バルトニア王国の再興へ
バスティーユ城を一部解放して、そこに収められた書物を読むことができるようになった。
他にも日用品の類が回収できるようになり、村の生活へと還元出来ている。
ルフィアはバスティーユと村を往復しながら、知識を伝えるのに努めてくれていた。
バスティーユ城内の魔導炉やゴーレムの製造ラインは、防衛用のゴーレムが多数配備されている事もあり、残りの攻略は先送りにする。
「ほう、これが!」
「初歩が書かれているから、〈魔導技師〉のスキルが使えるようになるか、確認してみてくれ」
「おう、任せとけ」
マサムネにルフィアが書写してくれた技術書を渡す。
マサムネの方も魔鉱石のビジネスが軌道に乗って、かなりの収益と名声が集まっているようだ。
魔鉱石の代金にかなり色を付けてくれている。
「魔鉱石を使ってるとな、もう1段階上が狙えそうなんだよ」
「ん?」
「属性武器ってやつだよ。鉱石に含まれる魔力、それを戦闘で引き出してやれば炎を纏わせたり、カマイタチを出したりできそうだ」
「へぇ」
「その為に刀身に呪紋だっけか、それを刻む必要がありそうでな」
「なるほど、それで〈魔導技師〉か」
「ああ、これができれば更に稼げるぜ」
「ほどほどにな」
プレイヤーの中で目立ちすぎると、妬みの対象になりかねない。人間、負のエネルギーの方が強かったりするし、侮れないものがある。
「また出たってよ、PKが」
マルセンの街を歩いていると、そんな話が入ってくる。ポタミナの掲示板などでも話題に上り始めているのは、魔族のテリトリーでプレイヤーを襲うプレイヤーが確認されたという話だ。
魔族のテリトリーに入れる高位のプレイヤーの集団に対して、魔族達と共に襲いかかってくるらしい。
俺自身、〈悪魔使い〉のスキルを持っているし、魔族サイドで戦うプレイヤーもいるのかもしれないな。
ブリーエ城の一件から、ケイトからの連絡はない。リアルではデートを重ねたり、普通に付き合いが始まっているだけに、ゲーム内で付き合いがないのは少し違和感はある。
ただ彼女自身も結構なゲーマーなので、自分でゲームを楽しんでいるかもしれない。
リアルから様子を聞くことが出来ないのがネックだった。
そしてリオンも村から飛び出したままだ。アリスもそれを追ってくれている。彼女からの連絡では、リオンの修行に付き合っているという事だが、どうなっているのか。
俺にやられたのが、かなり堪えたのは確からしいので、心配にはなっている。
思い込むと突っ走るタイプだから、変な方に踏み外さないといいんだが。
「アトリー、準備は終わったかや?」
「ああ、一通り話はつけてきた」
村の運営は、ルフィアを筆頭にシナリ、警備隊のコルボやシルビア、農民代表のグラフ、裁縫を取り仕切るカミュやリーナ。
それぞれにちゃんと動いてくれている。
隠れ村から連れてきた女性陣も、バルトニアの人々と馴染みはじめていた。
鉱山で働く野盗達も目立った動きはなく、業務に従事しているらしい。
バルトニア再興に向けた準備が一段落を迎え、俺はルーファと約束していた旅行に出かける事にした。
俺が今までに訪れたのは、大陸の西側だけ。ここから山脈の北側を通って東へ向かうとエルフの国があるという。
荒廃したバルインヌ地方と違って、緑に囲まれた森林地帯とのこと。
行楽に向かうには良さそうだと思う。
「それじゃ、行こうか」
「うむ、はねむーんじゃ」
「何処でそんな言葉を……」
そもそも式をあげてもいない。それもちゃんと考えないとな。
俺とルーファは、東へ向けて旅を開始した。
色々と考えた結果、継続して執筆をするのが難しいので、いったん終わらせる事にいたします。




