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頼庵流創作の思考回路 ~エッセイ集~  作者: 藤谷 K介(武 頼庵)
10/29

ただの登場人物の一人にならないために


 久しぶりに書こうと思ったというか、このところ少し執筆から遠ざかってましたので、ようやく訪れた『日常』というか……。


 そんな時間の中で考えた事が今回のテーマです。


 物語の中で重要になってくるのは、勿論ストーリーですけど、そのストーリーを走らせてくれるのはやはり中で色々な言動をしてくれる登場人物達でしょうかね。


 今回のエッセイはそんな登場人物達に焦点を当てて書いてみます。


 自分が描く物語の中では、やはり主人公をメインに組み立てていく事になります。実は私の執筆している作品全体に言えることになると思うのですけど、この主人公が『主人公然』としていない――という作品が非常に多いです。


 時に主人公は『ヒーロー』とか呼ばれますけど、私の作品では主人公=ヒーローでは無かったりします。

 どこか弱いところが有ったり、少し背景が暗かったり、その生い立ちや登場の仕方は色々ありますが、主人公だからこそ、強く誰からも尊敬され畏怖されて、弱いものを助け悪を倒す。なんてことをする主人公はほとんど出てきません。


 もちろん私も男子たるものなので、そういう事に憧れる『ヒーローシンドローム』的な物がない訳ではないんですけど、そういう役割を持って登場することはほぼ無いかな……。


 そしてヒーローがいればヒロインもいるわけですけど、このヒロインもただただ助けられるだけの登場ではない。

 

 時に弱く、時に気高く、でも芯が有ったり、自分を持っていて流される事は無い。そんな子達が多い気がしますね。


 というのも、私が描く物語では、このヒーローとヒロインは対極にある存在ではなく、対等であるべきという思いもあるからなのです。


 登場してきただけで「あ、この子がヒロインかな?」と読んでいくうえで分かるのはもちろん必要なのでしょうけど、それ以外に出てくる人物達も必要にかられて出てくるわけで……。


 中には話をつなげる為だけに出てくる方もいるには居ますが、出来る限りその『人』を表したいなとは思っています。


 

 たとえそういう役割で出て来た人物であっても、実は裏では細かい設定(例えば容姿の設定や性格など)をしっかりと考えていたりします。


 実例を上げると、以前からメインにしていた連載作品(元の代表作ですね)に出てくる、ちょっとしたワンシーンで登場したおじいさん。


 そのお爺さんはとある事件が有った場所の近くに住んでいるという設定で、主人公たちが話を聞きに伺うという場面で登場しますが、この時のセリフなどを考える時に、出身地や歳の頃、そして容姿等も考えてそれらしい振る舞いや言動をしてもらってます。


 連載物を執筆している時は、シーンごとというかお話毎に登場人物は整理しているので、本当にワンシーンにしか出てこない人達にも、ただ出てくるだけの役割にはさせたくないんですよね。


 それが読んで頂いた皆様に届くかどうかは別にして……。


 しかし、短編の中ではどうか? できているとも言えますし、出来ていないとも言えます。読んで頂いた方々からの感想などで指摘されたりすることもありますので、自分の実力はまだまだだなと感じる事が多くあるのが現状。


 確かにヒーローやヒロインなどの登場する頻度にすれば、ほんのワンシーン分にしか過ぎないのですけど、それでもやっぱり『ただ出てくるだけ』にはしたくないという思いが大きいですね。



 この重いが活かせているかは何とも言えないところですけど。



 それと最近というか、以前からも感想欄などで書かれることが多いのですが、『ヒロイン』や『女性陣』『女の子達』がしっかりと自立しているような感じがかかれている。とか、ヒロインが只のヒロインじゃなく、『強さ』を持っている。 などなどいろいろと書いていただいています。


 これも私の中にある、『ただの登場人物の一人にならないために』という思いから来るものなのでしょうかね。


 ヒロイン=守ってあげたい象徴とか、女性=弱いとかいうモノがどうもうまく書けない。いやかけるかもしれないですけど、ただそれだけで本当にいいのかな? なんて思ったりしちゃうんですよ。


 だから執筆した作品では()()()()登場人物として出てくる事の方が少ないですね。


 特に恋愛物などを執筆すると顕著になっているかと思います。



 とまぁ、今回のお話しはストーリーに登場させる人物達にも、勿論役割はある物でしょうけど、それだけじゃなくしっかりと『登場人物の一人』として考えながら執筆してます。というお話でした。



 お付き合いありがとうございます。


お読み頂いた皆様に感謝を!!

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