36 そして、入学
神殿に確認をとった結果。俺の入学は決定事項だそうな。まあ、いいけど。
んで。学園の先生方とのお話し合いの結果。俺は授業に出る必要はなし。逆に全部サボってほしいって。ま、そりゃそうだな。巫が授業なんて受けて、政治に精通しちゃうのも不味いだろうし、実技でも魔法無効のうえ、他の生徒をボコボコにしちゃまずいし。
俺の学園での役目は、学園全体にアンテナをはって、いじめやその類いのものに対処するってことだけだな。
あ、あとアルフォード兄さんや、アイシアの相手をすることか。……いや、本気で駄々こねられっとは思ってなかったわ。
そして迎えた入学式。一年の時から実力で生徒会長になった兄さんを尊敬します。
生徒会長、つまり、本来の政治でいえば父上の役割ってことだな。政治を取りまとめる議会の議長。
役員たちはいってみれば大臣。各部の部長は議員。その他の生徒は一般の実務を行う役割、ってことだな。
それぞれの役割を得ると、バッジをもらう。それを制服の襟につけてるから、それぞれの学園での身分もわかる。
ちなみに、俺は一般生徒のなかでも最下位の身分です。いや、まあ当然だけどねー。そのかわり、実際の権力は最高位ですが。俺の正体を知ってる先生方および生徒会役員の方々のみがそれを知っている……。あ、あとアイシアね。まあ身内だし。
そういうわけで、俺はのんびりと木の上で寝そべりつつ、魔力のアンテナを張り巡らせて居たんだけど、まさか真下の場所で暴力沙汰が起きるとはね。
回りに小規模な結界をはって、その結界に浮遊魔法をかけておりてきた俺に驚く四人。
暴力を振るってたのは、中位貴族の三人。振るわれてたのは平民。さらに貴族三人は俺と同じ最下位のバッジ。平民の彼は一般の中位くらいの立ち位置みたいだね。それでこういう騒ぎか。
俺はため息を吐き出した。
ほんっと。何事もなく暇でいたかったなー。
補足
人間に魔法はかけれません。
例外的に、ゼオはかけれますが(前世の医療知識等があるため)。
ですが、結界などにかけることは可能なので、今回はそのようにしています。
ちなみに、これもゼオが見つけた事実だったりします。