感したり、着眼点の面白さに驚愕したりと、楽しませていただけます。
創作に疲れた脳に、ひと時の休息を与えたいときや、行き詰った時に良く読みに回ったりするのが、わたしの楽しみでもあります。
本日のエッセイのテーマは『目的にたどり着く為の遠回り』という、わたしの創作しているモノについてのものですね。お時間がございましたらお付き合いいただけると嬉しいです。
私が作品を書いている時に、いつも気を付けている事……というか、考えなおしながらしている事と表現した方が良いかもしれない事がありまして、それがこのエッセイのテーマにしている事です。
以前にも少しお話をしたかと思いますが、わたしの創作方法は映像を見ているような感覚で、その映像の中身を書き落とす……と言うような手法を取っています。
この手法を使うと、どうしても『先』の事まで知ってしまうので、ストーリー的に着地点まで書けるのですが、それだと本当に中身は薄いものになってしまう。表現の仕方が合っているかは分かりませんが、直線的な話になってしまうんですよね。
ストーリーの進行テンポを考えるのであれば、全然それでもかまわないのでしょうけれど、私の考え方と作風的にそれでは表せないものが出て来てしまう。
その事を解消するために、わざと……といういい方はちょっと違うのですけど、ストーリー的な最終着地点までの道のりを少しだけずらしながら、執筆するようにしています。
そんな事を言われてもピンとこないかと思いますので、簡単な例え話をしますと――。
事例発生→原因究明パート→ストーリーの核パート→最終着地点→物語ラスト
というのが元々のストーリーの流だったとすると。
事例発生→日常パート→原因究明パート→日常パート→核に迫るパート→ストーリーの核パート→最終着地点→物語ラスト
このように、少しだけですがサイドストーリー的な内容を盛り込んでいっています。
それは会話文であったり、登場人物達の言動であったり、又はサブキャラを登場させることで、ストーリーの幅を出したり。
色々な事を織り交ぜながら、私の掲載している作品は進行しています。その為、初めに想像していたストーリーが5000字で約5~8ページ分のものであったものが、実際に掲載に至るときには、10~20ページのストーリーになっていたりします。
早く進めようとするのであれば、そのままのものを出せばいいので簡単です。ただ、私は出来る限りではありますが、登場人物の心理描写なり、伏線なり、その時の状況なりをより細かにしていきたいという考えを持っていまして、作品の流れ――構成と言っていいのか分かりませんが――を直線的に書いてしまうという事に、抵抗が出て来てしまっているのです。
以前は毎日更新を心がけて掲載していたことが有りましたが、その時はテンポ重視でストーリーには厚みが無かった。そのことを反省したという事もあって、現在は連載スピードをさげ、その下げて出来た時間でストーリーに厚みや、幅、膨らみを持たせることを意識しながら執筆しています。
時には読んでいる中で、先に『展開』が読めてしまう場合があると思いますが、その時は『回りくどい』『長い』『展開が遅い』などの感想・印象を持たれる事もあるでしょう。
それでも、この執筆のやり方は変わらない……いや、変えない様にはしていきたいですね。
文字数稼ぎか? と問われると……。う~ん……どうなんでしょうか? (^▽^;)
私的にはそのストーリーには必要なシーンとして、『寄り道』しているので、まったくその考え方は無いのですが、そう捉えられても仕方ないところではありますね。
直線的なストーリーでは、どうしても伝えきれないところが出て来てしまう。それならばいっそちょっとした遠回りになっても、出来る限りの描写を入れて読んでいる方に想像を膨らませて頂こう。わかりやすくしていこうというのが、私の考えであり、掲載されている作品がそれを踏まえて執筆したモノという事ですね。
以前連載していたモノは、今読み返してもかなり内容が薄いものが多いです。それでも当時は多くの方に読んで頂いてました。温かいお言葉を頂戴いていたものですが、今になって読み返すと拙い部分がわかってしまう。説明不足で有ったり表現・描写不足が多々見られる。その為テンポは良いけど、分かりづらい。
今も、それら全てにおいて改善・解消できているのかと言われると、出来てはいないと正直に言っておきます。
そんな思いが積もり、『目的にたどり着く為の遠回り』という、私の執筆思考・執筆スタイルにたどり着いたわけです。
人により変わる作風と内容。
その中には色々な想いが詰め込まれ、ストーリーが展開し物語となって創作されています。
私もまだまだ摸索中の一人です。読んで頂ける作品、面白いと思っていただける作品を心がけて、これからも執筆は続けていくでしょう。
一人でも読者がいてくださる限りは……。
今回のエッセイはこの辺りで締めたいと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました。