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魔力ゼロの最強魔戦士  作者: 海影
一部 まずは地盤固めかな
9/64

9 地盤固めに励みましょう

「戻られましたか……」


 ドアから出ると、神官長に父上が待ってた。


「はい。こちらが神の神託という名の、土地改造計画のメモです」

「はい⁉」

「……どういうことだ?」

「つまり、ここにいる神様というのは、大地の保護を役目としているんです。ただ、大まかには守護とか出来ても、細かいところは人の手が必要なんだそうです。例えば、氾濫が起こりそうな河に堤防を作ったり、ですね。これを聞いてくるのが、巫の役目だそうですよ。緊急時には、呼び出すとも言ってました」


 なんか魔力波の検出をして、俺の特定が出来たから、次からは必要に応じて俺を念話で呼ぶってさ。


「そうか。ではこれは王にお渡ししておこう……いや、お前が直接渡した方がいいか……」

「……ですね」


 さもないと、絶対にあの人拗ねる。


「……あの」

「はい?」

「次回からは、ゼオ様が行われることになります神事についてご説明致します」


 ……ソンナモノモアッタノネ。


「わかりました。そちらはまた日を改めて」

「はい、お待ちしております」


 深々とあたまを下げる神官長に挨拶をして、俺と父上は神殿を出た。


「……まあ、頑張ることだ」

「シカタナイデスヨネ」


 俺はぼーよみで父上に答えたのだった……。

 ……神事とか、めんどくせー。



 それからしばらくは勉強と地盤固め(文字通り)に奔走したよ。

 勉強の内容は、国語、算数、歴史、経済、地理といったもの。国語はこの世界の言語なので、なんというか、英語を学ぶのに近い感じ? 算数はそのまま。数学まではないようです。歴史、経済もいまだ発展中みたいな感じなんだよね。なんつーか、中世から近代に変化し中? んで、地理。これがなー。


 実は、ま・な・ぶ・ま・で・も・ない!


 俺の仕事、コンピューターから、情報を聞いてそれを現実の土木に反映させるっていうのだからねー。地理および特産物、ならびにその地方特有の植生、動物、魔物等の特性、全部知ってるよ!

 あ、じつは最近使われてる地図の原本は俺が描いた。

 コンピューター……まあ、神様でいっか……から便利だから描いて欲しいって言われて、まさかフリーハンドでここまで完璧にかけちゃうとはねー。なんでも、もともとのご先祖様が、身体能力が優れてて、頭で描いたものを簡単に正確に描けちゃったりすんだとさ。描き方も前世の地図を元にしたお陰でかなり分かりやすい。グッジョブ俺!

 つーわけで、あんまし苦労もしてない。


 マナーについても同じ。身体能力の高さはここでもいかされた。


 いっちばん面倒だったのが、神事を覚えっこと。

 ああ、この世界の暦はもとの世界とほぼ同じ。違うのは月30日で12ヶ月ってとこだけ。つまり、一年は360日だな。季節も同じ。イベントもほぼ同じ。

 一月の年始、三月の仕事納めと四月の仕事始め。八月の慰霊祭、十月の収穫祭、十二月の年末。必ず行うのはこれ。その他に冠婚葬祭(伯爵以上)だそうだ。こっちを覚える方が労力をつかったよ。一年かけて、実地で覚えたけどさ。


 そうして俺たちは六歳になって、俺たちのお披露目が近づいている。

 ……これさえ終えれば、俺は、一部抜かしで自由を手に入れられるのだ!


「ああ、お披露目が終わったら、戦闘訓練が待っているからな」

「はい⁉ 父上、それは一体⁉」

「あら。あちらこちらにいる魔物は危険なのよ? だから、あるていど戦えるようにならないと、自由に城下からは出られないわよ?」


 ……言われてみれば……。


「だから、頑張って鍛えてね。アイシア姫も魔法を頑張るそうだから」

「え、なんで魔法を?」


 王族は基本的に魔法なんて使わないはず?


「みんな基本は学ぶものだろう。それに、アルフォード王子とは違い姫は魔法を使うのが仕事となられるからな」

「なんで⁉」

「強い魔力を持つものでなければ倒せない魔物を、他の誰がたおすのだ?」


 ……つまり、王族はここぞというときだけは魔力を使って魔物を倒す役割も持つんかよ。


「……わかりました。アイシアが戦わずにすむように、俺が武力を鍛えます!」

「頑張ってね!」


 ……やってやろうじゃんか!

今回で一部終了です。

あと、閑話を1話あげて、次からは二部になります。

二部からは1日1話投稿になりますので、よろしくお願いします。

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