2 ピアス型魔道具、便利だわ
血縁の見分け方について。
まずはなぜ妹だとわかるのか、から説明をしよっか。
俺たち、ここに集められた子供は、その時点でピアスをつけられる。なんか、特殊な魔道具とからしい。
魔道具、ですよ! まさに、異世界って感じのものだね!
ゴホン。んで、この魔道具ってのがちっこいのにとんでもない代物なんだよね。なにしろ、肉親と触れると色が変わる!
普段は透明な石なんだよ。それが、血の繋がった肉親、親だと赤。兄弟、祖父母は黄色。親の兄弟だと緑。いとこは青。どうやら、近親婚をさけるための仕組みらしい。
この世界の魔力の大きさってのが血筋は関係ない。実際、最高の魔力を持つ王族から、最下層の平民の魔力しかもたない人間が生まれたこともあったし、逆に平民から最高位の魔力持ちがうまれたこともある。
これが近親だと必ず低魔力の子供が生まれる。それをさけるため、この魔道具が生まれたんだろうな。
で、俺と妹がお互いに触れると、ピアスは黄色。同い年なのは当然だから双子。ついでにお世話役の先生に聞いたら、俺が兄だって言われた。
ちなみにこのピアスの役割はそれだけではない。
なんと、子供が泣くと、パペットが呼び寄せられるのだ!
パペット。つまり、子供の世話用の人形だな。これも魔道具だそうだけれど。
子供の面倒を大人数で見ている訳じゃないからね。生まれ月毎にクラス分けされてて、各クラス30~40人はいる。そこに先生数人で見るって、ご飯とかおしめとかどうしろってなるよね。
そこで、パペットの出番。離乳食は終えてから来ているから、ご飯はパペットが食べさせてくれる。おしめも換えてくれる。寝かしつけは……、たぶん、睡眠の魔法か魔道具、使っているようでね。このとき、うつ伏せに寝てると危険だから、パペットはちゃんと仰向けに直してくれる。
先生方は、喧嘩したときとか、教育が必要なときとか、そういうときに動くって感じかな? トイレとかも順番に教えるっていうか、ひとりができるようになると、他の子も真似して動くしね。ついでに、集団行動も当たり前にできるようになってる。
それができない子が時々いると、そういうときこそ先生の出番、ってかんじ。
え、俺? いや、さすがに、二歳でおむつはとれたけど。早熟とは言われてたとはいえ、比較的なんでも自分でできるようになったのは、三つの時くらいだからね。記憶は気がついたけど、それがなにかは認識できなかったから。
……まあ、おしめとか換えてもらっている頃に自我があったら、ショックも大きかったような気が、するね。




