40 お昼はのんびりと
いつも通り、お昼時にはアイシアとアルフォード兄さんと三人で食べる。やっかみ? もちろんあるけど、二人の前でそんなの出すやつはいないし、俺はこういう時間以外は、姿をくらましてっからね。ちなみに主な居場所は高い木の上です。
……バカだからじゃないぞ? 人が絶対に来なくて、落ち着いて学内の探査ができるからだからな?
ゴホン。まあそういうわけで、二人との食事時は俺にとっても癒しの時で。来年はあと二人増えるしね。
「ゼオ、何かあったのですか?」
「ちょっと疲れてるみたいだね?」
……勘がいいなー。だけど、ここでする話じゃないしね。
「……それについては後で。今はのんびりさせてもらえる?」
「もちろんだよ」
「あ、ゼオ。そういえばシェラが……」
「シェラがどうかした?」
「手紙が来ないって、寂しそうにしているみたいだよ」
なんと?
「だけど、手紙の類いは、身内にしか送れないし……」
これは規則で決まってる。
「まあ、それでもね。ブレイズ宛の手紙に、シェラ宛の手紙を入れておけばいいだけだろう」
「……そういう手もあったね」
きれいさっぱりと、抜けてたわ。
「……近いうちに出しとく」
「近いうちではいけません! 今日中に必ず出して下さい!」
「はい?」
え? なんでアイシアがエキサイティングしてんの?
「い・い・で・す・ね」
「……はい」
うー。なんか兄さんもクスクス笑ってるしー、いったいなんなんだか。
「まー、それは寮に帰ってからでいいでしょ。あっと、二人とも、放課後は空くかな?」
「多少仕事はあるけれど、時間はとれるよ」
「私も、お友だちとのお約束はございますが、そちらよりも重要な案件のようですもの、日をずらしていただきますわ」
「ゴメン、頼むよ」
これについては、王家にも関係する要件だからね。放課後、先生の部屋で落ち合う約束をして、俺は二人と別れた。
はあ。午後の授業の間に、アリシエラへの手紙の内容でも考えとくか……。
……そうだよ、めんどくさい状況からの現実逃避だよ! 悪いか!




