20 魔石について説明しました
さて。話さないとならないこととは魔石のことだ。魔石を使って魔法を使うこと。それについて神様に聞いたことを説明する。
「……つまり、魔石を利用すれば、誰でも魔法は使える、と?」
大体は合ってるけどビミョーに違う。
「正確には、魔石内の魔力を感知できて、それを自分の魔力として発動できれば、ですね」
実際、ハーミットさんがちょこっと試してみたんだけどね、感知はできても、自分の魔力として使うってのはできなかったんだよね。これについては、俺の場合魔力がないからって言うのが大きな理由だろね。自分の魔力がなけりゃ、他の魔力を認識して使うことは簡単だってこと。
「ふむ。そうすると、魔力が少ない人間なら使えると言うことか?」
「そうでもないかと。魔力がゼロの俺はともかく、他の人でも魔力は持っているからやっぱり使いづらいかと。自由に使用しようとしたら、やっぱり訓練ですね。まあ、魔石も使い捨てになっちゃいますし」
「使い捨て? ああ、お前は知らなかったのか?」
「なにがですか?」
「強力な魔力を秘めた魔石は、自動で魔力が回復するぞ?」
「え、マジですか?」
「うむ。だからこそ、重要な箇所の魔石は、そういうものを使うのだ。……そうだな。お前の特性を考えると、そういう魔石を持っておいた方がよいか。それに金のカードを得た以上、一度見ておいた方がよいだろうし……」
「へ、何を?」
「……もちろん、最大の魔石を持つ魔獣。……ドラゴン、だ」
へー。ドラゴンですか。そりゃすごい……。
えっと。俺の知ってるドラゴン、つーか竜と一緒なのかな? まずはそっから調べとこっか……。
出発は一週間後。騎士団長さんとふたりで行きます。……の予定が、アイシアとアルフォード兄さん、およびその護衛の騎士団っつーメンバーに変化。実際戦うのは俺と騎士団長さんだけなんだけどね。後学のためってことらしい。
……うん。調べてみたんだよ。そしたら、やっぱりドラゴンってラノベとかでも出てくる竜のことだった。
ただ、本当に古くからいる古代竜は、会話ができることもあって友好的にしてるそうだ。
で、俺たちがこれから倒そうとするドラゴンは、普通のドラゴン。鱗の色が赤いから、赤竜って呼ばれていて、その能力は氷属性……ってなんでやねん。色と特性がなんか合ってないし。
「ドラゴンとはそういうものです。そのために特性を知るまでは手出しもできませんからね」
……そーですか。
あ、ちなみにそのドラゴンがいるのは南方の氷河地帯。王都からのんびり馬車で二週間だそうな。
いく先々で珍しいものでも食べながら、のんびりいくさ。




