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第一話

幼きその眼差しに、周囲の者はただならぬ鋭さを見て取った。

やがて運命の出会いが訪れる。まだ十代の少年に過ぎぬ氏郷は、織田信長に召し出される。信長はその容貌を見て‥。

「これは‥ヨーロッパでモデルで食えるな」

と嘆じたと伝わる。美しき面立ちに加え、武芸にも秀で、学問も怠らない。信長は一目で見抜いたのだ。

この若者は凡骨ではない、と。

信長は娘・冬姫を与え、義理の息子とした。織田家中でも異例の待遇である。

周囲の武将たちが嫉妬と羨望を込めて氏郷を見つめる中、ただ冷静に、戦場と政の両方に備えていた。

浅井討伐、伊勢攻め。

若き身でありながら常に先陣を切り、その槍働きは鮮烈だった。血煙の中に立つその姿は、もはや信長の娘婿という飾りではなく、一武将として周囲を圧するものであった。

信長は折に触れて、こう口にしたという。

「氏郷。お前がナンバーワンだ」

その言葉は冗談ではなく、織田政権の未来図の一端を示すものだった。

だが、1582年。

氏郷の運命は、突然の凶報によって揺さぶられる。

本能寺。織田信長、明智光秀の謀反により自刃。

氏郷はただ茫然とした。

「ガモォォ‥」

恩義の父、導きの主君‥。

失った喪失感は計り知れない。彼の眼差しから、あの輝きが消えたとか消えないとか‥。

しかし、彼は立ち止まらなかった。

残された冬姫を守り、蒲生家を繋ぎ、乱世に抗して生きる決意を固めた。蒲生氏郷の胸中には、もはや近江の小領主という小さな枠は存在しなかった。

己は必ず、天下の頂点に立つ。



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