7 魔力って何?
魔力と身分について。
……俺の決意は、1日持たんかった。
アイシアが駄々こねましたよ。王様王妃様も俺を手元で愛でたいって思っちゃったそうだよ。父上、こめかみに青筋立ってるよ⁉
というわけで、徐々にならすことになっりまっしたー。
あ、いっとくけど俺は王様王妃様をぱぱままとは呼んでないよ。駄々こねても言わないからね。
アイシアも言ってない。アルフォード兄さんが父上母上って呼んでたから、同じように呼んでる。へこんでも無駄だよ?
数日はゆっくりと勉強しながら、周りの環境に慣れることに努めた。
ああ、そういえば魔力についての説明はしてなかったかな。……スミマセン。じつはここでおしえてもらうまで、俺も知りませんでした。
アルフォード兄さんの勉強の時に、俺も一緒に学んでいるんで教えてもらえた。まあ、アイシアの兄離れの一貫だね。ああ、アルフォード兄さんを「兄さん」て呼んでるのは、本人の願いによるもの。妹はできたけど、弟もほしいからそう呼んでって言われた。……だから王様のことはぱぱとは呼ばないってば!
ゴホン。まずは魔力について。
魔力ってのは、生きているものが産み出すものらしい。それが世界に満ちることで、四季なんかの変化があるし、産み出す力が弱い赤ん坊や若木なんかの成長のためにも必要なんだそうだ。
ただ、同時に生き物は自分で産み出した魔力をあるていどは体内に留めてしまう。この量が多いと、世界に排出される魔力が減ってしまう。これを防ぐには、必要以上に魔力を使わなければいい。
溜め込まれた魔力は、性質か変わってしまって排出はできない。減らすには魔力を使うことなんだけど、使って魔力が減ると、その魔力を補充しようとする。つまり、放出する魔力の量が減るってことになる。
だからこそ、なるべく魔力を減らさないようにする地位を与えるってことなんだ。
この世界では国どうしの争いは起こり得ない。……なにしろ、島国しかないからね。それも、隣国へは船で最低一月となれば、わざわざ戦争する意味もない。交易はする価値はあってもね。
なので、魔物退治以外で魔力を使う必要もないから、お偉いさんは魔力持ちってなるわけだ。
俺? 魔力ゼロってことは、すべて放出されてるってことだよ。だからこそ巫らしいけどね。神殿で神様に会うってか、神様について教えてもらうのはしばらく後だから、その時に説明ってことで。
この後……。俺は勉強はアルフォード兄さんと、マナーなんかはアイシアと、毎日学ぶことになりました。
アイシアの兄離れは多少はできるようになって、俺は公爵家に帰れるようになりました。
ちなみに、勉強の方の先生は父上、マナーの先生は母上エルミナです。
おや? なんか間近に実の両親および義理の両親が揃っちゃってるとか……しかも全員親バカだったとは……。
「がんばれ、ゼオ」
「……ありがとー、兄さんーー」
魔力と身分についての知識は、伯爵以上の貴族と高位の神官しか知りません。