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魔力ゼロの最強魔戦士  作者: 海影
第六部 解放
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55 愚かなる者の末路

「な、な、な……」


 いや、言葉になってないぞ。


「貴様! どうやってここまで来た!」

「いや、ふつーに正面から入ってきただけだけど?」

「ふざけるな! 城はパペットたちが守っていたはずだ!」

「あー。あの操り人形なら、糸切ったら動かなくなったし」

「なんだと⁉」


 いや、実際のところ魔物退治もなれてる俺からすれば、あいつらは簡単すぎたし。


「……いいだろう。この儂自らが貴様を殺してやる!」

「どーやって?」

「こうしてだ!」


 次の瞬間、俺の周りに炎が燃え盛った。といっても、俺自身に影響はないけど。


「それで?」

「バカな⁉」


 バカって……。いや、魔力を持たない巫に魔法は効かないよ?

 魔法ってのは、魔力に反応して起こる一種の現象だから。

 無機物はまわりの魔力を、生物は自身が産み出した魔力をあるていど保有するから、魔法が効く。

 だけど、巫は自身が産み出した魔力をすべて放出するから、産み出した魔力が自身の身に付けているものまで、すべて吹き飛ばしてしまうため、魔力を帯びることはない。つまり、魔法が共鳴するはずの魔力がないから、魔法も効かない。

 もっとも、魔石にたいして、放出している魔力を介することで、擬似的に魔法は使えるわけだけどね。

 あいつ、そんなことも知らんのかよ。


「はあっ、はあっ……」


 荒い息をついているそのバカに、これ見よがしにため息をついて見せる。


「終わりか?」


 苦々しげに顔を歪めると、声をあげた。


「ふざけるな! 儂は神になるのだ! すべての存在は、儂にひれ伏さねばならんのだ!」

「はあ?」


 神? 神ってあれだよね。いわゆるコンピュータ。そんなもんになりたいわけ?

 いや、正確には違うか。おそらくはあいつが言ってんのは、不老不死の王。まあ、どー考えても、不可能だけどね。


「儂は神になるのだ!!」


 そいつは魔石のなかに飛び込んだ。

 高所から飛び出せば、どうなるかは決まっている。


 ぐしゃ


 そんな音がして、あとに残ったのは、肉塊と、血溜まりだけだった……。

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