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おとぎ話の世界
ねぇ、知ってる?
実は今いるこの世界が2つに別れているってこと
その世界ではカラスは白くて向日葵が冬に咲くんだって
これは、2つの世界を架けるとある少年少女の物語
秋も深まる11月の中旬
私―瀧川葉月はバイトに向かうべく大通り歩いていた
左右に立ち並ぶ店のモニュメントも季節に合わせて落ち葉や栗と言った秋感満載なものとなっていた
だが秋の余韻を感じている余裕なんて私には残されていない
「寒い寒い、なにこれ寒い...←」
兎に角寒い、寒すぎて寒すぎて指の先が氷になったんじゃないかと思うほどに寒い
なにこれ、絶対秋じゃないでしよこれ
秋飛び越えて冬来たんじゃない!?
季節にそんなスキップ能力なんかあったの!?聞いてないわ!
そんな支離滅裂なことを考ながらバイト先の飲食店へ向かった