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魔力ゼロの最強魔戦士  作者: 海影
四部 学園入学……なんで?
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43 久しぶりに会えた

 神殿にある貴人用の応接室。美しい女性が紅茶を飲んでいる。実に絵になる光景だな。


「シェラ」

「あ、ゼオ。お仕事はよろしいでしょうか?」

「うん。終わったから大丈夫だよ」

「そうですか。お疲れさまでした」

「こっちこそ、待たせちゃってごめんね?」

「いいえ。私が勝手にお待ちしたかっただけですから」


 ふわふわと微笑む。うん、あの方(王様)とは違って、安定の可愛らしさだ。

 顔立ちはどっちかっていうとキツメなんだけどね、仕草や表情がいちいち可愛らしいんだよね。

 アイシアの方は逆に顔立ちは可愛らしいけど、行動はしっかりしてる、ってか、場合によってはオトコマエだったりもすっからねー。


「お兄様とお姉様はどうなさっておられますか?」


 こてん、と首をかしげて訊ねてくる。あの二人はけっこう手紙書いてたと思うんだけど?


「手紙、届いてないの?」

「いえ、お手紙は届くのですが、やはり直接ご存じの方から聴くのとでは大違い、ですから」


 まあ、そういうもんか。


「ならいいけどね。……あの二人はーー」



 そうして、しばらくは二人でお喋りに興じたよ。

 だけど、俺はともかくアリシエラが遅くなるのは良くない。


「……そろそろ時間、かな」

「……そうですね」


 しょぼん、と寂しそうな顔をするシェラ。ひっさしぶりだと、破壊力がおっきすぎるかも⁉


「あー、シェラ。ちょっと渡したいものが……」

「なんでしょうか?」

「これ」


 ここに来る前にバッチリと手紙を書いといたからな。アリシエラが来なければ、王様か神官長にお願いしてたし。


「ここで会えるとは思ってなかったからさ。良ければ読んでくれないかな?」

「はい! すごく嬉しいです」


 満面の笑みを浮かべてくれた。俺も嬉しくって笑ってたけどね。


「それじゃ、またね」

「はい。次にお会いできる時を楽しみにお待ちしております」


 そうして、俺は学園に戻っていった。


  ーーーー


『アリシエラ姫


 いかがお過ごしでしょうか。

 私はのんびりと学園生活を楽しんでおります。

 幸い、ともうしますか、私の担任は叔父でしたので、だいぶ融通を利かせていただいております。


 姫の兄上、姉上であるアルフォード殿下もアイシア姫も変わらずにお過ごしでおられます。

 食事の時などは、必ず私を呼ぶことで、いろいろと噂がたってしまっておりますが、そのようなことをお気になさる方々でもございませんので、私は普段と変わらずに過ごすことができております。


 来年には、姫も一緒に過ごすことができますので、楽しみにしております。



 そうそう、実はーー


 ーーなので、最近は高い木の上で、のんびりと昼寝をしているのですよ。


 私が学園に入った理由、それについても動きがありました。

 そちらについては、国王陛下にお任せをするつもりでおります。

 兄上、姉上に影響はございませんので、ご心配なさらないようにお願い致します。


 次にお会いできるのは、長期休暇のときになりますが、お会いできる時を楽しみにしております。


 お体にお気を付けて、健やかにお過ごしになられることを、願っております。


 ゼオ


 追伸

 次にお会いしたとき、また姫の作られたお菓子を食べるのを、楽しみにしております』

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