表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
活動報告を花束にして。  作者: ゆずはらしの
日常的なあれこれ
31/41

○反発まくら


本日、セルビアの災害に、銀行を通じて義援金送ってきました。ちょびっとですけど。東日本で震災が起きたとき、セルビアは、自分たちも大変だったのに、台湾と同じく、多くの義援金を送ってくれました。


いま、洪水がおきて、えらいことになってるみたいです。親日家の多い国でもあるので、ちょっと気にかけておいてください。


で、タイトルの、まくらの話。



テレビで、なんちゃらショッピングを見ていた母が、まくらを新しいのにしたいと言い出しました。


「ええとね、あれよ、あれ。あのまくら。ほら」


名前が出てこないらしい。



「ほら、あの、




仮反発まくら!」




……………かり



「え、仮、反発、まくら?」


「そう、それ!」


「仮、なんですか!?」


「だから、そうだって言ってるじゃない!」



いやだから、それってどんなの。



「どう思いますか、妹よ。仮に反発するまくらって、見当もつかないのですが」


「普段は普通のまくらなんだけど、たまに思い出したように反発するんじゃないですかね」


「思い出したように?」


「寝ていたら、週に何回か、突然ぼんっと反発する。で、頭がぼふっとはじかれて、びっくり。運が良ければ、一ヶ月反発しないこともある」


「それ、何の意味が」


「リラクゼーションの中に、ハラハラドキドキ感を入れてみました新商品、みたいな。これであなたの眠りもスペシャルに!」


「スペシャルに緊張はしそうだけどね」



安眠できるのか、そのまくらで。実現のための技術は、無駄にすごそうだけど。



「タバコとかくわえて、ヤンキー座りをするまくらでは?」


「なぜタバコ」


「一時的に反発するということで。青春的な」


「ああ。ホントはヤンキーじゃないんだ、仮になんだ! ってこと? でもそれだと単に、不良なまくらでは?」


「その名前だけで、在庫がはけそうにないな」



売れ残り、倉庫に山積みにされた、ヤンキー座りをするまくらの群れ。本格的にグレそうだ。



「あー、じゃ、中二なまくらでは」


「盗んだバイクを乗り回し.暗黒帝王とか名乗るまくらですねわかります」



マントを羽織って高笑いをするまくらの群れ。それぞれが、なんちゃら四天王とか、なんちゃら帝王とか名乗っている。別な世界の扉が開きそうだ。



「うんまあ、仮な反発だしね」


「仮な反発だね」




話していると、母が怒った。



「ちょっと、何なのよ! よくわからないことをゴチャゴチャ!」



わたしたちは顔を見合わせてから、だまってメモに「低反発まくら」と書いた。


「お母さん。これ、なんて読む?」


「かりはんぱつ!」


迷いがなかった。


妹が言った。



「お母さん、この字はね。


仮じゃなくて低いって字なんだよ」



ていはんぱつまくら。


肩こりに良さそうなら、わたしも欲しいです。


2014年 06月24日 活動報告より



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