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魔力ゼロの最強魔戦士  作者: 海影
第六部 解放
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閑話 最初の記録

「せんせー! できたよー」

「お、良くできてるじゃないか」

「えへへー」

「ずるいぞー。ぼくのもみてよー」

「はい、見せてみな」


 唐突ですが、現在俺はたくさんの子供たちに囲まれております。巫の資質を持つ子供たちは、一旦アルファの寮つき学校に送られ、俺たちの指導を受けて、卒業したのちに巫となる。

 得に優秀、というか、巫としての資質が高いもの(主に精神的に)は、アルファで長となるけどね。

 というわけで、今日も今日とて、子供たちに振り回されておりました。


 あの事件のあと、世界の均衡が一度崩れたせいだと思うけど、巫の資質持ちの子供たちが多く生まれるようになった。

 つまり、育て方によっては、例のバカのような巫が増えてしまうということで、子供たちは一旦アルファで育てられるようになたわけだ。初代巫の長の故郷で、世界でも最も国力もおっきかっった訳だしね。

 もちろん、こうして集められた子供たちのなかには、巫に成りたくないって子供もいたりするけど、そういう場合はもちろん子供たちの好きにさせることができるようになってる。そんだけ、巫の資質持ちが増えてるからね。問題はないわけだ。


 初代巫の長ゼオは、特に子供たちの育成にはちからを入れていたと伝わっている。そう、『俺たち』を造ってしまうくらいに。


 俺は「ゼオ」の人格をコピーして造られたパペット。同じく、「シェラ」「アイシア」「フォード」の三人がいる。

 もともと、ゼオは教育について制度をしっかりと作ってはいた。だけど、その制度をきちんと活用できるかはまた別の話。

 制度の穴をついて、巫を自分の思い通りにしようとする人間はいつの時代にもいると考えられた。

 だからこそ、教育専門のパペットを造ることを考えたらしい。いや、普通じゃないよね。パペットを造るのはいいんだけど、自分の人格をコピーするとか……。

 どーやったのかは、さすがに誰も理解できなかったそうだし、いまだに謎とされている。ま、できちゃったし、ちゃんと動いてるからいいだろってことらしい。


 四体いるのも、相互監視の意味があるらしい。あ、それと一人より大勢の方が、精神が安定しやすいってこともあったからだそうだけど。


 そうして、『俺たち』は長い時を生きている。これからも生きていく。俺たちは「教育者」であり、「歴史の記録」でもあるから。

 強力な魔石を核とし、劣化をなくすための魔法を常時展開しているため、俺たちが壊れる可能性は低い。まあ、高度すぎるため、研究者たちは空いてる時間に検査に来てたりするけどね。

 まあ、生きた歴史書でもある俺たちをどうこうする権力者はいないけどね。




 巫の子供たちを育てながら、歴史を傍観し続ける俺たち。仕事がなくて休眠しているときには、必ず視る夢がある。



 はじめて起動した時のこと。

 目の前の初老の男が声をかけてくれた時のことを。


「おはよう。これから、君たちに名前と役目をあげるよ。

 だから、子供たちを護ってあげて。

 世界を見守ってあげて。

 そして、君たちも幸せになっておくれ……」

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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