32 今度は妹ができたようです
それから、しばらくはのんびりとすごした。まあ、神事などでは忙しかったけどね。今は個人で剣の練習したり、ブレイズの勉強を見てあげたり、アイシアと兄さんに付き合ったり、そういういってみれば日常を楽しんでいたんだ。
時々、一応はギルドとか行ってたけど、……なんてか、俺に必要なのは魔物の各種族についての知識だってことが大体わかった。
だって、大抵の魔物は相対したら一瞬で片付くし。
そうやって、半年が過ぎた頃だった。
「は、はじめまちて。えっと、あ、アリシエラ、で、です」
アイシアとアルフォード兄さんのしたに、さらに妹が来た。なんで?
「はじめまして、ベルセリオス公爵家長男のゼオです。アルフォード殿下とアイシア姫にはお世話になっております」
一応、公式の形での挨拶はしたけど……、あ、だいぶわたわたしてる。
「ゼオ、もうちょっと柔らかくしてもいいんじゃないかなー?」
……王様は柔らかすぎだと思います。
「ですが、公式に陛下に呼ばれて参りましたので、そのように振る舞っているだけなのですが?」
「う、いや、それはそうなんだけど、ここって、私たち身内しかいないよ?」
「そういう問題ではありません」
あ、王妃様笑いこらえてるし、アイシアと兄さんは目をきらきらしてるし、父上はなんが頷いてるし。
「陛下。これに常態をお望みなら、最初から私的に呼べばよろしいのです。いくら、最初に姫をお披露目するためとはいえ、わざわざ公的に呼ぶ必要はなかったのでしょう」
うん。『正式』な格好ということで、俺は巫女装束だからね。
「だって、久しぶりにゼオのその格好見たかったんだもん」
……子供か!
「はい、そこまで。アリシエラも固まっちゃってるわよ? ゼオ、これからはこの子もよろしくお願いするわね」
「それはいいんですけど、なんで王妃様が三人も?」
いや、確かにこれだけの魔力があれば王族に引き取られるのは当然なんだけど、王様にも何人か兄弟いるはずなんだけど?
「……それについては後で話そう。今回は、アリシエラ姫との顔合わせだけの予定だからな」
「はい、わかりました。それでは今回はこれでおいとまさせていただきます」
「もう帰ってしまうのかい?」
「一緒にお茶を飲んでいかないんですの?」
「うん、ごめんね。……この格好、俺はあんまり好きじゃないんだよ……」
正直、さっさと着替えたい……。
「あ、そういえば言ってたね。それじゃ、また明日でいいかな?」
「うん。明日またくるよ」
「待っていますの!」
「アリシエラもまたね」
「は、はい、また、です……」
あー。緊張しちゃってて可愛いねー。
うん。俺の癒しがまた増えたよ。




