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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

正夢

作者: しお

注意!投稿主の偏見などがあるかも知れません。

書きたいことをただただ書いた感じなので意味不明な部分があるも思いますのでそこも注意していただければと思います。

軽い気持ちで投稿しているので、軽い気持ちで読んで下さい。

僕は、たまにリアルな夢を見る体質である。

その夢は、とても現実味があって、明晰夢と言うやつだろう。夢の中で身体を自由に動かすことができる。

そして、その夢は全て、正夢になる。

このことに気がついたのは、小学生の時だったかなーー

 ーーー

「起きなさい、ハルト。」姉の声が聞こえて目を覚ます。

「ん、おはよ、お姉ちゃん。」僕には少し歳の離れた中学生の姉がいる。

「ほら、早くご飯食べないと遅刻するよ。」

「何時?」

「七時。」

「遅刻する!」

「だから言ったでしょ?早く食べて来なさい。」

「うん!」

 ーーー

朝食はご飯、目玉焼き、サラダ、味噌汁。急いで食べたからか、味がしなかった。

 ーーー

「忘れ物は...ない。行ってきます!」そう言って玄関を飛び出す。

「行ってきまーす。」僕に続いて姉も出てくる。

「いってらっしゃい。」母のその言葉を背に受けながら、登校を始める。

「中学校と小学校がすぐ近くで良かったね。」そんな姉の言葉に僕は頷く。姉の言う通り、この町の小学校と中学校は歩いて五分くらいで着く距離だ。

「青になったよ、ほら、渡るよ。」信号が青に変わり、姉が歩き出す。それについて行くように、道路へ出る直前、「危ない!」という声が聞こえ、僕と姉は止まってこえのした後ろ側を見る。

直後、バンッと、あるいは、ドンッだったか、そんな音が後ろから聞こえる。

嫌な予感がして、ゆっくりと、振り返る。

姉がいたはずの場所には少し大きめの車があった。

「お姉...ちゃん?」その車のさらに先、そこに、女の人が倒れていて、それでーー

「キャーッ」と、少し遅れて、悲鳴が聞こえる。

「ーーー!」「ーー!?」周囲の人が何かを言っているが、何も聞こえない。僕はゆっくりと、倒れている女の人に近づく。

「お姉ちゃん?お姉ちゃん、お姉ちゃん!」その姿を見て、僕は理解した。

ーー死んだ。手足はあり得ない方向へと曲がり、いつの間にか、大量の赤い液体が姉の身体を中心にじわじわと広がり出す。

 ...............

「お姉ちゃん!」ベットで、目を覚ました。

「夢...?でも、あれはーー」

「起きなさい、ハルト。って、起きてる。」姉の声が聞こえる。

「あ、お、おはよ、お姉ちゃん。」姉の無事を確認して、ほっと胸を撫で下ろす。

「ほら、早くご飯食べないと遅刻するよ。」

「何時?」

「七時。」同じだ。

「わかった。」

「そうそう。早く食べて来なさい。」

「うん...。」

 ーーー

朝食はご飯、目玉焼き、サラダ、味噌汁。夢と同じだ。あんな夢を見たせいか、味がしなかった。

 ーーー

「忘れ物は...ない。行ってきます。」そう言って玄関からでる。

「行ってきまーす。」僕に続いて姉も出てくる。

「いってらっしゃい。」母のその言葉を背に受けながら、登校を始める。

「中学校と小学校がすぐ近くで良かったね。」そんな姉の言葉に僕は頷く余裕はなかった。

...この後はーー

「青になったよ、ほら、渡るよ。」信号が青に変わり、姉が歩き出す。

「待ってお姉ちゃん!」そう言って姉の手を掴み、こちら側へ引っ張る。...が、所詮は小学生の力。中学生の姉を引っ張るには力不足で、僕の体は姉と入れ替わりに道路へ飛び出す。「危ない!」という声が聞こえた。

直後、バンッと、あるいは、ドンッだったか、そんな音が聞こえたと思えば、僕の身体は強い衝撃を受け、何かに叩きつけられたような衝撃がもう一度僕の身体を襲う。

「ハル...ト?...ハルト!?」そんな声が、妙に耳に残った。

「キャーッ」と、少し遅れて、悲鳴が聞こえる。

「ーーー!」「ーー!?」周囲の人が何かを言っているが、何も聞こえない。

「ハルト?...ハル...ハルト!」僕の身体がゆすられる。

「...痛、いよ。おね、ちゃん。」

「ハ、ハルト?生きてる!きゅ、救急車!誰か!誰か助けて!死んじゃう!ハルトが死んじゃう!」寒い。身体がどんどん冷えていく。

「おね、ちゃーー」

「何?何、ハルト?お姉ちゃんここに居るよ?大丈夫。すぐに、救急車が来るからね。」

「ーーー。」

「...ハル、ト?」暗くて、眠たくて、ふと、目を閉じた。

 ーーー

そして、僕は目を覚ます。

夢、ではない。ピッピッ...という音が一定間隔で聞こえてくる。身体がうまく動かせない。精一杯目を左右に動かすと、点滴らしき物に加えて、よくわからない機械が目に入る。

病院?それが僕の最初の思考だった。

カラカラと軽く扉が開き、看護師さんと思われる女性が室内に入ってくる。

「...。ぁ...!」僕と目が合うとそう軽く声を発して目を見開く。

「田中さん、目が覚めました!」と、叫びながら部屋から出て行く。僕は車にひかれて、それから、ここに運ばれたのだろうか?この時の僕は小学生とは思えないほど冴えていた。

数分後、父、母、姉がドタバタと室内に入ってきた。いわく、三週間程度眠っていたという。少しは話せるようになっていたので、軽く話をした後、父と母は帰っていった。

残った姉は俯き、何も話さないので、室内はしんと静まり返っている。

その後、何かを決したように、姉は口を開く。

「...あの、さ...その、な、何で、私を...庇ったり、したの...?」

「何で、って...お姉ちゃんが、好きだから。死んで欲しく、なかったから。...だと、思う。」

「...っ!...わた、私だって!ハルトが死んじゃつたら、嫌だよ!」そう言って、僕の横になったベットの端で姉は泣きじゃくった。

 ーーー

数ヶ月後、僕が退院してから姉は少しだけ変わった。

ことあるごとに僕のところへ来ては、勉強は出来ているか、友人関係は守れているか、いじめられてはいないか、など、ちょくちょくと聞いてくるようになった。

 ーーー

そして数年後、現在。あれから、何度も正夢は見る。でも、それは、悪いものばかりではなくて、今日も、夢を見た。

とても嬉しいはずなのに、とてもーー

ーーとても悲しい夢を、見た。

ご閲覧ありがとうございました。

書いてる途中に気が付いたんですがハルトくんの思考能力は絶対小学生じゃないですよね。ま、ゴリ押したんですけど。

これからもちょくちょく投稿していくと思うので機会があればぜひよろしくお願いします。

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