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活動報告を花束にして。  作者: ゆずはらしの
古代や中世に思いを馳せる。
3/41

古代の常識と現代の感覚


腰が痛い。

体調不良はなんとか回復しましたが、


昨日までの宿題がたまりにたまっていて、ずーっと、ずーっと、椅子に座り続けていました。


語学なんで、辞書をずーっと、ずーっと引き続け。


目がおかしくなった。しまいに。


腰がイタイです。


で、これから、明日、教会に持っていく、中学生用のテキストの作成にかかります。今、旧約聖書をやってるんで、解説とか、歴史上はどんなだったかとか、調べてから書くのですが、


中二の女の子に、妙にウケたらしく。毎回楽しみにしているらしい。そんな事言われたら、手が抜けないじゃないか、うれしくて!



* * *



と、いうわけで、中学生向けのテキストを書いています。自己流で。


旧約聖書の部分は、物語の要素が強いので、三千年前の文化とか、調べてまとめていると、小説の設定とかを、必死に作って書いている感じです。


シリア・パレスチナの気候がまず、日本と違う。


雨季と乾季を繰り返し、雨は秋から冬に降る。夏は乾季で、作物が育たない。


秋に雨が降り始めたら、ブドウやオリーブの収穫が始まって、


冬は雨。


春に小麦や大麦が育ち始め、五月ごろ収穫。


そのあとは乾季で、また雨が降るまで、収穫できなくなる。川も水量減って、枯れてゆく。死の季節?



というわけで、日本では、実りの秋、となりますが。パレスチナの辺りでは、秋から収穫が始まって、春……というか、初夏? に収穫が終わります。


春からちょっとした作物の収穫が始まり、秋に収穫が終わる日本と比べたら、季節感がかなり違う。


これだけでも、ちょっとした常識とかが、かなり変わってくる気がします。



あと、三千年前の人たちの、世界に関する理解とか、考えていると、現代の常識で見ていたら、こりゃ、かなり間違えるぞ、みたいな。


夏に日照りが起きるので、死の王が天の玉座についた、という理解だったらしい。で、秋に雨が降ると、嵐の王が天の玉座についた、と。


嵐は生命を生み出すもので、死の王と嵐の王は、玉座を巡って争い続ける、みたいな? 理解で自然を見ていたようです。


ジョーン・D・ヴィンジの書いたSF『雪の女王』は、夏と冬の時代が数百年単位で交代する惑星ティアマットの、王位争いをテーマにしてましたが。


ヴィンジは、こういう三千年前の人々の自然理解みたいなのを、どこかで見たか聞いたかしたのでは、とも思いました。残念ながら、この作品は絶版。またもや絶版。アマゾンで探したらあるかもですが。


まあ、欧米の大学ユニバーシティには必ず神学部があるので……キリスト教、あんまり好きじゃない人でも、一度は必ず、こういう聖書考古学みたいなのとか、当時の宗教観とか、触れるのではないか、とも思います。


専門学校カレッジにはありませんが、ユニバーシティとついている大学なら、神学部があります。


どうしてかと言うと、大学の生まれた歴史を考えるとわかるのですが。欧米の大学は、修道院から発生したからです。


印刷技術なんてなかった時代、書物は、写本が基本でした。写本は、大体は、忍耐強い修道士や修道女に任されていました。


そういうわけで、修道士たちは、読み書きできないと困るわけです。写本係は特に、字の間違いあったら困る。


教養もある程度ないと、文字の間違いが増えます。聖書を理解するための手助けとして、アリストテレスとかの哲学書も写本してましたから。


で、有望そうな子どもが修道院に入ったら、読み書き教えていたわけです。そのあたりは、エリス・ピーターズの『修道士カドフェル・シリーズ』に……タイトル出てきませんが。何かあったような。あと、青池保子の『修道士ファルコ』だったかな。マンガに、そういう話があった。


そこに、王族や貴族が、教養をつけるために学びに来たり? 


それを聞いた裕福な商人や市民が、箔付けに自分の息子たちに教養をつけさせようとして、寄付をして学ばせた、と。


で、発展してゆきました。


神学から、法学や医学が派生して発展。いろんな学問を教える場所になっていった、と。


という歴史があるので、欧米の大学には、今も神学部があります。というか、これが最初、中心だった。


日本のように、ユニバーシティ、とついている大学に、神学部やそれに類した学部がないのは、世界の中でも珍しいのだそうです。


そういう目的で設立された大学じゃないと、ないものなあ。神学部。



* * *



わたしに関して言えば、子どものころから聖書を読んでいましたが、


これは、常識と呼ばれているものが、案外にもろい、根拠のないものなのだな、と理解するのに役立ちました。だって、三千年前とか、二千年前とかの、国々での常識はどうだったのかとか、考えざるを得ないんですよ。読んでたら。


現代日本の常識とは、絶対違っているし。


ちなみに、変な質問をする子どもとして、聖書を教えてくれていたおじさんやおばさんたちからは、嫌がられました。しまいには、どうでも良いことをごちゃごちゃ言うな! と言われました。


仕方ないので、自分でひっそり調べました。……まあ、でも、小説の設定とかに活かせたから。


いろんな常識があって、その中で人々が生きていて、


そうした常識は、彼らが野蛮だとか、劣っていたからとかではなく。その時代、その国では、そうであらざるを得ないものであったと、


その中で、「これはおかしいのではないか」と声をあげた人々がいて、


良い事も悪いこともあって、悩みも苦しみもあって、


その中で、少しづつ、少しづつ、


良い方へ。良い方へ向かおうと、名前も残らなかった人々が。もがきながら、努力してきた。


そうして今につながり、そうして未来に向かう。



……と、いうことを、高校生ぐらいの時に考えてました。厨二っぽいですかね。



* * *



んん、とにかくテキスト作ろう。前回は、古代メソポタミアのパン(小麦粉、油で作られたらしい、ちぎるとボロボロ崩れる)の再現の写真載せたけど。今回は、何を載せようかな……。


2012年 09月08日活動報告より



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