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第二章モルドレン編⑨ キノコ再襲

YouTubeにて音声動画上げてます


OP「今はまだヒミツ」


https://youtube.com/shorts/ztOAm6DjzNI

「対象、早速カジュアルウェアの店に入って行きました!」

 ノゾキ部隊、もとい尾行追跡の一同の先頭はヒミコ。そのヒミコの後ろにずらっと4人が続く。

「お店は誰か指定したんですか?」

「いんや、リリアさんが候補をいくつかピックアップして、あとはメルリちゃんにお・ま・か・せ♡」

「ですんでメルリちゃんのセンスが問われるってことっすよ」

「っていうか、あたしたちが決めちゃったらカナートくんの服をあたしたちが選ぶようなもんだからねー。それだと本作戦の意味ないしー」

「メルリちゃんがカナートくんをどんな色に染めちゃうのかめっちゃ楽しみー!」


――――1時間経過。


「…割と時間掛かってるっすね」

「そんなもんじゃない? 待ってると長く感じるってだけで。女の人の買い物に付き合う男の人の気分ってこんな感じじゃないのかな?」

「そうなん? ユー君」

「どうなんでしょうね? 僕も姉の買い物に付き合わされたことがありますが、姉はさっさと決めちゃう人でしたから」

「お姉さんの買い物に付き合うの? 優しいねぇ」

「まぁ荷物持ちですよ…今と同じく…」

 実はこの待ち時間の間に例のタンス4つを買ってきて背中の収納箱に入れたユーリであった。

「お! 対象が店から出てきました! カナートくん、着替えてます!」

「ホント? どれどれ?」

 ビルの壁から生首がニョッキリと3つ。

「白いワイシャツ…オックスフォード、か? それにジーンズ。普通だな」

「フツーっすね」

「でもあれ、ボタン結構いいの使ってるっぽいよ? 多分割とお高めな」

「わかんの? そんなこと」

「雑誌でね、勉強したの。昔ね」

「ふーん…あぁん! カナっち君、なぁぁぁんて事を?!」

「袖捲ってるだけじゃないっすか?」

「世の女の中には袖捲りフェチってぇのがいるのよ。カナっちめ、その上、手の血管でも浮かしてみろ、タダじゃおかねぇ!」

「姉さん、好きなの? そういうの」

「…うん…ちょっと」

「それにしてもあの二人、めっちゃ夏っぽいっすねぇ」

「いいわよねー。純愛系のエロゲーみたいねー」

「何言ってんすか?! エロゲーとか!」

「あ、でもこの作戦名、人口増えてもって…そういう意味だったのか…」

「もうー。純情さんばっかりだなー」

「姉さんは汚れ過ぎでは」

「もー! ヨゴレとか言うなー!」

 先頭の3人がギャースカ始めたので、その隙にオスカレッテが顔を出す。

(楽しんでおられるな、メルリ殿。 あ…)

「動くぞ」

「「「何ぃ?」」」

「追跡だー!」

「「おう!」」



「ふぃー…あついのでしてぇぇぇ」

 ポコンとリリアのリュックのフタが開き、フルルが顔を出した。

「大丈夫?」

「おひさまがのぼるとむしぶろなのでしてぇぇぇ。ちょっとおそらのかぜにあたってくるのでして」

 パタパタと羽を動かし、フルルは空を目指して上っていった。

「いってらっしゃーい」

「迷ったら支部のビルへ直接行ってくださいっす!」

「わかったのでしてー」



「うーん。じょうくうのかぜはすずしいのでしてぇ〜。おや? かわったひとたちがいるのでして」

 空の散歩を楽しむフルルの目に、ビルの屋上で皆一様に同じ方向を見つめる5人組が入った。

「なにかおもしろいものでもあるのでして? お、なかよしさんはっけん! カナートとメルリなのでして! ふ…へくちんっ! でして。うう、きゅうにすずしくなったのでくしゃみが…へくちんっ! ふえぇ〜、みんなのところにもどるのでしてぇ〜」



