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わすれんぼうの森

「もし何でも忘れることができる、すごく便利な薬があるとするわね。そしたらあなたたちは、何を忘れたい?」


 私がそう聞くと、三人のかわいい孫たちは口々にその質問に答える。


「友達とケンカしちゃったこと」

「テストで悪い点を取ったことかな」

「うそをついてお父さんに怒られたこと」


 私がにこにことそんな答えを聞いていると、三人の中で一番年下の理沙ちゃんは、首をかしげるようにして言った。


「それじゃあおばあちゃんは、何を忘れたいの?」


 暖かい春の午後だった。私はあの特別な時間を思い出して口元をほころばせながら、こう言うのだった。


「私にはね、忘れたいことなんてひとつだってないよ」

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