11 どこまで身体能力高いのだろう
この後は、それぞれの貴族の人が挨拶に来て、それに返すって言う感じで進んでいった。とはいえ、俺たちはまだ子供だからね。貴族のなかでも侯爵以上の人たちの挨拶が終わった時点で引っ込めました。その時すでにアイシアはお寝む。兄さんも眠そうにしてた。俺? ……睡眠時間はその気になれば三時間ほどでたります。身体能力チートってこういうとこまでくるもんかね?
そして、それから一週間。城に仕えている騎士の人たちに剣技と体術を教えてもらっていたんだけれど……。
「ま、参りました! ゼオ様に教えられることはもうございません!」
……国一番の剣士と言われる騎士団長に言われちゃいました。
一応、教えてもらったのは基礎だけで、後はそれぞれ独自のやり方で戦いかたを決めるらしい。普通の基礎練の時間は……五年から十年はかかるそうだけど……。おい、六歳児の俺にこれ以上どうしろと?
「ゼオよ。騎士団長を倒したそうだな」
「はい。やっちゃいましたよ」
「あらあら」
ほほほ、と王妃様は笑う。王様と父上は苦笑してるけど。
「うむ。そうなると後は実戦で鍛えるべきだろう。というわけで近いうちに知り合いの狩師を呼ぼうと思っておる」
「かりし、ですか?」
なんじゃそりゃ?
「狩師と言うのは、魔物を狩って生計を立てているもの達の総称だ。ギルドがそういった者たちを管理している。本来ならお前の年でギルドに入ることはできない。だが、別の狩師の弟子という形でなら所属することは可能だからな。実際に魔物と戦って実戦経験を積むべきだろう」
「そうですね。わかりました」
うん。たしかに。練習と実戦は全く違うものだしね。それまでは自主練をしつつ、その人が来るのを待つことにしましょう。
……アイシアや兄さんに構ってあげとかないと、あとでどうなるか、だしねー。
……そして数日後。俺の目の前には、切り落とされた狼型の魔物の首があった……。
最後だけ時間がとびました。
そこまであと数話お付き合いください。




