41 報告会
「……なるほどね」
「あきれるしかありませんわ」
俺と先生の報告を聞いた二人の感想はそれだった。
だよね。この世界では魔力主義、実力主義が主なんだから、こういう考え方は普通はしない。つまり。
「こいつらの実家については報告しておく。おそらくは貴族から一般階級へと降格になるだろうな」
子供の実際の魔力にあった身分まで、親も一緒に降りろってことだね。まあ、妥当かな? 能力があれば政治に関われるのは変わんないし。
「まあ、政治に関わることはないだろうな。親の方もそういう意味では」
先生いわく、こいつらの親ってのも、家の事は全部家宰まかせ。悠々自適の隠居生活をしてるようなもんだそうな。
なので、本人達は平民におちて、家は別の人間が継ぐことになるっと。まあ、重要なのは魔力量だけだし、そういう意味では代わりなんていくらでも居る……、あ、はい。俺は代わりのいない巫だねー。
「手配は?」
「すぐに」
できる人間って、必要な会話が端的かも。ぼんやりとしてたら、お鉢がこっちにきたわ。
「ゼオ、神殿の方にも連絡を」
「外出許可はもらってるよ」
事が事だし、俺が直接神殿に向かう必要がありそうだし。
「なら、そちらは頼む」
「りょーかい」
俺が頷くと、アイシアがじーっと見てきた。
「ん? なに?」
「手紙。絶対に忘れないで下さいな」
「……ぁー、はい」
なーんか、これについてはアイシアの押しがつよいなー。