「ただいまでして〜」

「おかえりー。早かったね、戻るの」

「おそらはすずしすぎたのでして。それで、おもしろいひとたちをみかけたのでして」

「へぇ、どんな?」

「ひとりはとってもでっかかったのでして。それといかにもまじゅつしーってふくのひとがいて」

「…全部で何人だった?」

「ごにんぐみだったのでして。みんなおなじほうをみてるなーってみてるほうをみたらカナートとメルリをはっけんしたのでして」

「ねえフルルちゃん。その中に頭がハムスターの女の子、いなかった?」

「おんなのこかはわからないですが、いたのでして。それがなにか?」

「ユー君! ヒィちゃん!」

「間違いないですね」

「ハルキたちだ…ヒエロフで捕まってたんじゃないの?」

「どちら様っすか?」

「サージエンスに行く前に立ち寄ったヒエロフで、魔法攻撃を仕掛けてきました。ちょっと僕たちと因縁もあるんですが」

「ウチ、支部に問い合わせてみるっす。ヒエロフは自警団があるんで白騎士団のネットワーク外なんすけど」

「フルルちゃん、そいつらどこにいたの?」

「あっちのビルのおくじょうでして。あんないするのでして」



「あのビルでして」

 角度のせいか、屋上に人影は見えない。

「どうする?」

「ワタシが見てこよう。何かあれば団の権限で逮捕も可能だ」

「わかった。よろしく」

 ミキの口調がいつになく真剣だ。

 オスカレッテはそのビルへ向かう。

「追いついたっす! 今、支部からヒエロフに問い合わせてもらってるとこっす。ナワバリ意識もあるので素直に教えてくれるか分からないっすけど」

「こういう時、この世界は不便ねー。ネットで情報共有ってわけにはいかんもんねー」

「ネットが発達する前はこんなものだったのかなぁ」

「…え? 魔法詠唱確認! 場所は…あのビルの屋上!」

「分かるの? そんなの!」

「ウチの能力(アビリティ)の【魔法感知(ソーサリーセンサー)】っす! うへッ! もう一つ! こっちは巨大! 強力な攻撃魔法の詠唱が行われているっす!」

「強力って…」

「【凍結烈焼(コールドバーン)】しかないじゃないッ! 行くわよ! カナっちとメルリちゃんを全力で守る!」

「「ハイッ!」」

 ミキ、ユーリ、ヒミコの3人はカナートたちの元へ駆けた。

 それを見送ったリリアがカナートたちがいる方へ手を翳す。

「間に合うか…」

「リリア。ボクがてつだうのです」

 と、フルルはリリアの肩に手を乗せると、スーッとリリアの中へ消える。

「え? フルル…様?」

〈リリア。ボクがサポートするのでして! えいしょうするのでして!〉

 リリアは胸の中に温もりがあるのを確認すると

「…なるほど。分かりました! 我が内なる力、彼の者に護りの壁を。【魔法防御(ソーサリープロテクト)】!」


バァァァッ


 リリアが翳した右手から白い光が放たれる。


バフォゥゥゥ


 しかし同時にビルの屋上からも大音響と共に赤と青に光る光球が発せられた。

「なっ?! 間に合えェェェッ!」


ドボオゥフ


 ビルの合間に大きな爆発音が響き渡る。

「メルリちゃんはッ?! カナート君はッ?!」

 巨大な魔法エネルギー同士の衝突で歪む空間。

 その先に

「見えた! ふぅぅ…無事だったぁ…でも…全力でいっちゃったから魔力が残ってない…っす…」

〈それでも! げんばに、ふたりのもとへいってほしいのでして! ボクをつれていってほしいのでして!〉

「分かりました! あ、でもその前に (ピッ) 緊急連絡! モルドレン市街地内で危険魔法の使用者あり! モルドレン支部へ応援を要請します! (ピッ) よしオッケー! それじゃ行くっすよ!」

 リリアもカナートたちの元へ駆け出した。

〈『メルリ』…〉



「防…がれた…?」

「ハルキ様! 逃げましょう! これ以上の市街地での【魔法】使用はまた逮捕されてしまいますっ!」

「ウルサイッ! 余計な口出しをするなッ! オマエたちはオレサマの言うことを聞いていればいいんだよッ! オレサマはアイツを、カナート=オヌマーとかいうクソ生意気なガキを葬らなきゃ気が済まないんだよッ! 今度こそ絶対に【人格設定(コア)】を抜き取ってやるッ!」

 興奮してそう言い捨てたハルキは屋上の踊り場の暗がりへ消えた。

「ハルキ…様…」

「委員長。アタシたちはやるしかないのよ。ハルキしゃまのために」

「シャル…」

 シャルロットはハルキのすぐ後をついて階下へ降りていった。

「委員長…」

「がヱデ」

「モヤシ君、ゴリ男君…行きましょう…」

 シャルロットが消えた階段の暗闇に、カヱデたち3人も続いて消えた。



ED「この穏やかなぬくもりに」


https://youtube.com/shorts/TfUN7HlPlsI

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