33 俺、まだ子供なんだけど
それから、家に帰って父上に事情を聞くことに。
「ああ、それはな。……子供を引き取る気がある王族が、陛下しかいないからだ」
「……はあ?」
よく聞いてみると、なんでも今壮年以上の王族は十人ほど。今現在子供が三人いるのも多い方らしい。
んで、うち五人はすでに四十以上で育てている子供もいる。三人ほどは結婚しておらず子供を育てる気もなし。残り二人も……いや、奥さんといちゃいちゃしたいのはいいけどね、子供を邪魔とかいっちゃダメでしょ。
まあ、そういう事情だったそうで。
「陛下が引き取るのを拒めば、高齢の王族の方が引き取ってはくださったのだろうが、まだ三人目だからな。育てるための余裕もあるし、……なにより、他のお二人が優秀すぎるためにあまり手がかからない。ましてや、お前もいるしな。それで、三人目を引き取ることになさったそうだ」
えっと。俺も子守される方じゃなくって、する方にカウントされるのね。
「あー。それじゃ、俺のときのようにブレイズと一緒に勉強とかなるんですか?」
「いや。ブレイズは予定通りにこちらで教育を終えてから、お披露目のときまでは城につれていく予定はない。お前は、ブレイズのことと、アリシエラ姫のこと、両方を行き来して見てもらうことになるが」
「……なんで俺?」
「年が近いせいか、妙に子供たちはお前になついているからな。今まで通りアルフォード殿下とアイシア姫も頼む」
「……はあ、まあ、わかりました」
父上は頷くと部屋を出ていった。とりあえず言いたい。どうして子供の俺に、年上の面倒まで見させるんだ!
まあ、もうなれちゃったからいいんだけれどねー。