3 魔力検査、やっぱりって何?
んで、魔力検査だね。
ここで現在の魔力量を測定して、引き取られる先が決まる。んだけれどね。たぶん妹とは離ればなれになる。
というのも、俺の勘だとこいつの魔力はかなり大きい。この生活空間自体が、魔力封印の場となっているみたいなんだけれど、ときどきこいつは魔法の片鱗らしきものを現す。魔法が使えないはずの場で魔法らしきものを使えるほどの魔力持ち、ってことだろうしね。
対して俺は、……なんか妙でもあるんだよね。
たとえば、お昼寝の時の睡眠の魔法。俺には効かない。だからこそ、魔法が……失礼。この空間では魔法は使えないんだった。つーことは、魔道具か。
ゴホン。その魔道具で子供が眠らされているとき、俺には全くその影響が出なかった。チビっちゃいころは、なかなか眠らなくって困ったって、先生方もいってたからな。
逆に、身体能力がなんかずば抜けてんだよね。そもそも、今の時点で軽々と長テーブル持ち上げたり、転んで捻挫した先生を腕だけで抱き上げて運んだりってふつーはできないよな。あ、ちなみにそのとき先生は唖然としてたけど。
そういうわけで、測定の時間が来ました。
本日、誕生日なのは俺と妹の二人だけ。
「ごのご、この玉に触って」
ごのご、5ー5。五月生まれの五番目。俺の今の呼び名だな。まあ、仮の名前っつーか、こういう場なんで、管理番号になります。
で、俺が触るとーーなにも起きません。おや?
「……やっぱり……」
やっぱりなの? ……あんまりヤバイことにならなきゃいいんだけど。
「……次、ごのろく、触ってみて?」
「あい」
可愛らしい返事して、妹が触るとーー玉は金色に強く輝いている。
「すごい! 間違いなくこの子は王族だわ!」
やっぱり、そうか。予想しててもちょっとショックかな……。
「う……」
ん?
「うわーーん!」
あ、ビックリしたんか。妹、俺に抱きついて大泣き始めたわ。
「あ、ビックリしちゃったかな……」
「いきなりおっきく光ったし」
「そうよねぇ。貴族以上だと大体は泣いちゃうのよねぇ。ごのご、ごのろく見ていてあげてね? わたしは報告しなくちゃならないから」
「はーい」
俺はいつも通りに妹をナデナデする。
「大丈夫だよ。もう終わったから。ほら、泣かないでおやつもらいに行こ?」
「ーーうー」
ごしごし擦っている手をどけて、ハンカチで顔をぬぐってやる。その後、おてて繋いでいつものおやつを食べにいきました。
……引き取り先が決まるのは、来月頭。さて、俺はどうなんのかな?
あ、やっぱりの意味、聞き忘れた!