15 初の実戦!
「たいへんだたいへんだたいへんだー!!!」
うわっと。ビックリしたー。いきなりおっさんが飛び込んできたわ。
「狼の群れがきやがったぞ!!」
「なんだと⁉」
狼の群れ。おそらくは魔物。単体だと黄色以上のカード持ちなら問題ないけど、群れだと青以上が必要になるんだっけ。
ただし、これは個人でいった場合。相手が群れでもこっちの人数が多ければ、別に低ランクでも倒せる。怪我人は出るかもだけど。
「わかった。俺が行こう」
「たすかります!」
「行くぞゼオ!」
「はーいって、ハーミットさんだけ?」
「今ここにいる他のメンバーは、赤と黄色。ぶっちゃけ足手まといだ」
「なるほどー」
俺なら身を守るくらいはできるしね。俺とハーミットさんは、大急ぎで狼の群れのもとに急いだ。
そして、群れを倒した。うん。しごくあっさりと終わったよ。
まず、ハーミットさんが狼の群れを相手してたんだ。一人で相手にできる実力も持ってたし、俺は初陣だし。
で、時々転がってくる魔石を拾ってたんだけれど、そうしてるうちに一頭が俺の方に飛び出してきたんだ。
とっさに避けて、相対したんだけど、その時に右手に持っていた魔石がなんか熱くなって、ちょっと意識を向けた途端に狼は襲ってきた。そして、魔石が転じたなんか硬い鉱石の剣で、狼の首を切り落としちゃいました。
……いま、俺の目の前には、切り落とした狼の頭があります。
それも、数分後には消えて、魔石に変化しました。
おっと、ここで魔石と魔物についての説明をば。
魔石ってのは、世界を循環している魔力が結晶化したもの。そういうところは大体は国が管理してる。ただ、魔石はそのままだと使い物にならないんだよね。柔か過ぎて。それが、いったん魔物に変化すると、魔石の硬度が増して、いろんな魔道具に使えるようになるんだ。
そういうわけで、魔石集積所は国の騎士と、低位の狩師によって、魔物退治がされ、魔石に変えられてる。ただし、この魔石の魔力は対してない。
まーそれでも結構もつからね。普通の魔石一個で、魔道具ひとつが2~3年はもつから。この魔石が通常出回ってるもの。
その他に今回でた魔物のような天然物は、通常の魔石よりなんでか威力が大きいんだよね。んで、ある程度ランクが上がると、天然の魔石狩りに加わることになる。実力はカードで一目瞭然だし。
ちなみに、この魔石を飲み込んだ動物は、魔獣になる。
こっちは、魔石を取り出すのに心臓を切り出す必要があるかわり、威力もより高い。おまけに、肉は旨く、毛皮その他ももろもろ役に立つ。その代わり魔物より強い。
あっと。んで、強力な魔石が必要になった場合なんだけれど、天然の魔物・魔獣を探すことになる。とわいえ、そういう連中がいる場所は常に把握されてるからね。必要な時に必要な人材を送るれるようになってる。
……そういや疑問がひとつ。なんで、魔物も魔獣も人を襲うんだろうね?
ゼオの疑問の答えはいずれ。
ようやく追い付きました。
魔石の変化についての説明は次回。