14 金色カードもらっちゃった
お約束のあと、ポカンとしているまわりはほっといて、俺とハーミットさんは受付に向かった。
「こ、こんにちは、ハーミットさん……」
「おう。驚かせてすまんな。こいつは知り合いに預かった子でな。ゼオと言うんだ。あんななりだが実力は見ての通りだ。それで、稽古ではなく実戦で学ばせるってことになったそうでな。しばらくは俺が面倒を見てるから、よろしく頼むわ」
「は、はい。承知いたしました。えっと……」
うーむ。カウンターが高くて頭がでない……。
「ゼオ」
おう。ハーミットさんが抱えあげてくれたよ。
「ここでギルド証の発行をする。……その紙に血を一滴たらすんだ」
おー。これまたよくあるパターン。
俺が血を落とすと、カードの色が……あれ、金色に? ザワザワザワ……。って、話し声も重なって意味が聞こえてこないし? これって、一体何事?
「……まじかよ?」
「……ハーミットさん、これってなんですか?」
「ゴールドカードは、ギルドの最高位を意味するんです……。このカードを持っているのは、国中で五人もいません……。
おんやあ? それってあれ? また巫だからとかって理由だったり?
「ちなみに、持っているのは騎士団長、狩師のギルドの上位二人、あとはたしか傭兵ギルドに一人いたかな……」
あー。騎士団長さん。そんなに強かったんだ。
「俺が体術と剣技を学んだのは騎士団長さんです。……勝っちゃったら、もう教えることないって、実戦つーかハーミットさん担当になったので……」
後半は小声で、ハーミットさんだけに聞こえるように。……なんてか、納得してくれたようです。
「そうなんですか……。ですが、申し訳ございませんが、ゼオ様はしばらくはハーミットさんの所の見習いということで、お願いします。一人立ちできる実力があったとしても、年齢的にはそうもいきませんから」
「はい」
六歳児を放置しちゃだめなのは当然だね。
「はい。これで手続きはおしまいです。おそらくはギルド長からの呼び出しもあるかと思いますので、よろしくお願いします」
「はい」
これでとりあえず、登録はしゅーりょーってことで。
カードの色は実力によって変わります。
金、銀、青、緑、黄、赤、白の順で、変化します。
犯罪を犯すと黒くなります。
身分証も兼ねています。
ちなみに、ハーミットは青です。