28 弟のお披露目時期
「あにうえ! すごいです!」
いまだに興奮さめやまぬ我が弟ですね。まあ、お茶も飲み終わってるし、今日はもうお開きでいいかな。
「うん。ブレイズも練習すればできるようになるよ。だから、明日から、魔法の練習も、いろんな勉強も頑張ろうね。わかんなかったら俺も教えてあげるから」
「はい!」
満面の笑顔だね。うん、これは明日アイシアたちに自慢できるかも。
「それじゃ、また夕飯のときに会おうね」
「はい!」
元気に返事して、バイバイって手を振って部屋から出ていきました。
んで、俺はこのまま父上と母上のもとへ。
「……ということです」
「そうか」
「もう。わたくしも見たかったわ。本当に可愛らしい子なんだから!」
「ですねー!」
俺と母上はにこにこと笑い合いましたよ。いや、あのぷくぷくほっぺも、きらきらおめめも本当に可愛らしい。
「まあ、ゼオが魔法の手本を見せたのなら、そちらについてのやる気は問題ないだろう。マナーについても学ぶときはお前に保護を任せてもいいか? 完璧なマナーを見せれば、あの子もやる気を出すだろうからな。ああ、それと、王城に連れていくのはお披露目の一年後になる。それまでにものにさせてくれ」
うん? 一年後?
「えっと、俺は直後にっていうか、真っ直ぐ王城にいきましたよね?」
「巫が何をいっている」
……そうでした。そもそも俺は王様と身分は同等なのでした。
「あ、それについてはブレイズにはいってません。ある程度知識を得てからのほうがよいと思ったので」
「そうね。今はあの子のただのお兄様でいてあげてちょうだいね」
「もちろんです」
うん。かわいい弟のためにも、俺もがんばるか。




