ああ、どうせ。完結した話ほどつまらない。
この悪い手が。
見てくださいよ、この手を。
こいつがおいたをしたんです。
私につまらん話を書かせたわけです。
目は先にいきます。
宙をみます。
膨らむその世界で生きる子たちはなんとも息をしていて。
輝いて。
釣られてこいつが動くわけですが。
はじめはいいのですよ。
色付いた世界を騙し騙し描くわけです。
まだこいつがまともに動いていたうちの話はなんだかんだで惹かれるのです。
だけれども。
終わりを、早く終わりをと急いた瞬間に、こいつはどうにもこうにもガラクタになるわけです。
なんででしょうかね。
目はすでに終わりを捉え儚い色を映し。
鼻は空の世界であるのに匂いを幻覚し。
胸ははち切れんばかりに切がっているというのに。
どうしてこの手は悪さをするのか。
どうして終わろうとする話をつまらなくしてしまうのか。
どうして毎度陳腐な落ちを好んでしまうのか。
けれどね。私はね。
いくら不恰好であっても必死になって作り上げたんだなぁと思うと。
どうにもこいつが愛しくて仕方ないのです。