■20130202 新しい家族
お題:年の離れた妹 必須要素:500文字 制限時間:30分 文字数:500字
テストの点数が悪かった。それだけでイライラしていた。今なら世界だって壊せると思う! そんな感じでイライラしながら返って来たら、歳の離れた妹の私を呼ぶ声が背後から聞こえた。
「お姉ちゃ~ん!」
「なに? 海晴」
ふり向くと可愛い子猫を抱き抱えている海晴が、公園の方から駆け寄って来るのが分かる。
「どうしたの? そのネコ」
「公園でダンボールの中に入ってたの……」
悲しそうに言う海晴。私はその腕の中でニーニーと泣く子猫を見た。
首輪はしていない。きっと捨て猫なのかもしれない。
「ねえ? にゃんちゃん連れて帰っていい?」
うちはペットはダメってお母さんから言われてるから……正直良いとは言い辛い。
それでも、妹の泣きそうな目で必死に訴えて来るのには逆らい辛い……。
「分かった。お姉ちゃんが話してあげる」
決断の決め手は可愛い子猫の小さな欠伸だった。なんかそれを見ただけでテストのイライラも吹っ飛んじゃった。
「ありがとうお姉ちゃん!」
海晴も嬉しそうに笑った。
「でも、あのお母さんを説得できる自信、あまりないから期待しないでね?」
「う……うん……」
それから3時間、必死に両親を説得し続けて、新しい家族が一匹増えることになったのだった。