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第二章モルドレン編⑪ 【メルリ】

YouTubeにて音声動画上げてます


OP「今はまだヒミツ」


https://youtube.com/shorts/ztOAm6DjzNI


「ウヒャヒャヒャ!」

 高笑いのハルキ。

「ザマァないぜェッ! 頭吹き飛ばされてやがんの! オレサマにタテつくのがイケナイんだよォッ!」

 カナートは、キメラの尻尾を頭に受け、首から上全てが吹き飛んでしまっていた。白いワイシャツの首周りが真っ赤に染まる。

「イイぞォ! もっと暴れろォ! モヤシィ! 適当に暴れさせたら、アレ引っ込めろ!」

 ハルキは暴れるキメラを見て大興奮だ。

「ハルキ様っ!」

「なんだモヤシィッ!?」

「あの、魔法陣が壊れて、あの怪物を制御できませんっ!」

「…なんだとぉ?」


キシャァァァァァ


バキィ ゴガァ


 暴れ回るキメラは次第に周囲の建物を破壊し始めた。

「…知らないぞ…アレ呼び出したのはオレサマじゃないぞ! モヤシィッ! オマエが呼び出したんだ! 責任取ってアレをなんとかしろォ! オレサマは知らないからなッ!」

「そんな…無茶な…」



「こりゃじゃマズイ! ユーくんはメルリちゃんを! やるよッ! ヒィちゃん!」

「了解! ハァァァァァァッ!」

「うぉりゃぁぁぁぁ!」

 ミキとヒミコがキメラ向かって突進する。


パタタタタ…


キンッ


 ミキの銃弾とヒミコの刃がキメラを攻撃するが、まるで歯が立たなかった。


「ゴリ男君! シャルを回収して! あれじゃ踏み潰されちゃう!」

「うガァ!」

「どうするんですかっ?! ハルキ様っ! ハルキ…様?」

 カヱデが振り返った先に、いるはずのハルキの姿は無かった。

「モヤシ君! ハルキ様は?」

「え、ええ? さっきまでそこに…」

「うガウ」

「何、ゴリ男君?」

「ハルキ、さっキ、ドッが、いっダ」

「チッ…アイツ…逃げやがった…」

「委員長…」

 ゴリ男に抱えられたシャルロットの息が絶え絶えに。

「シャル…大丈夫?」

「アタシらもぉ…逃げないとぉ…」

「そうは行かないわよ…こんだけの騒ぎにしちゃって、逃げ(おう)せると思って?」

「しょれわぁ…しょうだけどぉ…」

「ゴリ男君。私たちもやるわよ。いい?」

「うガ!」

「シャルは捕縛結界を。やれる?」

「やらなきゃダメなんでしょ…」

「そうよ…モヤシ君はシャルの補助!」

「はいっ!」

「じゃ、行くわよッ! 散開ッ!」


ザシィッ


ドゴッ


 カヱデが大剣を振い、ゴリ男が正拳で、それぞれキメラに挑むが攻撃は通らなかった。

「アンタたち…」

「ごめんなさい。これほど騒ぎを大きくするつもりはなかった。私たちもどうにか沈静化したいの。助力、いいかしら?」

「モチのロン。アナタ、名前は?」

「藤枝…カヱデ」

「ふーん、ちゃんと『委員長』以外にも名前あんのねー」

「ふ。当たり前よ」

「委員長! 捕縛結界、準備できました!」

「分かった! 全員が安全圏まで離れたら結界発動! みんなッ! 離れてッ!」

「いきましゅ…シャルロット=ポワールの名において命じゅる…捕縛結界、発動(はちゅどう)

 力無く横たわったシャルロットが大地を(はた)いたところから光が走り怪物(キメラ)まで達すると、それは上へ向けて巨大な光の網となって足を捕える。

「足止めが…()ぇいっぱい…」

「何とか持ち堪えて! 行くわよ、ゴリ男君!」

「うガァ!」

「あたしらも! ヒィちゃん!」

「了解!」

 4人がかりでキメラに攻撃を加える。が。

「硬ぁぁ!」

「コイツ…属性魔法で強化されているっ? このままじゃ…!」

 キメラとて足を捉えられただけ、頭も尻尾もまだ自由だ。それゆえ、動け回れない分、カメレオン頭の口からは舌を伸ばし、尻尾を振り回して暴れる。


キシャァァァァァ


ギシィン


 ユーリはメルリの方へ降り掛かるキメラの攻撃を受け止める。


ヒュッ


ガシィィン


 伸びてくる舌を尻尾を剣で防ぎ、隙をみて攻撃を入れるも通らない。

「メルリさんッ! 早くッ! カナートをッ!」

 メルリはカナートのそばでへたり込んでいる。

「そんな…ご主人様が…」

「メルリさん! 早くッ! 笑って!」

「えっ?」

「僕たちでコイツの相手は無理です! 彼が! 彼でないと! カナートに微笑んでッ! 【笑顔の魔法】ですッ!」

「…え? あ、ハイッ!」

 メルリはカナートへ這い寄り、首無き上半身を膝に抱き抱える。

「ご主人様。お目覚めの時間ですよ…ご主人様…」

 今にも泣き出しそうな嗚咽を噛み殺し、メルリは必死に微笑んだ。

「起きてください。ご主人様…」


サァァァァァァァァ…


 メルリの全身が輝き出した。

 その輝きはカナートを優しく包み込む。

 首の、断面とも言えるその先、静かにシルエットが浮かび上がり、形を成した。

 形は情報量を増していき、やがて元のカナートの頭部を完全に再現する。

 そして

「グハァッ! ゲェッ! ゴホッ! ゴホッ!」

「ご主人様っ!」

「メルリ?! …オレは…」

「もう、大丈夫です。もう…」



〈メルリっ!〉


ポンっ


「あ?! フルル様!」

 建物の影で様子を見ていたリリアの胸からフルルが飛び出し、メルリへ向かう。



「赦さない…ご主人様(カナート)をこんな目に…赦さないッ!》


ヴォフォッ


 おもむろに立ち上がるメルリが蜃気楼の如く歪んだかに見えた刹那。

「メル…リ?」

 カナートの傍には銀髪を靡かせ濃紺のビクトリアン調ロングスカートのメイド服に身を包む褐色の少女(エルフ)が立っていた。

(ゆる)さないィッ》

「【メルリ】ぃ!」

 猛スピードで飛来しメルリに体当たりしたかのように見えたフルルはメルリの体の中へと消えた。

 裏メルリと呼ばれるその少女。

 右手を空に翳し

《消え失せろ下等生物! 【近所の落雷(ネイバーサンダー)】ッ!》

 振り下ろすと同時に雷鳴が響き、キメラに直撃する。


カッ ピシャッ


キシャァァァァァ


ドォッ


 次いで右手は左肩口から前へ振られる。

《【南極の氷(ポーラーアイス)】ッ!》


キィィ…ン


キシャァァァァァ


カキィ…ン


 キメラは氷漬けとなる。

 再び振り上げ、前方へ振り翳す。

《【焼き鳥火炎(バーベキューフレイム)】ッ!》

 手のひらからは青白く光る焔の玉が発せられ


ゴォフォォォッ


キシャァァァァァ…


ボォフッ…


 キメラは焼き尽され、消滅した。



ED「この穏やかなぬくもりに」


https://youtube.com/shorts/TfUN7HlPlsI

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