4 引き取り先、なんで妹と一緒?
魔力による身分について。
……時は巡り、はや六月ーー。
はあ、黄昏てもしょーがないけどね。今日、俺の引き取り先がわかります。んで、やっぱりの意味は教えてもらえんかった。
口止めされてるって、なんでだ?
あ、ちなみに他の子は全員光ったそうだ。最下層程度の魔力しかない子でも、チカッとくらいは光るらしい。
んで、全く光んなかった俺はなに? ……想像はつくけど、今はおいとくべきだよね。
……まさか、殺されたりしないよね?
子供たちがぞろぞろと出ていくなか、俺と妹はじっとしていた。なんか、待ってろって言われてんだよね。なんでだ?
全員出てった後、先生に呼ばれた。
「ふたりともこちらへ」
先生についてくと、……なにあれ? 見たことないくらい立派な馬車があんだけど?
馬車のまえには、なんか偉そうな人が立ってる。
「……おふたりとも、お乗りください。ご両親のもとへお連れします」
「あう……」
「あ、はい」
よくわからず怯える妹を抱き上げて、馬車に乗っかる。
あ、唖然とされちゃった。そりゃそっか。馬車の乗り口って台置いてあっても子供にはちょっと高いし、そこを平然と子供が子供だっこして上っちゃ驚くわな。
「な、なるほど。……すぐに馬車は出しますので、そのままお待ちください」
「はーい」
ふかふかのクッションに乗っかって、隣の妹の手を握って、馬車が動き出すのを待つ。まあ、行き先は間違いなく王城だろうけど……。なんで俺も? なんか知ってるみたいだったあの人も御者台の方に乗ってて話せないし……。どうなんだろ?
ま、今のうちにこの国の身分について説明しとこっか。
まず、最高位、A級魔力の持ち主は、王族となる。妹がそうだね。
次、Bは公爵、Cは侯爵、Dは伯爵、Eは子爵、Fは男爵。ここまでが貴族階級となる。
で、GHIは騎士階級。JKLは技術士階級。残ったMからY階級が平民となる。
平民であっても、場合によっては研究者として王城にあがることになる場合もある。まあ、あくまで魔力によって分けられるのは身分だけだから。地位は自力で得ないとならない。
そして、幻のZ階級。なんか、この階級があるってことだけは知られてるんだけれど、そこに属するとどうなるかってのは、秘匿されてるみたいで……。
魔力検査を行う施設関係者とか、お偉いさんしか知んないみたい。
この謎が解けるのは、もーちょい後かな。