27 魔法のとある使い方
てくてくてく……っとブレイズに合わせてゆっくりと歩いて、俺の部屋につきました。ブレイズの部屋は隣になります。
向かい合わせに丸いテーブルに座って、メイドさんたちがお菓子とお茶を淹れてくれるのを待つ。うん、ここのお茶もお菓子もすっごく美味しいからね。
ブレイズは、どうしていいのかわからないようで、ちょっと挙動不審ぎみ。あちこちキョロキョロしてる。
少し待って、準備が整ったら、俺はブレイズに声をかけた。
「さ。お茶とお菓子楽しもう。ここのお菓子、すっごく美味しいんだよ?」
えっという感じで、俺の方を見てくる。なんというか、小動物的なかわいさがあるよね。
「……これ、食べていいんですか?」
「うん。これは俺とブレイズのお菓子だから。一緒に食べよう?」
「はい!」
嬉しそうにテーブルの上のクッキーに手を伸ばしてる。ほっぺた膨らまして食べてる様子はリスのようだね。かわいいわ。
「あの、あにうえ?」
しばらく食べて落ち着いたのか、ブレイズの方から話しかけてきた。
「なに?」
「あの、あにうえも、まほう、つかえるんですか?」
あー。まあ、魔力持ち、しかも公爵家となれば、魔法が使えるのは当たり前だからねー。ましてや、俺の方は一年以上はやく公爵家に入ってるんだし。
「うーん。俺はちょっと特殊なんだ」
「とくしゅ?」
「そ。俺の魔力はないから、道具を使わないと魔法を使えないんだよ。まあ、ブレイズはそんなことないから心配しなくてもいいけど」
まあ、腕輪使えば、使えないこともないけどね。子供にはちょっと大きめの腕輪が俺の腕にははまってる。この膨らんでるところには、例の魔石が封じられてるんだよね。
「まあ、簡単なのを見せてあげよっか」
「はい!」
おー。元気のいい声だ。俺は魔法で火の鳥や水の魚。光の獣等をつくって見せる。魔法ってのはイメージだからね。想像力ならこの世界の誰よりもあるって自負できるぜ! 前世のゲームやラノベはこういうときほんっとうに役に立つね。
「うわー!」
間違ってさわっても怪我しないように、温度とかは調整してるから大丈夫だけど、目をキラキラさせて見ているよ。……ついでに、まわりにいるメイドさんやら皆さんも楽しそうに見ているけど。
……まあ、これはこれでいっか。




