16 魔力の結晶
俺とハーミットさんはとりあえず魔石を拾い集めながら、俺の魔石の剣化について話していた。
「おっどろきましたよ。いきなり魔石が熱持ったかと思ったら、次の瞬間には剣に変わっちゃってるんですから」
「……俺としては、それであっさりと魔物を倒してしまったゼオ様に驚きですよ」
ハアッとため息までつけて言ってくれたよ!
「つか、知ってんなら教えてくださいよ」
「はあ。まあ説明はします……」
そうして語られたのは……。
まずは魔石について説明をしよう。
前にもいったと思うけど、この魔石はいわゆる魔道具の燃料、電池な訳だ。つまり、魔石は魔力の結晶とも言い換えられる。
魔物化することで、より強固な感じに変化するわけだけど、ここで重要なことがひとつ。魔力の結晶であるため、魔石の魔力を感知、操作できれば魔法が使える!
俺がとっさにやったのはそれってこと。土属性の魔力の結晶だったから、鉱石の剣になったんだろうと。
これが他の属性だったら、炎の剣や、水の剣に変わっていたのかもね。ちなみに全部剣なのは、俺が剣技と体術しか知らないから。他の武器に変化するわけもなし! あ、ガントレットとかナックルとかならありかも?
ごほん。話がずれちゃったのをもどしまして。
どうやら魔力なしの俺でも魔法が使えそうな感じですね。これはあとで研究せねば!
あっと、今ちょこっと確認したところ、どうやら俺の感知能力はかーなーり、高いようだ。自前の魔力がない分、どうやら他の魔力の判断がしやすいらしい。
こういうのは練習よりも感覚的なものだしね。……いや、ある意味ずっと練習してたか? アイシアの魔力が間違ってぼーそーしないようにとか……。
……まあいいよね、そんなことは。
とにかく、これからの課題(自分にとって)も判明したわけだし、ちょっと神様に疑問を聴きに行ってみよっかな?
「そこで、神様が出てくるところが普通じゃないですよね?」
「俺がフツーじゃないのは、最初っからなんで気にしないでくださいね」
「……そんなの、無理にきまってるでしょー!!!」
ハーミットさんの声が、森に響いていったのだった……。ほんとごめん。さっさと諦めるのが吉ですよー!