怪しい女の子
「それっていつ頃?」
何か気になったのか、日和が三郎さんに聞く。けど三郎さんじゃなくて凛が答えた。
「あれかな、ほら、四、五年前の騒ぎ、私らが通ってた小学校でも噂になってた」
僕もその騒ぎを思い出した。あのときは確かクラスのなかでも騒ぎがあったな。
「そう、それ! あの時配信者になる!って言ってたお調子者がいたね。親のスマホ持ち出してなんかお化けが写ったって騒いでた」
あれかぁ。かすかな記憶をたどってみる。
「あっ、あの、生首抱きしめた女の子が写ってたって……」
「ちょっと、それっ、詳しく聞かせてくれないか」
突然、三郎さんが話に食いついてきた。
「何、三郎さん、うちの小学校でも……」
「そのあと、そのあとの話を詳しく」
「お調子者が親のスマホ持ち出して、生首抱えた女の子写ってたって。その子は日本人じゃなくて、真っ白な髪の毛でなんか外国人みたいでかわいいとか、だからこわいとかさわいでて。」
「それはどこで撮ったかわかるか?」
「ごめんなさい、どこだか分からないの。どこで撮影したかも教えてくれなかったし、それにもうあいつは引っ越しちゃったの」
凛が申し訳なさそうに答える。
もともと日和が興味持たないと凛も興味持たないし、僕もそうだった。いや、違うぞ、あの時日和はなんて言った?
『あれからは嫌な感じはしないけど、悲しそうで、あとなんかすごく強そうな気配がした。近寄ったらだめ』
そうだった。日和は興味がないわけじゃないけど僕らを心配して近寄らせないようにしてたんだ。
「三郎さん、その女の子がなんかあるの?」
凛が不思議そうな聞く。
「もしかしたら……。いやそんなわけないか。彼女もこちらに来てるなんて…ありえないか…。 ……ちょっと知らない話だったから気になってな、それだけだ」
なんか口の中でもごもご言う三郎さんが気になるな。何か知ってることに関係あるのかな?
「うーん、三人ともその話は遠くで聞いてただけだし、動画も見てなかったし」
「日和があまり興味引かなかったから本物じゃないと思ってたし」
「三郎さん、ごめんね」
「あぁ大丈夫だ。何か分かったならば教えてくれ」
生首抱えた女の子の話はここで終わった。三郎さん、何はが気になったのだろう。
「まず夏休みになったら神部神社に行ってみようよ?」
「凛ちゃん、そうだね。まずは犯行現場から」
「日和、殺人事件じゃないんだから」
確かに最初は神部神社だね。話しを聞くにはどこかにつてを探さないと。 とりあえず、つてを見つける、それが目標かな。
そう言えば、この間の鈴木、あの女の子、青木さんだっけ、とお祭りって言ってたな。町内会のお祭り? それともこの辺のお祭りだとあの神社のお祭りかな? ならば神社の人ともつてがあるかも。明日、学校で聞いてみるか。
そんなことを考えていると三郎さんが話しをきり上げる。
「そろそろ試験勉強もしないとならないし、試験前はこんなところかな?」
三郎さんの言葉に日和と凛は嫌なものを思い出した顔をしした。まぁ凛は大丈夫だと思うけど、日和は気になることあると途端に成績下がるからなぁ。ちょっと心配だ。こんなこと考えるからおかんと言われるのかな?




