29 弟に会いたい!
「それで、ゼオの弟ってどんな子なんだい?」
「わたしも会ってみたいんですの!」
開口一番。兄妹そろって俺の弟の話だった。まあ、当然かもしんないけど。アイシアは俺の実妹だし、アルフォード兄さんは兄だし、その俺の弟となったら、ふたりにとっても弟のようなものなんだろう。
「小柄でかわいらしい子だったよ。お菓子を頬張ってもぐもぐしてるとことか、小動物見たいだったし」
「会ってみたいんですの!」
「当然だよね。ゼオ、僕たちはいつ会えるの?」
うーん。それについては。
「ごめん。父上がいうには、王城に来られるようになるのは、お披露目の一年後のときだって。それまでは、きっちりと勉強をしないとダメだからって」
「え、だってゼオは……」
「俺の場合は、王様が拗ねるからだったし、マナーとかも一月で終わっちゃったし」
「あ、そうだったね」
「ゼオは優秀すぎるから、しかたがないんですの」
って、ふたりして納得するとこなんだ、そこ。
「あ、それなら」
……ひょっとして。
「僕たちから会いにいけばいいんだよね」
「あ、わたしも行ってみたいんですの。ゼオのお母様のお茶会って行ってみたかったんですの」
あ、そういえば母上の開催するお茶会って、なんか変なプレミアみたいなものがあるって聞いたっけ。
「うーん。だったら、まずは王様と王妃様、それに母上の許可をもらってからかなー」
「はいですの!」
「絶対に、ゼオのところに遊びにいくからね!」
「絶対ですの!」
やる気まんまんの兄妹ですねー。
あ、ちなみに許可はあっさりとおりました。公爵家って王城のとなりだし、俺の存在もあったからね。
そういうわけで、来週のお茶会には王家の兄妹が参加です。
俺も参加します。
王子さまと王女さまに会えるって、弟もご機嫌です。
……無事に終わるといーなー。




