○反発まくら
本日、セルビアの災害に、銀行を通じて義援金送ってきました。ちょびっとですけど。東日本で震災が起きたとき、セルビアは、自分たちも大変だったのに、台湾と同じく、多くの義援金を送ってくれました。
いま、洪水がおきて、えらいことになってるみたいです。親日家の多い国でもあるので、ちょっと気にかけておいてください。
で、タイトルの、まくらの話。
テレビで、なんちゃらショッピングを見ていた母が、まくらを新しいのにしたいと言い出しました。
「ええとね、あれよ、あれ。あのまくら。ほら」
名前が出てこないらしい。
「ほら、あの、
仮反発まくら!」
……………仮?
「え、仮、反発、まくら?」
「そう、それ!」
「仮、なんですか!?」
「だから、そうだって言ってるじゃない!」
いやだから、それってどんなの。
「どう思いますか、妹よ。仮に反発するまくらって、見当もつかないのですが」
「普段は普通のまくらなんだけど、たまに思い出したように反発するんじゃないですかね」
「思い出したように?」
「寝ていたら、週に何回か、突然ぼんっと反発する。で、頭がぼふっとはじかれて、びっくり。運が良ければ、一ヶ月反発しないこともある」
「それ、何の意味が」
「リラクゼーションの中に、ハラハラドキドキ感を入れてみました新商品、みたいな。これであなたの眠りもスペシャルに!」
「スペシャルに緊張はしそうだけどね」
安眠できるのか、そのまくらで。実現のための技術は、無駄にすごそうだけど。
「タバコとかくわえて、ヤンキー座りをするまくらでは?」
「なぜタバコ」
「一時的に反発するということで。青春的な」
「ああ。ホントはヤンキーじゃないんだ、仮になんだ! ってこと? でもそれだと単に、不良なまくらでは?」
「その名前だけで、在庫がはけそうにないな」
売れ残り、倉庫に山積みにされた、ヤンキー座りをするまくらの群れ。本格的にグレそうだ。
「あー、じゃ、中二なまくらでは」
「盗んだバイクを乗り回し.暗黒帝王とか名乗るまくらですねわかります」
マントを羽織って高笑いをするまくらの群れ。それぞれが、なんちゃら四天王とか、なんちゃら帝王とか名乗っている。別な世界の扉が開きそうだ。
「うんまあ、仮な反発だしね」
「仮な反発だね」
話していると、母が怒った。
「ちょっと、何なのよ! よくわからないことをゴチャゴチャ!」
わたしたちは顔を見合わせてから、だまってメモに「低反発まくら」と書いた。
「お母さん。これ、なんて読む?」
「かりはんぱつ!」
迷いがなかった。
妹が言った。
「お母さん、この字はね。
仮じゃなくて低いって字なんだよ」
ていはんぱつまくら。
肩こりに良さそうなら、わたしも欲しいです。
2014年 06月24日 活動報告より




